富士山異変か?
◆この冬の富士山はどうも様子がおかしい。1月も半ばを過ぎたと言うのに、南側・西側(静岡県側)には殆ど積雪が見えず、南東・東側(神奈川・東京方面)は破れた薄いベールをまとったようにみすぼらしい。この状態は昨秋の初冠雪から今まで、白い部分は多少の変化はあるものの、大きく変わってはいない。あの真っ白で優雅な富士山はどこに行ったのだろうか。
◆この冬は日本海側、関東北部などは記録的な大雪に見舞われている。長野・山梨も例年通り降雪が見られる。では何故、富士山の冠雪はこんなにも少ないのか。気象情報を調べてみると、富士山周辺の降水量が11月、12月とも90%以上も少なくなっていると言う。しかしこの12月から1月にかけて、雨雲が発生し、2~3日富士の姿が全く見えない日が何回かあった。こんな時、例年であれば、雨が止んだ後の晴れ上がった朝には、一面真っ白な富士が顔を出す。そんな姿を何年も見てきた。
◆確かに富士山周辺の降水量が少ないことが原因かもしれない。しかし、富士山周辺だけ降水量が少ないこと自体、異変と言えるのではないだろうか。ある説によると富士山直下のマグマの運動が活発化し、マグマ溜まりが上昇しているのではないか、つまり富士山全体の地温が上がり、積雪されにくい状態ではないのかという見方だが、これは富士山観測所が十分ウォッチしているだろうからそれに任せることにしよう。
◆富士山は1707年「宝永の大噴火」を最後に大規模爆発は起こしていない。宝永大噴火のあとは現在に至るまで、5回ほど小規模な噴気活動や有感地震を記録しているだけである。宝永の大噴火以前は有名な大噴火だけでも、延暦大噴火(802年)、貞観大噴火(864年)などがあり、長いスパーンで噴火が繰り返されている。富士山が現在も息づいている活火山であることは確かだろう。
◆「宝永大噴火」は宝永大地震の49日後に発生している。その他に南海トラフや相模トラフを震源とする地震や近隣地域地震の前後25年以内に、富士山に何らかの活動が発生している事例が多く、地震と富士山活動は関連性があるとされる。2020年、2021年はコロナ禍にある。これに加えて仮に大地震や、富士山大噴火とあっては、この先日本はいったいどうなるのだろうか。
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