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自然科学

2021年1月19日 (火)

富士山異変か?

◆この冬の富士山はどうも様子がおかしい。1月も半ばを過ぎたと言うのに、南側・西側(静岡県側)には殆ど積雪が見えず、南東・東側(神奈川・東京方面)は破れた薄いベールをまとったようにみすぼらしい。この状態は昨秋の初冠雪から今まで、白い部分は多少の変化はあるものの、大きく変わってはいない。あの真っ白で優雅な富士山はどこに行ったのだろうか。

◆この冬は日本海側、関東北部などは記録的な大雪に見舞われている。長野・山梨も例年通り降雪が見られる。では何故、富士山の冠雪はこんなにも少ないのか。気象情報を調べてみると、富士山周辺の降水量が11月、12月とも90%以上も少なくなっていると言う。しかしこの12月から1月にかけて、雨雲が発生し、2~3日富士の姿が全く見えない日が何回かあった。こんな時、例年であれば、雨が止んだ後の晴れ上がった朝には、一面真っ白な富士が顔を出す。そんな姿を何年も見てきた。

◆確かに富士山周辺の降水量が少ないことが原因かもしれない。しかし、富士山周辺だけ降水量が少ないこと自体、異変と言えるのではないだろうか。ある説によると富士山直下のマグマの運動が活発化し、マグマ溜まりが上昇しているのではないか、つまり富士山全体の地温が上がり、積雪されにくい状態ではないのかという見方だが、これは富士山観測所が十分ウォッチしているだろうからそれに任せることにしよう。

◆富士山は1707年「宝永の大噴火」を最後に大規模爆発は起こしていない。宝永大噴火のあとは現在に至るまで、5回ほど小規模な噴気活動や有感地震を記録しているだけである。宝永の大噴火以前は有名な大噴火だけでも、延暦大噴火(802年)、貞観大噴火(864年)などがあり、長いスパーンで噴火が繰り返されている。富士山が現在も息づいている活火山であることは確かだろう。

◆「宝永大噴火」は宝永大地震の49日後に発生している。その他に南海トラフや相模トラフを震源とする地震や近隣地域地震の前後25年以内に、富士山に何らかの活動が発生している事例が多く、地震と富士山活動は関連性があるとされる。2020年、2021年はコロナ禍にある。これに加えて仮に大地震や、富士山大噴火とあっては、この先日本はいったいどうなるのだろうか。




 

2019年4月25日 (木)

宇宙のことに思いを馳せる。(5)

宇宙に果てはあるのだろうか。あるとすればその先はどうなっているのか、誰でも一度は考える素朴な疑問だ。この問題を考える時、重要なのは宇宙の曲率時空の概念だと言う。
【宇宙の曲率】
地球を例にとって考える、地球は球形であるため、表面をどこまでもまっすぐ進むと、元いた場所に戻ってくる。即ち、果てがない。このような空間を「閉じた空間」と呼び、その曲率はになる。逆に曲率がの場合、またはちょうど0の場合には、その空間は無限に広がることになる。では、実際の宇宙の曲率はいったいどれくらいなのか?これまでの観測ではほぼ0(おそらくは0)であることが分かっている。空間を軸に考えると宇宙は無限大であると言えるだろう。

【宇宙の時空】
では、宇宙は無限なのかというと、もう一つの重要な軸である時間という次元を考えなければならない。宇宙は少なくとも、4つ以上の次元を持った時空間だ。従って、空間が無限大であっても、時間方向に果てがあるのかないのか、疑問が起こる。結論から言うと、その答えは「果てがある」ということだ。私達の宇宙は138億年前に始まったことが分かっている。それより前の宇宙は存在しない。但し、将来の方向には果てがあるかどうかはまだよく分かっていない。時間が有限であるということは、光の速さが有限である以上、観測できる範囲にも果てがあると言うことだ。「観測できる宇宙の果て」は地球から138億光年先にあることになる。

宇宙が始まる前】
宇宙に始まりがあったということは、その始まる前はどういう状態だったのかと疑問が湧く。宇宙が138憶年前のある瞬間に生まれたとする考えは、科学者にとって些か気持ちが悪いものらしい。宇宙が生まれた以降のことは物理学で理解できるが、物理学で理解できないその特別な瞬間《特異点》が存在すること自体、科学者にとっては気持ちが悪いことなのだ。このような特異点が生まれないような、より包括的な理論があるべきだ、と科学者は考える。宇宙の始まりという特異点を回避するための理論はホーキンス博士をはじめいくつか提唱されているが、未だ観測では確認されていない。
【宇宙の将来】

我々の宇宙は138億年前に始まったと考えられているが、ではこの先宇宙はいったいどのようになっていくのか。宇宙に終わりはあるのだろうか。様々な観測によって、現在の宇宙は加速度的に膨張していると考えられている。過去には膨張から収縮に転じて、最後には閉じる宇宙モデルや、無限の時間をかけて一定サイズに到達していく宇宙モデルなども考えられたが、現在では永遠に膨張を続けるという宇宙モデルがもっとも確からしいと考えられているようだ。しかし、この膨張を引き起こしているダークエネルギーの正体が未だに不明であることから、永遠にインフレーションが続くのか、あるいはあるサイズに達した段階で新たな状態に転移し、永遠の膨張とは違った展開になるのかは分かっていないと言う。私的には始めがあったのだから、終わりがある方がしっくりくるのだが・・。

 

2019年4月23日 (火)

宇宙のことに思いを馳せる。(4)

【宇宙の誕生を時系列的に見る】
宇宙はどのようにしてできたのだろうか。最も素朴な疑問で最も難しい疑問だろう。かつて宇宙は「無始無終の存在」、即ち始めもなく、終わりもないという見方もあったが、これは宗教的で科学的な説明とは言えない。宇宙が物質で構成されている以上、誕生があり、消滅もあるというのが現代宇宙論の主軸だ。宇宙は膨張しつつあるという事実は、もはや常識となっており、過去に遡れば宇宙は小さかったことを意味する。宇宙の成り立ちについて、JAXA宇宙航空研究開発機構のHPを参考に時系列まとめてみたが、実際にその過程を見た訳ではないので(笑)本当のところはよく分からない。
(1)今から約138憶年前、ビッグバンから宇宙は誕生した。
「無のゆらぎ」
から宇宙は誕生したと言う説が最も有力とされる。無のゆらぎとは、無と有の状態が両方とも同時に、ある確立をもって存在している状態を指す。無から有の状態になった宇宙の卵は、またすぐ無へと戻るのが普通だが、ある確立をもって無へと戻らず急激な膨張を始める宇宙があったと考えられている。それが、宇宙の始まりの瞬間、ビッグバンだ。ひとたび膨張を始めた宇宙は、その誕生直後に急激な膨張期、インフレーション期を迎えて、その長い歴史の第一歩を踏み出した。
(2)はじめの3分間で、宇宙の基礎ができあがった。
現在の理論では、誕生の100分の1秒後の宇宙は、超高温(1000億度)・超高密度で、大量の光子、ニュートリノ、電子の中に少数の陽子や中性子が混じった混沌とした状態であったとされ、この状態を「光の海」と呼んだ。
(3)3分46秒後、温度が9億度まで下がり、原子核の結合が見られた。
ヘリウムや水素の原子核の結合が安定して起き、このあと長い時間をかけて宇宙が冷えていき、銀河のもとになるガスができてきた。
(4)34分40秒後、温度は3億度、水素とヘリウムの比率は7:3となった。
現在の宇宙にある物質は、およそ3:1の重量比率の水素とヘリウムで構成されている。他の物質は、水素やヘリウムに比べればごくごくわずかに過ぎない。
(5)38万年後「宇宙の晴れ上がり」。温度3000度まで低下。
宇宙が誕生した直後の高温高圧の宇宙は、不透明な世界。宇宙全体を満たすプラズマが光の直進を妨げていたからだ。温度が3000度まで下がると、光が直進できるようになり、遠くまで見通せるようになった。これを「宇宙の晴れ上がり」と言う。
(6)100万年~10億年後、原始銀河が誕生。
近年の観測の結果、宇宙誕生から10億年後には、すでにある程度の大きさの銀河が多数できていたことが解ったという。即ち、125億光年の彼方にある銀河の様子を観察したところ、我々の銀河の25分の1ほどの小さいサイズの銀河が多数発見された。これらの銀河は生まれたばかりの銀河だと考えられている。このような小さな銀河が、その後100憶年もの時間をかけて合体・衝突しながら、私達が住む天の川銀河のように、10万光年ものサイズがある大きな銀河へと成長してきたと考えられている。
《評》億年単位のアバウトな宇宙の歴史にあって、無から有への誕生の瞬間が10のマイナス37乗秒後からマイナス35乗秒後のわずかな間に、一気に10の43乗倍の大きさに広がるという精緻な世界が特定できるということが理解の範囲を超えている。まさに宇宙の神秘だ。

2019年4月15日 (月)

宇宙のことに思いを馳せる。(3)

4月11日の朝刊各紙は「ブラックホールの撮影に初めて成功」というニュースが写真入りで大きく報じられた。このブログの宇宙シリーズの3回目はブラックホールを取り上げようと思っていた矢先のグッドタイミング。今から104年前、アインシュタインが「一般相対性理論」を発表、翌年ドイツの学者がそれを基にブラックホールの存在を予測した。しかし、その実態は重力が強すぎて光すら脱出できないので、「存在すれども姿は見えず」という謎の天体だった。そもそもブラックホールというから、形状は穴のようなものかと思いきや黒い球状のようなものだという

◆今回撮影に成功したのは地球から5,500万光年離れた「M87」という楕円銀河の中心部にある巨大なブラックホール。黒い穴の中心に太陽の65億倍の質量を持つ本体があるという。地球から最も近いブラックホールは我々の「天の川銀河」の中心にあり、2万6000光年の距離にある「いて座Aスター」と見られている。質量は太陽の400万倍もあり、この画像の撮影にも挑んでいるそうだが、早く成功して欲しいものだ。

◆さて、ブラックホールはどのようにしてできるのだろうか。超新星爆発を起こすような重い星の中でも、太陽の20倍を超えるような非常に重い星の場合、爆発後に残される中心核は自らの重力に耐え切れず、さらにドンドン潰れていく。こうして極限まで潰れた非常に密度の大きい天体が、ブラックホールと呼ばれる。
爆発した星の外層部分は宇宙空間に飛び散り、超新星残骸となって広がっていく。一方、中心部は超高温・超高密度の星、中性子星として残る。中性子星は太陽ほどの重さがあるが、その半径は10km程と大変小さい。太陽のような比較的軽い星が最後に辿る白色矮星の密度は1㎤あたり10t程と驚異的だが、中性子星の場合はなんと1㎤あたり、その100万~1000万倍というから想像を絶する。こうした中性子星の中の特に密度の大きいものがブラックホールの有力候補とされ、1970年に「はくちょう座X-1」がはじめてその候補に上がった。現在では観測が進み、ブラックホールの候補になる天体が10数個見つかっているという。

◆超新星の爆発の記録は、日本でも藤原定家の日記「明月記」に見られる。1054年、空に突然明るい星が現れ、昼間も輝き続けて3週間上も続いた。この記録はアメリカの先住民が描いたと思われる壁画にも残っている。太陽10億個以上の明るさに匹敵するその光は、おうし座の超新星(SN1054)が爆発したときのもの。その時の残骸が「かに星雲」と呼ばれる惑星状星雲である。その中心核が中性子星として再生されている。超新星は1つの銀河でおよそ100年に1つの割合で出現すると考えられている。我々の銀河系内では1604年に出現したのが最後で、現在のところまだ観測されていない。(続く)

2019年3月24日 (日)

宇宙のことに思いを馳せる。(2)

◆子供の頃、故郷長崎でもよく晴れた夜の空には天の川が天空いっぱいに広がって見えた。天の川は「無数の星の集まりだろう」とは直感的に感じていたが、これが直径約10万光年の渦巻き状をした円盤型の銀河で、「天の川は私たちの住む銀河系を内部から見た姿である」と知っても、実感としては未だにピンとこない。何故なら地球から見て天の川はまるで別個のように遠い存在で、その中にいること自体、不思議で神秘的なことだからだ。太陽系はその天の川銀河の中心から約2万8000光年の距離にあると言うから、想像を遥かに超えた大きさだ。

◆太陽は天の川銀河のごく普通の恒星だが、その太陽から最も近い恒星がケンタウルス座の方向に地球から約4.2光年離れた赤色矮星で、明るさは約11等と大変暗く、肉眼では観測不可能という。天の川銀河は約2000億個の恒星と星間物質の集合体だが、こうした暗い星が大量にあるので、恒星の数は正確には分からないという。1光年は約10兆km、その10万倍の大きさが天の川銀河の大きさというから、まさに宇宙の大きさは想像を絶する。

◆ところが天の川銀河は宇宙に無数に存在する銀河の一つに過ぎない。天の川銀河の隣には大マゼラン雲(地球から16万光年)と小マゼラン雲(同20万光年)という小さめの銀河がある。どちらの銀河も天の川銀河の1割前後の大きさに過ぎない。その他にも矮小銀河と呼ばれる小さな銀河が、天の川銀河を中心にして半径40万光年ほどの範囲にいくつも見つかっていると言う。

天の川銀河より大きな銀河で、最も近い銀河はアンドロメダ銀河だ。地球からの距離は約250万光年。形状は同じく渦巻き円盤型をしており、差し渡しは約22万光年と天の川銀河の倍以上の大きさがある。その中には1兆個ほどの星が含まれていると言われ、この二つの銀河は近づきつつあり、約40億年後には衝突すると言われている。但し、星と星がぶつかることはまず無さそうで、両銀河は大きく変形して、いずれ一体化し、一つの銀河になると考えられているそうだ。

◆天の川銀河とアンドロメダ銀河、その他の矮小銀河(約50)をまとめて「銀河群」と呼ぶ。それより大きい銀河の集団は「銀河団」と呼ばれ、さらに大きな銀河の集団は「超銀河団」と呼ばれている。我々が住む銀河群はおとめ座超銀河団に属し、その大きさは1億光年ほどだという。これが宇宙の大規模構造と呼ばれているそうで、天文学者の間では高度な観測機器を駆使して、宇宙の構造について高度な観測研究が続けられているが、いまだ解明できていない部分が数多くあるという。

2019年3月11日 (月)

宇宙のことに思いを馳せる (1)

子供の頃は自分に見えているものが全てだ。太陽や月は球形で、宙に浮いている。人間が住む地球も同じように丸く、宙に浮いているということも、いつの間にかごく自然に受け入れていた。しかし、地球の反対側にいる人たちは何故落っこちないのか、不思議に思ったものだが、それも理科の時間を通して自然に理解が進んだ。齢を重ねるに従い、宇宙に関する興味も膨らみ、知識も増え、同時に分からないことも増えていった。

(1)太陽系のこと
太陽はごく普通の恒星で、誕生したのは約46億年前太陽系は太陽を中心にその重力によって、周囲を公転する天体全体のことで、謂わば太陽一族だ。太陽系を構成する天体は惑星8個、準惑星5個、それ等を公転する衛星が200余。40万個を超える小惑星、彗星、無数の小天体などからなる。最も外側の惑星である海王星までは約45億km。また最も外側の天体は太陽系外縁部と言われるもので、氷と岩石で構成された小天体が存在しており、これまで約1400個が発見されているという。準惑星に格下げされた冥王星は太陽系外縁天体の中では最大級の天体。太陽からの距離は平均約59億kmも離れている。


【太陽の規模と構成】 太陽の半径は約70万km、中心核の温度は1500万度。太陽の中心から地球まで約1億5千万km(光速で8分20秒)。中心核では水素がヘリウムに返還する核融合反応を起こし、そのエネルギーは、わずか1gの水素から、石炭20tを燃やすのと同じだけのエネルギーが得られるというから、まさに無尽蔵だ。太陽の質量は実に膨大で、太陽系の全質量の99.86%を占める。残りの0.14%は木星や土星などの4つの巨大惑星が占め、地球などは吹けば飛ぶようなちっぽけな存在でしかない。太陽系内の全ての天体は太陽によって重力的に束縛されている。太陽の重力は約2光年先に及ぶと推定されており、その辺りが太陽系の果てらしい。

【太陽の誕生】 太陽などの恒星は銀河の中の暗黒物質の中で生まれる。暗黒物質とはガスや塵が集まった黒い雲のようなもので、その大部分は水素分子が占めており、竜巻が起こる原理でガス雲の渦ができ、やがて恒星の卵ができる。恒星の卵は約1000万年以上かけて高温高圧の状態となり、中心部が1000万度を超えると核融合反応を起こし、中心部が発火して自ら光を放つ恒星となり、以後数十億年~数兆年に亘って核融合しながら宇宙に燦然と輝き続ける。

【太陽の最終段階】 無尽蔵のパワーを誇る太陽もおよそ50億年後には燃料である水素も底をつきはじめ、次第に周辺へ核融合の領域を広げていく。その結果、膨張が始まり、表面温度が下がって次第に赤みを帯びた色に変化し、直径は今の200倍、明るさは2000倍に上昇。「赤色巨星」となって、地球は飲み込まれていくという。最後は「惑星状星雲」へと変貌してその一生を終える。そして次の恒星誕生の原料となるのだ。(続く)

 

 

2019年2月22日 (金)

はやぶさ2号「リュウグウ」へタッチダウン

◆探査機「はやぶさ2号」が小惑星「リュウグウ」へ見事 着陸に成功した。2014年12月3日に地球を出発して、4年と2か月余。降下開始が5時間ほど遅れたが、最終的に予定通り着陸して、サンプル採取も成功したようだ。初代「はやぶさ」は多くのトラブルを克服して劇的な帰還を果たし、多くの感動を与えた。2号は先輩の苦労を学習し、今のところ順調にミッションを果たしている。後2回ほど石や砂のサンプリングに挑戦するが、無事に地球に持ち帰って欲しいものだ。宇宙のことは小さい時から、凄く興味があった。今回の壮大な計画に関し、そもそも小惑星とは何なのか、成り立ちや分布についてJAXAのHP等を参考に調べてみた。

小惑星の成り立ち : 小惑星の多くは火星と木星の間にある「小惑星帯」に位置している。その成り立ちは、太陽系が誕生したころには無数にあった微惑星のうち、この領域にあったものだけが惑星へ成長しきれずに、取り残されたものだと考えられている。しかし、中には一つの天体が破壊されてできた「かけら」だと考えられている小惑星群もあるようだ。とくに大きなものを除いて、先の「イトカワ」のように殆どがいびつな形をしている。 

惑星になりきれなかった天体たち :小惑星は主に火星と木星の間の軌道を公転する無数の小天体で、その数は軌道が分かっているものだけでも40万個を超え、現在も次々と発見されていると言う。小惑星は岩石と砂でできたもの、殆ど金属でできているもの、金属と岩石が混ざりあったもの、炭素質が多いものなど様々な種類がある。いずれも太陽系が誕生した頃の残骸で、初期の太陽系の様子をとどめていると見られ、太陽系誕生の歴史を明らかにすることができるという。小惑星の中には衛星を持つものが数多く発見されている。初めて衛星が発見された小惑星はイダで、木星探査機「ガリレオ」によって発見された。天空にあるからこれを「イダテン」と言う。(冗談です)

地球接近天体 :小惑星の中には、地球軌道にまで近づくものもあり、地球接近天体と呼ばれている。惑星が誕生した時と同様に小惑星帯に漂う岩塊もよく衝突し、軌道がずれたりする。中には木星の重力に影響されて進路を変え、楕円軌道を描きながら地球に接近するものが出てくる。仮に直径1kmの小惑星がぶつかったとしたら、地球温暖化どころの話ではない。恐竜が絶滅したときのように、人類滅亡の時になりかねない。地球への衝突に対応するために、ハワイにあるNASAの超高性能の望遠鏡が特に危険視される小惑星のほか、様々な軌道、距離、大きさの地球接近天体の観測を続けている。(今後、数回に分けて、宇宙のことに言及してみたい。)・・・続く

2017年5月11日 (木)

人類滅亡のカウントダウン始まる?

◆人類滅亡の話は古来より、出ては消え、消えては表れるという繰り返しだった。ノストラダムスの大予言然り。ハルマゲドン然り。2015年9月3日はマヤの歴で世界が破滅する日だったという。なぜ破滅の予言というのは、いつの世にも湧き出てくるのだろうが? それは人が無意識に求めているものだからではないのだろうか? こんな中、「学者が予想、人類が滅亡する確率と時期、-世界の有名科学者が”人類滅亡寸前”を指摘!21世紀で終了の確率は50%!」というネット・ニュースを見つけた。以下要約してコメントする。

自然災害から大規模テロまで人類滅亡の引き金となるリスクは無数にあるが、具体的にどの程度の確率で我々は絶滅するのだろうか? いくつかの例をあげると、英国のある哲学者は、今後5世紀の間に人類が滅亡する可能性を30%、英オックスフォード大学「人類の未来研究所」は今世紀末までにその可能性19%、英ケンブリッジ大学「絶滅リスク研究センター」は文明が次世紀まで存続している可能性を50%と見積もっている。これらはあくまで推測に過ぎないが、科学者らが感じている切迫した状況が伝わってきそうだ。

◆世界的理論物理学者ホーキング博士は「今後100年の間に人類が滅亡する危険性が極めて高い」として、災害や核戦争、科学技術によって人類が滅ぶと警鐘を鳴らしている。その上で、「100年以内に他の惑星を植民地化する必要がある」と語っているそうだ。過激ともとれるホーキング博士の発言だが、ここまでくると博士は100年以内の滅亡を確信しているようだ。

終末的な雰囲気と言えば宗教界はいつものことだから省略するが、政治の世界にも漂っている。地球最後の日までを概観的に示す「世界終末時計」は、トランプ米大統領の登場に伴い、これまでの3分前から30秒も進められ、残り2分30秒となった。米ソ冷戦に匹敵する核戦争の危機が目前に迫っていると見られるようになったからだろうか。
科学技術の躍進に伴う大規模虐殺の可能性は国家間の戦争だけではない。国家レベルで研究・開発されている技術が瞬く間に小型化され、安価になることで、テロリスト集団や個人が入手、利用することが可能になってきている。ドローンなどは悪用すれば大量殺害兵器なりかねない。「過激な思想を持つ宗教団体」だけでなく、単なる「人間嫌い」や人類が滅亡した方が倫理的に良いと考える「道徳的な人々」でさえ、このような技術を用いれば簡単に大規模テロを起こすことできるというのだ。


◆人口過剰、環境破壊食糧不足生態系のバランスの崩壊。どんな抗生物質も効かない「スーパー耐性菌」が発生し、人口密集の都市部で「感染爆発」を起こし、死者数百、数千万。また気候変動大規模地震・津波、火山爆発巨大隕石小惑星地球衝突も数十年の間に予想されている。加えて人類が自分の手で自分の首を絞めるような大量化学兵器核戦争の勃発も視野に入れざるを得なくなってなっている。これに対して一体どんな解決策があるのだろうか? 残り100年で我々は答えを見つけ出すことができるのだろうか。間違いなく言えることは「自分が生きている間に、その答えを見ることはない」という事だ。
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2016年12月12日 (月)

今の火星は数万年後の地球の姿?

火星で恐竜の化石(頭骨)が発見される。歯までクッキリ、火星にもジュラ紀があった!?

先日のNETニュースの見出しである。火星には地球と極めて似た生物が存在した可能性があることは、これまで再三に亘って伝えられてきたという。今回は何と、恐竜の頭蓋骨の化石が見つかったというのだ。地球同様、火星でもかつて恐竜が繫栄していた時代があったということなのか? 今回、NASAの火星探査車「キュリオシティ」が撮影した画像の中に恐竜の頭のような化石が写っていた。この発見は11月24日付の英紙「EXPRESS」も報じている。

Photo問題の画像はNASA のWebサイトで公開されている超高解像度のパノラマ画像で閲覧できる。岩石が転がる地表面にむき出しになっているこの物体。印がついていなければ、異変に気付くのは難しいだろう。周囲に比べて少し黒みがかっており、長い歯らしきものが確認できる。また、大きな顎、眼があったと思われる丸く開いた穴などから、博物館でよく目にする恐竜の頭蓋骨の化石に似ていると言われれば「そうかな」とも思える。これは火星にも恐竜がいた動かぬ証拠なのだろうか。数年後、人類は火星を目指す計画を立てている。その時にははっきりするだろう
(写真は火星の写真)


火星の極地には氷の状態で水が存在し、内部にも水があるのではないかと推定されている。火星表面には水流が削ったような跡がいくつも発見されている。水があったとすれば生命がいても不思議ではない。宇宙にはハビタブルゾーンというものがあって、中心星(太陽等)から生命発生条件に適している距離にある領域のこという。太陽系のハビタブルゾーン(HZ)は約0.97~1.39AU(*)の距離にある領域とされる。
(*)1AUは地球と太陽との平均距離に由来するもので、1天文単位と同義。
この領域にあるハビタブル惑星は唯一地球しかない。火星はHZの外側で太陽からの放射が弱すぎ、金星はHZの内側で逆に強すぎ、生命存在のための環境を整えるにはHZより厳しい努力が必要となる。


しかし、火星に水が存在し、生命の痕跡があるとするならば、46億年という長い太陽系の歴史の中で、ハビタブルゾーンが移動したとしてもおかしくない。「数万、数百万以上前には火星もHZの中にあった!」かもしれない。ということは我々の地球が存する現在のHZも将来移動する可能性がないとは言えないのでは。確かに人類は自己の都合で、資源を取り尽くし、自然破壊を進行させ、地球温暖化をもたらし、気候を変動させてきた。巨大隕石が地球に衝突したら、劇的な変化をもたらす。水は干上がり、大気は二酸化炭素に覆われ、どこまでも赤茶けた砂漠の大地が続く。ハビタブルゾーンの移動がなくとも、数万年後の地球はまさに今の火星の姿だろうか。

2015年4月23日 (木)

日本3年後月着陸へ

▼昨年12月「はやぶさ2」が種子島からH2Aで打ち上げられ、順調に飛行を続けているようだ。「次の目標は何か」と関心を持っていたが、遂に月面着陸を目指すという。「ようやくやるか」という気持ちと、「何を今更」という気持ちが交差するが、ポスト国際宇宙ステーション(ISS)の後の開発目標に国際協調路線で、2030年以降の火星有人探査を最終目的とする宇宙探査のロードマップを米、日、露、欧など12の宇宙機関が掲げた。

▼ここでも中国は「強引マイウェイ」の方針で、2013年には「嫦娥」だか「蛾儘」だか知らないが、無人機を月面に着陸させている。国際協調路線といっても、いきなり火星に向かうのではなく、月面に基地を作る必要があるため、月面着陸地点の選定、地球との往復技術の優劣が今後の開発のイニシアチブを握る上で極めて重要だと云う。日本は2007年に探査機「かぐや」を月の周回軌道を巡らせながら、極めて正確な地形図を作製した実績を持つ。また小惑星探査ではサンプルを採取し、帰還したという極めて高い技術が世界に認められた。

Photo▼ところが、日本は重力がある月へ着陸し、地球へ帰還するという実績はまだない。その実績がないから国際的にまだ頼りにされないという。米国は1969年に有人月着陸帰還を成し遂げた。中国は13年に続き、17年には往復、20年以降無人機着陸・往復、25年以降有人着陸を目指すと云う。ロシアはソ連時代の1966年世界で初めて無人着陸を果たしているが、半世紀経過した16年に再度無人着陸、20年以降往復、30年に有人着陸を目指すという。欧州はロシアの探査に参加すると云う。またインドなど新興国も月面探査を視野に置いて研究開発しているという。
(写真は「かぐや」のデータをもとに作成された月球儀)

▼何故各国が凌ぎを削って月面探査に挑むのか。いうまでもなく月の資源の獲得だ。特に中国の行動は、過去の海洋資源の獲得の例を見るまでも無く、看過できない。日本は過去に積み重ねた宇宙科学技術の実績があるので、3年後には小型探査機(SLIM)で、誤差数100mの範囲で着陸を目指すという。この計画は文字通りスリムな本体(130kg)を、新型ロケット「イプシロン」を使って打ち上げるという。

▼イプシロンは1段目の主エンジンにH2Aの固体補助ロケットの1本を使用する計画で、コストも期間も大幅に圧縮、大きさはH2Aの半分以下。打ち上げ費は従来のM5の半分38億円で済むと云う。しかも人工頭脳を備え、狙った場所に確実に着陸を目指す。この技術があれば国際協調路線を着実にリードできるという。そうして、20年以降に往復探査計画を目指すが、単独では有人計画にはならない。人を送る場合はどういうスタイルをとるか?「もちろん、月光仮面でしょう!」