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自然科学

2017年5月11日 (木)

人類滅亡のカウントダウン始まる?

◆人類滅亡の話は古来より、出ては消え、消えては表れるという繰り返しだった。ノストラダムスの大予言然り。ハルマゲドン然り。2015年9月3日はマヤの歴で世界が破滅する日だったという。なぜ破滅の予言というのは、いつの世にも湧き出てくるのだろうが? それは人が無意識に求めているものだからではないのだろうか? こんな中、「学者が予想、人類が滅亡する確率と時期、-世界の有名科学者が”人類滅亡寸前”を指摘!21世紀で終了の確率は50%!」というネット・ニュースを見つけた。以下要約してコメントする。

自然災害から大規模テロまで人類滅亡の引き金となるリスクは無数にあるが、具体的にどの程度の確率で我々は絶滅するのだろうか? いくつかの例をあげると、英国のある哲学者は、今後5世紀の間に人類が滅亡する可能性を30%、英オックスフォード大学「人類の未来研究所」は今世紀末までにその可能性19%、英ケンブリッジ大学「絶滅リスク研究センター」は文明が次世紀まで存続している可能性を50%と見積もっている。これらはあくまで推測に過ぎないが、科学者らが感じている切迫した状況が伝わってきそうだ。

◆世界的理論物理学者ホーキング博士は「今後100年の間に人類が滅亡する危険性が極めて高い」として、災害や核戦争、科学技術によって人類が滅ぶと警鐘を鳴らしている。その上で、「100年以内に他の惑星を植民地化する必要がある」と語っているそうだ。過激ともとれるホーキング博士の発言だが、ここまでくると博士は100年以内の滅亡を確信しているようだ。

終末的な雰囲気と言えば宗教界はいつものことだから省略するが、政治の世界にも漂っている。地球最後の日までを概観的に示す「世界終末時計」は、トランプ米大統領の登場に伴い、これまでの3分前から30秒も進められ、残り2分30秒となった。米ソ冷戦に匹敵する核戦争の危機が目前に迫っていると見られるようになったからだろうか。
科学技術の躍進に伴う大規模虐殺の可能性は国家間の戦争だけではない。国家レベルで研究・開発されている技術が瞬く間に小型化され、安価になることで、テロリスト集団や個人が入手、利用することが可能になってきている。ドローンなどは悪用すれば大量殺害兵器なりかねない。「過激な思想を持つ宗教団体」だけでなく、単なる「人間嫌い」や人類が滅亡した方が倫理的に良いと考える「道徳的な人々」でさえ、このような技術を用いれば簡単に大規模テロを起こすことできるというのだ。


◆人口過剰、環境破壊食糧不足生態系のバランスの崩壊。どんな抗生物質も効かない「スーパー耐性菌」が発生し、人口密集の都市部で「感染爆発」を起こし、死者数百、数千万。また気候変動大規模地震・津波、火山爆発巨大隕石小惑星地球衝突も数十年の間に予想されている。加えて人類が自分の手で自分の首を絞めるような大量化学兵器核戦争の勃発も視野に入れざるを得なくなってなっている。これに対して一体どんな解決策があるのだろうか? 残り100年で我々は答えを見つけ出すことができるのだろうか。間違いなく言えることは「自分が生きている間に、その答えを見ることはない」という事だ。
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2016年12月12日 (月)

今の火星は数万年後の地球の姿?

火星で恐竜の化石(頭骨)が発見される。歯までクッキリ、火星にもジュラ紀があった!?

先日のNETニュースの見出しである。火星には地球と極めて似た生物が存在した可能性があることは、これまで再三に亘って伝えられてきたという。今回は何と、恐竜の頭蓋骨の化石が見つかったというのだ。地球同様、火星でもかつて恐竜が繫栄していた時代があったということなのか? 今回、NASAの火星探査車「キュリオシティ」が撮影した画像の中に恐竜の頭のような化石が写っていた。この発見は11月24日付の英紙「EXPRESS」も報じている。

Photo問題の画像はNASA のWebサイトで公開されている超高解像度のパノラマ画像で閲覧できる。岩石が転がる地表面にむき出しになっているこの物体。印がついていなければ、異変に気付くのは難しいだろう。周囲に比べて少し黒みがかっており、長い歯らしきものが確認できる。また、大きな顎、眼があったと思われる丸く開いた穴などから、博物館でよく目にする恐竜の頭蓋骨の化石に似ていると言われれば「そうかな」とも思える。これは火星にも恐竜がいた動かぬ証拠なのだろうか。数年後、人類は火星を目指す計画を立てている。その時にははっきりするだろう
(写真は火星の写真)


火星の極地には氷の状態で水が存在し、内部にも水があるのではないかと推定されている。火星表面には水流が削ったような跡がいくつも発見されている。水があったとすれば生命がいても不思議ではない。宇宙にはハビタブルゾーンというものがあって、中心星(太陽等)から生命発生条件に適している距離にある領域のこという。太陽系のハビタブルゾーン(HZ)は約0.97~1.39AU(*)の距離にある領域とされる。
(*)1AUは地球と太陽との平均距離に由来するもので、1天文単位と同義。
この領域にあるハビタブル惑星は唯一地球しかない。火星はHZの外側で太陽からの放射が弱すぎ、金星はHZの内側で逆に強すぎ、生命存在のための環境を整えるにはHZより厳しい努力が必要となる。


しかし、火星に水が存在し、生命の痕跡があるとするならば、46億年という長い太陽系の歴史の中で、ハビタブルゾーンが移動したとしてもおかしくない。「数万、数百万以上前には火星もHZの中にあった!」かもしれない。ということは我々の地球が存する現在のHZも将来移動する可能性がないとは言えないのでは。確かに人類は自己の都合で、資源を取り尽くし、自然破壊を進行させ、地球温暖化をもたらし、気候を変動させてきた。巨大隕石が地球に衝突したら、劇的な変化をもたらす。水は干上がり、大気は二酸化炭素に覆われ、どこまでも赤茶けた砂漠の大地が続く。ハビタブルゾーンの移動がなくとも、数万年後の地球はまさに今の火星の姿だろうか。

2015年4月23日 (木)

日本3年後月着陸へ

▼昨年12月「はやぶさ2」が種子島からH2Aで打ち上げられ、順調に飛行を続けているようだ。「次の目標は何か」と関心を持っていたが、遂に月面着陸を目指すという。「ようやくやるか」という気持ちと、「何を今更」という気持ちが交差するが、ポスト国際宇宙ステーション(ISS)の後の開発目標に国際協調路線で、2030年以降の火星有人探査を最終目的とする宇宙探査のロードマップを米、日、露、欧など12の宇宙機関が掲げた。

▼ここでも中国は「強引マイウェイ」の方針で、2013年には「嫦娥」だか「蛾儘」だか知らないが、無人機を月面に着陸させている。国際協調路線といっても、いきなり火星に向かうのではなく、月面に基地を作る必要があるため、月面着陸地点の選定、地球との往復技術の優劣が今後の開発のイニシアチブを握る上で極めて重要だと云う。日本は2007年に探査機「かぐや」を月の周回軌道を巡らせながら、極めて正確な地形図を作製した実績を持つ。また小惑星探査ではサンプルを採取し、帰還したという極めて高い技術が世界に認められた。

Photo▼ところが、日本は重力がある月へ着陸し、地球へ帰還するという実績はまだない。その実績がないから国際的にまだ頼りにされないという。米国は1969年に有人月着陸帰還を成し遂げた。中国は13年に続き、17年には往復、20年以降無人機着陸・往復、25年以降有人着陸を目指すと云う。ロシアはソ連時代の1966年世界で初めて無人着陸を果たしているが、半世紀経過した16年に再度無人着陸、20年以降往復、30年に有人着陸を目指すという。欧州はロシアの探査に参加すると云う。またインドなど新興国も月面探査を視野に置いて研究開発しているという。
(写真は「かぐや」のデータをもとに作成された月球儀)

▼何故各国が凌ぎを削って月面探査に挑むのか。いうまでもなく月の資源の獲得だ。特に中国の行動は、過去の海洋資源の獲得の例を見るまでも無く、看過できない。日本は過去に積み重ねた宇宙科学技術の実績があるので、3年後には小型探査機(SLIM)で、誤差数100mの範囲で着陸を目指すという。この計画は文字通りスリムな本体(130kg)を、新型ロケット「イプシロン」を使って打ち上げるという。

▼イプシロンは1段目の主エンジンにH2Aの固体補助ロケットの1本を使用する計画で、コストも期間も大幅に圧縮、大きさはH2Aの半分以下。打ち上げ費は従来のM5の半分38億円で済むと云う。しかも人工頭脳を備え、狙った場所に確実に着陸を目指す。この技術があれば国際協調路線を着実にリードできるという。そうして、20年以降に往復探査計画を目指すが、単独では有人計画にはならない。人を送る場合はどういうスタイルをとるか?「もちろん、月光仮面でしょう!」

2014年10月 9日 (木)

快挙、ノーベル物理学賞3人受賞!

青色発光ダイオード(LED)の開発と実用化を成し遂げた赤崎さん、天野さん、中村さんのノーベル賞受賞は久々の明るいニュースで、日本人を勇気づけた。今回の受賞は従来にも増して、幾重にも意義があり、画期的な受賞といえよう。

◆小保方さんのSTAP細胞論文問題以来、イメージダウンしていた日本の理科学界において、まさに名誉回復、起死回生の満塁本塁打を放ったようなもので、本当に喜ばしい。過去のノーベル物理学賞が、一般人の感覚では「凄いなと思っても、理論物理学主体では生活感覚からピンと来ないもの」であったが、今回の青色発光ダイオードの成功はすでに照明器具、信号機など身近な製品として馴染みがあり、世界中で眼に見える形で役に立っていることが大きな違いだ。また省エネの観点からも、産業界においても新たな可能性が広がることは確実視されており、経済効果は計り知れないほど大きいとされる

◆しかし、素人故の素朴な疑問だが、光の三原色のうち赤と緑のLEDは1960年代に開発されていながら、青色だけは20世紀中は不可能だと言われていたそうだが、その理由がイマイチよくわからなかった。しかしその困難さがあったればこそ、チャレンジする価値と余地があったのだろう。1970年代前半から赤崎さんが松下電器で開発に着手して、名古屋大学で弟子となった天野さんとともに基礎を研究、苦節20年近くを経て、1989年にようやく成功したという。それを徳島県の一製造業の研究者だった中村さんが1993年、39歳の時、量産化技術を開発し、実用化に道筋をつけた。

◆思い出すのは2001年、一企業に勤めていた研究者が青色LDE製法の発明の対価」として200億円の支払いを求め、提訴した事件。当時は特許出願時と登録時に計2万円しか受け取っていないため、退社後に裁判を起こした。この時は「会社側もケチなら、研究者も欲の皮が突っ張っているな」くらいにしか思っていなかったが、今度の受賞があのときの中村さんだったんだと思い起こさせてくれた。東京地裁は発明に見合う対価として、何と3倍の604億円の支払いを命じる判決を下した。長引く裁判を嫌って、二審で8億4400万円の支払いで和解したというが、中村さんは金額以上のものを得た。

◆エリートコースとも言えない地方国立大学を出て、200人程の地元の蛍光製品製造業に勤め、持ち前の反骨精神で研究成果をあげ、狭い四国から一挙に世界に飛び出した。米国カリフォルニア大学教授に転身し、米国籍を得た中村さん、自由な研究生活を送っているようだ。今回の3人の受賞は企業と大学の基礎研究、応用研究の在り方、交流の在り方、さらに国の支援体制の在り方など、一石も二石も投じたこと。そして何より多くの若い人達に科学技術へ関心を持たせてくれたことも、大きな成果と云えるのではなかろうか。

2014年9月27日 (土)

西ノ島新島にみる自然の脅威

◆昨年11月、小笠原諸島の父島西方約130kmの西ノ島から600mのところに出現した新島はその後、みるみる成長して旧島と合体、本年9月現在、誕生時の121倍まで成長して、いまだ活発な噴火活動を続けていることが報じられた。
西ノ島は1973年(昭和48)に新島として出現したものとばかり思っていたが、調べてみると人類誕生はるか以前に火山活動でできていたらしい。1543年にスペインの帆船が発見し、「ロザリオ島」と命名したのが最初の記録。1801年に英国の軍艦が「失望島」と命名、1854年米ペリー艦隊が「ロザリオ島」と「失望島」は同一の島であると報告した。水も何もない島を発見して、失望した気持ちがよく表れた命名だ。


1904年(明治37)日本語で「西之島と呼ばれるようになった。島の大きさは東西200m、南北650mの小島だった。その後目立った火山活動は見られなかったようだが、1973年5月に西之島の東方600m付近で海底火山が噴火し、9月に新しい島が出現、「西之島新島」と命名された。この時点で新島の大きさは、東西550m、南北200~400m、面積0.121㎢、標高52mに達していた。翌1974年6月には、新島と旧島が一体化していることを確認、「西ノ島」となった。

◆まさに今回の、海底噴火から新島出現、成長、旧島と一体化、そのパターンを40年前に展開していたのだ。1974年、新島誕生直後の翌年3月から7月にかけて、東京水産大、東大、東工大、東海大等の調査隊が上陸、調査を行っている。このうち東海大学調査隊が「海底火山の謎・・西之島踏査記」でレポートしたが、のちに隊長の青木教授が、その時の心境を「西之島新島調査の思い出・・科学する心と恐怖心」と題して文章に残している。
「上陸隊長と云えば格好いいのだが、いつ噴火するかという不安と恐怖心でおののいていた。新島は地熱で熱く、地下タビを通して伝わってくる熱は火傷をするように熱かった。西之島新島の下部には噴出によってできた空洞があり、それが陥没して蟻地獄のように引き込まれるのではないかという恐怖心でいっぱいだった」(主旨)と述べている。

2013年11月に出現し、西之島と合体した西ノ島新島は先月27日、「溶岩マウンド」が確認され、大きな爆発の可能性があることが報じられたが、その後噴火口がいくつかできたため、その可能性は低くなったという。9月17日現在、合体した西ノ島は東西1.57km、南北1.44km、面積1.56㎢となって、1974年8月時点に比べて4.93倍に拡大した。今回の噴火は1973年の噴火と比較して溶岩流出が非常に多く、またその時の噴火による堆積で、水深10m未満の浅瀬が広がっていたことにより、島の急激な成長に繋がったという。
悠久の地球の歴史から見れば、新しい火山の出現など一瞬のできごとだが、地球内部で起きている瞬時も止まることのないエネルギーの凄さに、改めて人知を超えた自然の脅威に畏れ入る次第。

(日本列島を囲む火山帯--神奈川県立地球博物館の大地球儀)
Dscf0036

2014年3月23日 (日)

宇宙の不思議について

◆宇宙理論のことについては、私のような門外漢にとっては理解の外にある。しかし宇宙の不思議さについては子供の頃から興味があった。長崎西高の大先輩で、大阪教育大学名誉教授、理学博士の梁瀬健さんは奈良新聞の連載コラムで、宇宙のことについても分かり易く説明してくれている。それによれば、宇宙には中心もなければ端もないので、図には描けない。現在宇宙の膨張は加速しつつあることが観測されている。では宇宙は何に対して膨張しているのであろうか。梁瀬さんは宇宙は「無」に対して膨張しているのだという。「無」とは真空とは違う。「無」とは物質だけでなく、時間も空間も無いということである。時間を逆行すれば宇宙は特異な点にまで縮むことになる。それが大爆発して、宇宙が始まったというのが「ビッグバン・モデル」である。

◆では、それ以前を知ることは可能であろうか。時間を逆行すれば空間が縮まり、ついには空間がなくなってしまう。空間がなくなれば時間も物質も消滅する。それこそ本当の「無」である。「無」には時間もないのであるから、「無」以前を考えることは意味がないという。
なんとなく分かる気はするのだが、そうは言っても、宇宙の始まりが、原子よりもはるかに小さいある宇宙の爆発というが、そのある宇宙とは素粒子だったのか?それとも未知の物質だったのだろうか、その物質は爆発後消えて無くなったのだろうか?そもそも何故、どういうきっかけで、何のためにビッグバンが起きたのか?この膨張宇宙はいつまでも無限に続くのか?梁瀬さんは宇宙の実質の総量がどの程度であるかによって、宇宙は拡散して永遠に広がっていくか、再び重力によって収縮に転じるかのどちらかに分かれるという。
収縮に転ずるのであれば、宇宙の起源に現れた特異点にまで縮んで、再びビッグバンからインフレーションを引き起こす宇宙の輪廻が始まることになる。もし、収縮せずに永遠に拡がっていくとしたら、希薄な冷え切った宇宙、これこそ宇宙の死であるという。

◆「無」から「有」(空間と時間)を生じさせるにはどうしても造物主(神)の登場が必要になる。神とは擬人的なもの、人の意思をはるかに超えた、ある意思のかたまりのようなものと考えるしかない、と梁瀬さんは言う。また「宇宙の起源は?」という問いには、「物理法則はどうしてできたのか?」という問いに置き換えることができるという。「物理法則」こそ造物主であるとも言えると述べている。難しいけど何となく理解できそうな気がしてくる。即ち、この宇宙を支配している法則のようなものは「無」・「有」の概念を超えて存在するものとでも理解すればよいのだろうか。そうなると「無」とは何か、「時・空」とは何か、これは科学なのか、哲学なのか、これこそ人知を超えた宇宙の不思議さの根源ではなかろうか。この答えは人類が生きている間にみつかるだろうか?

*本原稿は3月19日付読売新聞、及び奈良新聞コラム「明風清音」の簗瀬健先生の随筆より、2010年7月7日:「不思議な宇宙の起源」、同年8月4日:「神は存在するのか」、同年12月1日:「宇宙は幾つあるのか」、2011年3月2日:「ホーキングの宇宙観」、2014年1月4日:「人類と大宇宙の未来」から引用・参考させて頂いた。
お詫びと訂正
下線部分の「神とは擬人的なもの」は、間違って引用しました。正確には「神とは擬人的なものではなく」が正しい引用です。謹んでお詫びし、訂正いたします。(筆者)

2014年3月22日 (土)

宇宙の成り立ちに新発見

◆宇宙の成り立ちについては、およそ138億年前に「ビッグバン」と呼ばれる大爆発によって始まったと謂われている。ところが1980年代初めに日本の佐藤勝彦自然科学機構長と米物理学者アラン・グース博士が提唱していたインフレーション理論(急膨張)が、最近の研究グループの観測によって、その証拠が初めて捉えられたと新聞やテレビが伝えた。全くの門外漢の自分であるが、宇宙の成り立ちについては以前から強い興味を持っていた。今回の観測成果により、謎に包まれた初期宇宙の姿が分かってくるかもしれないというのだ。

◆佐藤勝彦氏らのインフレーション理論によると、宇宙の誕生時は原子よりもはるかに小さかった宇宙が(ということは殆ど「無」に近い?)、光速を超えるスピードで急激に膨張したことによる。アインシュタインの理論によれば光速を超える物体は存在しないが、急膨張の速度は光速度など問題にならないほど早かったということで、これは物が動いたのではなく、空間が広がった速さなのだそうだ。アインシュタインの理論では空間の膨張速度には制限が無いという。ある一点から急激に膨張した後、大量のエネルギーが放出された。「ビッグバン」という言葉は、この放出の瞬間を指す場合と、その前の急膨張の時間を指す場合がある。宇宙の誕生からインフレーションが始まり、ビッグバンによって瞬時にして宇宙空間は30桁ほど大きくなったというのだ。それは1㎝のコインが直径10万年光年の銀河の1千倍にもなったということだという。

Photo_2◆宇宙誕生から38万年後の「晴れ上がり」と呼ばれる時期までは、陽子や電子が高密度で飛び交い、光が遠くへ届かなかったため、ここで何が起きたのかを天体観測で知るのは非常に困難だったという。このため本当に急膨張が起きていたのかどうかも確認できていなかった。しかし今回の観測で急膨張の際、「原子重力波」が発生し、「晴れ上がり」後に、原子重力波の影響を受けた光の信号をキャッチしたというのだ。宇宙がゆっくり膨張したならば均等に膨らむが、急速に膨らむとブルブル揺れながら膨らむので、その時、空間にひずみや揺れが生じる。「晴れ上がりの時代」に出た光を詳しく調べた結果、急膨張の影響が残っていた痕跡を確認したというのだ。

◆宇宙の成り立ちについてはまだまだ分からないことだらけで、数10年前にはブラックホールの存在が理論上表明され、当時はSFっぽく感じられたものだが、今やその実在は観測されており、また最近ヒッグス粒子が実際に観測されて、理論の正しさが証明されたり、最近では正体不明の暗黒物質(ダークマター)が宇宙空間の大部分を占めているとか、新しい発見が続いている。長くなるので、次回のブログ゙で「宇宙の不思議」について述べてみたい。

*本原稿は、3月19日付読売新聞、及び奈良新聞連載コラム「明風清音」の簗瀬健氏の、宇宙に関する5回の随筆(次回詳述)を参考にさせていただいた。 

2014年3月 3日 (月)

拡大する西之島新島

◆昨年11月中旬、小笠原諸島の西之島の傍で海底火山が爆発し、新たな島の卵が発見された。それから先月末で、ちょうど100日を迎えたと新聞が伝えた。上空から撮影した写真によると、元の西之島と完全に繋がったばかりか、元の島の3.5倍に拡がったという。しかもまだ活発に噴煙をあげ、島の面積もゆっくりと拡がっているそうだ。

◆面積は0.7㎢となり、これは竹島全体(0.23㎢)の3倍強、尖閣諸島全体(5.58㎢)の1割強になる。もともと小笠原諸島は太平洋プレートがフィリピン海プレートに沈み込む海溝の西側にある小笠原海嶺であり、その中心の父島から西へ140kmの地点に西之島がある。
この西之島は富士箱根伊豆火山帯の延長線上にある七島・硫黄島海嶺(火山列島)の中にあって、地震・火山活動が活発なところ。1951年から2010年までの60年間で、M7.1~M7.3クラスの地震が、深度350kmから490kmの間で6回も起こっている。

◆地下深く沈んだ太平島プレートから分離された水が、周辺の岩盤の融点を下げるため、マグマが発生し、多くの火山を生成する。この西之島の直下でも、上部マントルの最上部(深さ約100km)を突き破り、マグマ溜まりができて海底火山を成長させ、その噴火が新島を創った。これにより排他的経済水域(EEZ)が西方向に約230km拡がり、漁業資源や地下鉱物資源などを独占する権利を得たことは大きい。

◆それにしても地球の活動は何とダイナミックなのか、地球の表面を覆う10数枚のプレートは年間数㎝の僅かな動きながら、大陸を分断したり、衝突させたり、大きな山脈を創る。
そうしたゆっくりした動きとは対照的に、あっと云う間に海の上に島を創ったり、天地が引っくり返るような大地震をもたらしたりする。こうした目に見える大地や海や山のダイナミックな動きが、古代に置いて神話を創る源泉となったのだろう。

2014年1月13日 (月)

光に時間はあるのか

◆大阪教育大学名誉教授で随筆家の梁瀬 健(たけし)さんは、母校長崎西高の10年上の大先輩で、現在奈良市在住、御齢80歳になられる著名な教養人だ。直接お目にかかったことは無いが、関西の同期生から梁瀬さんのことを知り、その著作を読むにつけ、おおいなる感銘を受けた。
◆東京教育大学(現筑波大学)理学部動物学科卒業で理学博士、専門は生物学だが、その著す内容は単に理系にとどまらず、身近な趣味の話から、骨董古美術の話、古典音楽・日本の近代音楽の話、紀行文、中国の古典に通じ、先人の話を引いた教育論や人生哲学など、実に幅広い分野に及ぶ。平成18年から月1回のペースで奈良新聞に「明風清音」のタイトルで、1回1200字ほどの随筆を寄稿されている。
◆氏の随筆集を拝読するにつけ、人生に対する造詣の深さと思索の程が伺い知れる。自分も本ブログで雑文を書いているが、比ぶべくも無く、恥ずかしい限り。梁瀬さんのような高度なレベルの随筆を書きたいものだが、若い時からの高度な教養の積み重ねと、深い思索がなければ、書けるものではないと痛感。これから時折、弊ブログでその一部を紹介していきたい。
◆まず、第一話は「光に時間はあるのか」という難解な話。

Photoアインシュタインの理論によれば、物体は速度があがれば、その物体の時間の流れは遅くなるという。実生活においては車のカーナビは、この理論を応用しているという。カーナビは人工衛星からの信号を受けて車の位置を決めているが、GPS衛星は高速で運動しているので、時間の流れが遅くなっている。この時間の遅れを補正してあるため、車の位置はピタリと決まる。補正がなければ、車の位置は1日で11kmもずれてしまうそうだ。

◆光には質量というものがない。光の速度(秒速30万km)に近づけば時間は遅くなり、遂には時間が無くなってしまう。ということは、例えば「今、私達が見ているアンドロメダ銀河はおよそ240万年前のアンドロメダ銀河である」とよく言われるが、果たして本当にそうかと疑問を呈する。アンドロメダ銀河は直径22~26万光年ほどの渦巻き銀河である。(因みに我々の天の川銀河は直径8~10万光年) 私達に近い方の部分から来る光と遠い部分からくる光には少なくとも10万年以上の時間差がある。つまりアンドロメダ銀河全体を同時刻に見ているのではないという事になる。
◆しかし、アンドロメダ銀河は斜めから見ても美しい渦巻銀河である。私達は夜空を仰いで過去の宇宙の異なった時間をまとめて見ているのである。アインシュタインの理論は絶対空間や絶対時間はないことを示している。「以上はあくまでも私の妄想である」と結んであるが、この稿を読み、発想の視点が違うんだなと目から鱗が落ちた想いがした。
(奈良新聞2012年11月7日、梁瀬健氏のコラム「明風清音」光に時間はあるのかを参照)

2013年10月22日 (火)

台風襲来に思う気候変動

◆台風26号が伊豆大島に大災害をもたらし、まだ行方不明者の捜索中であるところに、立て続けに27、28号が発生。同じようなコースを辿ると予想されている。過去に年間30個の台風が発生した例も無くは無いようだが、それにしても今年は異常に多い。やはり海水温の上昇と密接に関連しているらしい。北海道ではシャケの定置網に暖かい海で獲れる鰤がかかり、大漁で喜んでいる半面、本来のターゲットではないことに複雑な表情の漁師たち・・。

◆北極海では1990年代後半から、海氷面積の減少が急激に進み、昨年は観測史上最小面積を記録したという。最新の報告では「温暖化対策を行わなければ、今世紀半ばまでに北極の海氷が完全になくなる可能性が高い」と予測している。
一方、北極海の氷がなくなれば北極航路の通行が容易になって、経済効果をもたらした上、北極海の海底資源の開発が進むと喜ぶ国々がある。ところが人間の行きすぎた経済活動が地球環境の変貌をもたらしているという事実、その反動として自然はどういうシッペ返しを引き起こすのか、少なくとも気候変動は徐々にではあるが大きな動きとなって全地球的に及んでいる。喜んでばかりいていいのか、大きな疑問だ。


◆温暖化で海面はどこまで上昇するのか?北極海の氷が全部溶けたとしても海面上昇には殆ど影響しない。何故なら氷の体積の大部分は海水面下にあるからだ。しかし、北極海の氷が溶けるということは、南極とグリーンランドの陸地を覆う氷床や山岳部分の氷河が溶けだし、海に流入するということに繋がる。現に、5年前、南極の陸から海上に突き出た巨大な棚氷が切り離され、1カ月で400平方キロの氷が消えた。南極ではこうした棚氷の崩壊が近年相次いでいるという。

◆気候変動に関する国際機関は温暖化対策をとらなければ、今世紀末の平均海面水位が2005年までの20年間と比べて、最大82㎝上昇すると予測。前回予測した59㎝より大きく上回った。気候変動の大きな要因として大気中の二酸化炭素濃度の上昇が挙げられるが、地球には限界があって、それだけ見ていればよいというものではない。「海洋の酸性化」、「窒素とリンの循環」、「成層圏のオゾンの減少」など九つの分野で「限界点を」超えないようにする必要があるとスェーデンの研究機関が発表した。未来に負の遺産を残さないためにも国のエゴを抑え、共同して取り組まねばならない課題だと思うのだが・・・。