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経済・政治・国際

2017年4月22日 (土)

領海、接続水域、排他的経済水域について

中国船の尖閣諸島への領海侵犯、北朝鮮の我が国の排他的経済水域へのミサイル発射実験など、我が国の海域への一方的な侵犯が多発して、緊張感が高まるばかり。そもそも領海とは何か、接続水域排他的経済水域(EEZ)とは何か?今一度おさらいしたい。

【国連海洋法条約】は、海洋法に関する包括的・一般的な秩序の確立を目指して1982年4月に第3次国連海洋法会議にて採択され、1994年11月に発効した条約だ。17部320条の本文と9つの附属書で構成されている。2013年4月現在、165の国・地域と欧州連合が批准しているが、アメリカ、トルコ、ペルー、ベネズエラは火締結国となっているという。

【領 海】とは沿岸から12海里約22km)までの海域のこと。領土や領空のように沿岸国の主権が及ぶ。自国の内水域に対して国家は領土と同程度に排他的な権利を行使することができると決められている。因みに1海里とは1緯度の60分の1(1852m)のことで、1756年に決められた。

【接続水域】は領海の外側にあり、基線(沿岸)から24海里の範囲で、沿岸国が設定する水域のこと。接続水域は領海の外側12海里までの海域を指し、沿岸国が通関や出入国管理、衛生上の規制への違反を防止するために規制権を行使できる。


【排他的経済水域】EEZ(Exclusive Economic Zone)とも言われる。この制度は新たに創設されたもので、沿岸国は自国の領海に接続する水域で、領海基線から200海里約370km)までの水域を排他的経済水域として宣言することができるというもの。この制度は天然資源の探査、開発、保存、管理などと言った経済的目的にのみ限定された権利のことであり、主権的権利を有するが主権そのものではない。そのため排他的経済水域における沿岸国の「排他性」は、極めて制限されたものと言える。条約に定められた目的以外のための利用に関しては基本的に公開としての地位を有し、外国船舶や外国航空機は他国の排他的経済水域において、沿岸国の主権的権利を侵害しない限り、航行・上空飛行の自由を有する。沿岸国には自国の排他的経済水域における生物資源の保存・最適利用促進の義務が課せられ、その水域における漁獲可能量と自国の漁獲能力を決定した上余剰分については他国に漁獲を認めなけらばならないとされる。

【島の定義】水に囲まれていて高潮時にも水面上にある自然に形成された陸地を島と定義する。島にも独自に領海、接続水域、EEZ、大陸棚が認められるとされた。この条約では人工島は島としての地位を有さないとしている。(以上はウィキペディア参照)

◆さて問題はこれから。中国が尖閣諸島で公船、漁船、偽装漁船、時に艦船を派遣し、日本のEEZはおろか領海侵犯を繰り返している。日本が物理的・経済的に実効支配しているとは言えない状況下にあって、中国は尖閣の領有を主張している手前、日本より早く実効支配を得るための戦略的行動である。日本は防戦を強いられるのではなく、海保の庇護のもと漁業の展開、海底資源の探査、島の生物資源の調査保存など、条約で認められていることを粛々と実行して、実効支配を高めていくしかない。もちろんその前提として国際世論を味方につけておくことが求められる。北朝鮮のミサイル発射に関しては、ことが複雑で、簡単にはいかないので、別途ブログにUPしたい。

2017年3月21日 (火)

豊洲移転問題を政争の具にするな

◆築地から豊洲への市場移転問題は都議会の「百条委員会」で4日間計21人の証人喚問をして、一区切りを付けたものの、特に真新しい事実は見られなかった。今後も引き続き事実の解明は必要だろうが、犯人探しもさることながら、肝心なのは今後どうするのかという決断ろう。
考えられる選択肢は小池知事も述べている通り、(1)安全・安心宣言をして、豊洲へ移転する。(2)老朽化した築地市場を建替える。(一部営業を縮小しつつ、10年以上の時間をかけて部分的に順繰りに建築する)の2案しかないと思う。問題なのは豊洲市場の安全性は確認されたとしても、安心かどうかの判断は「都民が下すもの」として小池知事が先延ばしの姿勢を見せていることだ。
特に、この夏の都議選に持ち込み、その判断を都民に問おうとしていることはポピュリズムそのものだ延期は自分の一存で決定し、決断はその責任を都民に丸投げしているように見える。丸投げされた都民も困惑するだろうが、小池新党とも言える「都民ファーストの会」が自民党を悪役に仕立てて、大躍進。まさに移転問題を利用して勢力を伸ばす図式が見えてくる。


◆安全・安心に関する問題は宗教論争に足を突っ込むようなものだ。移転反対派はどんなに汚染対策を施して、科学的に安全な数値が出たとしても、過去にあった汚染土壌の上に建っている限り問題だとする。例え地下水を口にしたり、利用したりするものではないとしても、安全性への疑問は消えないとする観念に凝り固まっているのだろう。そうした心理を利用した一部勢力や政党が存在することも国内各地の紛争の裏で垣間見られる現象だ。

◆ここにきて、築地市場の過去の有害物質による土壌汚染が指摘されている。さらに以前から言われていた耐震強度不足、サビ等で老朽化著しい建築物、開放型市場による鳥・ネズミ等の衛生被害、自動車排気ガスの問題が一段とクローズアップされだした。(なお、国際水準では生鮮市場は外部と遮断される閉鎖型でなければならないとされている)
移転反対派はこれらの指摘があっても「今まで問題がなかったのだから、有害物質が残る豊洲より築地市場のままでよい、問題点は徐々に改修すればよい」とする立場のようだ。


◆小池知事も豊洲市場の安全性に関して「法的に求められていることはカバーしている。世界的にも閉鎖型で温度管理していくことが主流だ。また衛生面で優れていることも否定しない。」と言いつつ、「安心の判断基準」については、「豊洲市場には不信感がある。それを取り除くための材料がまだ欠けている。長年営業してきた築地ブランドという安心感がある」とまさに盲目的な信仰心に支配されているようだ。

◆テレビで築地市場関係者が語っていた。仮に安全宣言して、豊洲に移転したとしても、スーパーで「当店は豊洲市場のものは販売しておりません」とPRされたら、お仕舞だと語っていた。つまり問題なのは風評被害なのだ。
発生から6年経過した現在に於いても、福島原発から避難を余儀なくされた児童たちが避難先で差別を受けたとか、学生が侮辱を受けたという例があった。ここが日本なのかと悲しくなる。韓国・中国ではいまだに東北・関東産のものを放射能汚染の恐れありとかで輸入規制しているという。これと同じことを日本の東京で多くの市民が行っているのだ。風評被害は「作る者」、「流す者」、「被害を受ける者」で構成される。誰もがその構成メンバーになり得るものなのだ。日本人よ。もう少し賢明になろうよ。

2017年3月12日 (日)

朴槿恵大統領罷免後の韓国社会

◆韓国憲法裁判所による朴槿恵大統領の罷免決定は、罷免を求める世論が7割を超え、弾劾を棄却する選択肢はなかった。韓国の司法は法理や法治主義よりも、国民に寄り添うことが優先される側面がある。日本では「司法といえば純粋な法理に基づいて、最終的な判断を示す組織」と認識されるが、韓国はそうではない。何故なのだろうか。

◆戦後,韓国は軍出身の大統領の下で、人権は踏みにじられ、司法は政治権力の道とされた。国民の間には「司法はその片棒を担いだ」という認識があって、司法に対する不信感は根深いものがあった。1987年の民主化宣言以降(大統領直接選挙制で盧泰愚大統領が誕生)、司法は過去への後ろめたさがあって、信頼を取り戻すべく、国民感情情緒を重視するようになった。国民に寄り添うと言えば聞こえはよいが、それは移ろいやすい国民感情におもねることになり、司法の判断が外交上の諸問題にも影響を及ぼすことが多々見られることとなった。慰安婦像問題などはその典型だろう。
(以上は11日付読売新聞、奥園秀樹静岡県立大准教授の寄稿文を参照)

◆また、11日付産経新聞電子版によると、拓殖大学の呉善花教授は朴槿恵氏を大統領から罷免した韓国社会について「韓国には悪者を完全に潰すという国民性がある。そのような国民感情を前にして憲法裁判所も全員一致で罷免を決定した。今後、韓国の北朝鮮化が進むだろう」と語った。呉氏は次期大統領選では、朴氏弾劾を先導した文在寅氏が当選するとの見方示し、その上で「親北朝鮮の姿勢は隠し、慰安婦や強制連行などで反日を強め、国民の情緒に訴えるだろう」と述べた。

◆続けて韓国の内政が、北朝鮮と同じように社会主義的な政策に傾くと指摘した。呉氏はその理由として「韓国では貧富の格差が拡大し、伝統的な韓国らしさが失われたと考えられている。一方、北朝鮮は民族の主体性を保っているとして親近感を持つ国民は多い」と指摘した。北朝鮮の弾道ミサイル発射や、金正男氏がマレーシアで殺害された事件もあったが、呉氏は「金正恩は、韓国の北朝鮮への接近は後戻りしないと自信を持っているのだろう」と述べた。


◆だが、韓国が北朝鮮に傾くとして、それまで韓国経済が保っているだろうか。日・米あってこその韓国経済だ。財閥の寡占が続くとはいえ、いったん資本主義を経験した韓国経済がその枠組みから離れ、負の遺産の塊といえる北朝鮮経済を支えるだけの力があるだろうか。韓国が大きく左傾化するならば、金正恩体制の食い物されるだろう。「移ろいやすい韓国民の感情はまた大きく右に振れ、かつての体制に戻ろうとするだろう。いずれにしろ朝鮮半島の春は遠いし、慰安婦像、拉致被害者問題は当分の間解決しそうにない。

2017年3月 7日 (火)

金正男殺害事件に思うこと

◆2月13日、マレーシア・クアラルンプール国際空港で起こった金正男と見られる男の殺害事件。20日以上経過しても連日、続報が流されている。事件は当初マレーシア警察の迅速な動きで、インドネシアとベトナム国籍の犯人女性二人が捕まり、早い時期に解明されるものと思われた。ところが事件は思わぬ方向に展開した。北朝鮮の国家ぐるみの捜査妨害、加えてマレーシア当局や韓国への誹謗中傷に終始する。対するマレーシアも北朝鮮へのビザ免除制度を廃止し、北の駐在大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)に認定し、国外退去を命じた。北も当然ながら同様の報復措置を講じたが、今や国交断絶寸前まで差し迫ったようだ。

◆今までのところマレーシア警察当局は、同国在住の北朝鮮工作員と見られる人物を犯人一味として逮捕したが、証拠不十分として釈放。国外退去を命じたが、もう少し調べる方法がなかったのか。外交当局はウィーン条約に則り、毅然たる態度をとっていたが、仮に日本の国際空港で、外国人による他の外国人への同様な殺害事件が起こった場合、かつその裏に微妙な国際門題が見え隠れする事件であった場合に、果たして適正な捜査、適正な判断ができただろうか。というのも、日本はかつて金正男が成田空港に偽造パスポートで入国しようとした際、国際問題化するのを恐れたのか、ただ単に入国拒否、国外退去を命じただけという経緯があるからだ。

◆その際これを奇貨として、拉致被害者と交換するなどの外交交渉を考えなかったのだろうか。今回の金正男殺害事件も、過去のテロ事件と同様、北朝鮮は「金正男ではない、北は犯罪に関わっていない、韓国の陰謀だ、ねつ造だ」と言い張り、絶対に非を認めない。このまま二人の犯人女性をトカゲの尻尾切りに仕立て、ウヤムヤに終わらせたい腹のようだ。一方事件の真相が明確になると困る国、中国の影も見え隠れする。正男氏の身元が明らかにならないよう、息子のマレーシアへの渡航を抑え、このまま闇から闇へと葬って、北朝鮮への影響力を保持したいようだ。

◆いずれにしろ、唯一ビザなし渡航を認めてきたマレーシアという友好国を敵に回し、同じように北朝鮮と国交を結ぶ諸国にも警戒感を与えてしまった。国際的経済制裁でますます追い詰められ、海外に頼るべき相談相手となる首脳もいなく、ますます孤立感を深めようとしている。結果、頼るべきは核とミサイルだけとなり、開発・実験にシャカリキとなる。ついには自暴自棄となり、近隣諸国を巻き込んで暴発することが現実の脅威となりつつある。しかし、韓国は目前に迫った次期大統領選で親北朝鮮政権誕生が確実視される。実現すれば当面北の脅威は後退するだろう。今回のミサイル実験は在日米軍を標的にしたものと強調する。まさに日本が標的になる時がきたと真剣に捉えるべきだろう

2017年3月 2日 (木)

韓国大統領代行の発言を支持

◆昨日3月1日は韓国の「3・1独立運動」の記念日だったという。日本の朝鮮半島統治下の1919年に朝鮮各地で起きた独立運動を記念する日とのことで、昨日もソウル市内で記念式典が行われ、朴槿恵大統領の代行を務める黄教安(ファン・ギョアン)首相が演説の中で注目すべき発言を演説を行った。

独立運動記念日とは何なのか?あくまでも運動が始まった記念日であって、独立記念日ではない。歴史を紐解いてみよう。日清戦争に勝利した日本は1895年、下関条約において清国に対し、「朝鮮を自主独立の国」と認めるよう要求し、これを認めさせた。つまり朝鮮が自力で清国から独立したものではなく、日本の力を得た上での独立だった。
もともと反日色の強い朝鮮は1897年、「大韓帝国」と改号。その後も権力闘争に明け暮れ、国王一族はわざわざロシアの影響下に入って、反日を煽った。かくして満州から朝鮮半島に「侵略」してきたロシアと、それに危機感を持った日本は朝鮮半島の支配権を巡って日露戦争を戦い、1905年辛うじて日本は勝利した。
それでも朝鮮の独立を支援してきた日本は、「大韓帝国」に当事者能力がないとして、保護下に置くべく、1910年日韓併合条約に調印し、「大韓帝国の併合」に踏み切った。因みに併合に反対していた伊藤博文が暗殺されたのはその前年1909年のことだった。ここから韓国が言う「日本の植民地化」が始まることになる。その9年後の1919年に対日独立運動が始まった訳だが、真の独立は日本が太平洋戦争に敗戦する1945年8月15日となる。


◆話を黄首相の演説に戻そう。黄氏は大部分を金正男殺害事件に割いたが、一部で日韓関係について「未来志向的な正しい歴史認識に基づき、断固対応していく」と強調。慰安婦問題に関する2015年末の日韓合意については「合意の趣旨と精神を心から尊重し、実践しなければならない」として、その上で「日韓二つの国が互いに信頼し、発展していくだろう」と述べた。日韓関係は昨年12月末に釜山の日本領事館前に慰安婦像を設置するなど合意の精神とは真逆な方向に向かっているとして、政府は駐韓大使や総領事を一時帰国させるなど、冷え切っている。こうした中で黄氏は合意への韓国世論の理解を求め、対日関係の改善を訴えた形だ。

◆韓国では左派系野党をはじめ国民の7割近くが2015年末の日韓合意の破棄を求めている。こういう時期に、しかも「3・1独立運動記念日」の当日に、親日的な(外交上当然ではあるが)発言をしたということは、かなり勇気のいることだと思う。しかし、穿った見方をすれば朴槿恵政権がレームダックになった今、そして次期野党政権が確実視される今だからこそ、世論におもねることなく本音の発言を吐露したのかもしれない。韓国民の真の理解を得るにはまだまだ時間がかかりそうだ。

2017年1月29日 (日)

「テロ等準備罪」の可否を考える

★組織的な犯罪を計画した段階で処罰できる、いわゆる「共謀罪」が国会論戦の争点になっている。共謀罪などを盛り込んだ組織犯罪処罰法の改正案は2000年代に野党、メディアなどの反対で3回も廃案になってきた。政府は従来の「共謀罪」の名称を変更して、「テロ等準備罪」を新設し、「組織犯罪処罰改正法案」の成立を今国会で目指している。

★この法案に対してはいまだに多くのメディア、野党、有識者、弁護士会などが反対を主張している。その根拠は「組織的」という解釈が友人同士のサークルや、市民団体、労働組合などにも拡大され、多くの人が国家監視のもとに置かれるのではないかという懸念があるからだという。また刑法などですでに、内乱や放火、殺人などには「陰謀罪」や「予備罪」があり、大抵のテロ行為について準備段階でテロリストを逮捕できる権限は与えられているという。従ってあらたに「テロ等準備罪」を作る必要はないという主張だ。

★それでは何故政府は共謀罪の名称を「テロ等準備罪」に改めてまで成立を急ぐのか。今回は処罰対象を「組織的犯罪集団」と明記し、友人同士のサークルや市民団体、労働組合等は処罰対象にはならないと法務省は説明する。資金の確保など「準備行為」も要件に加え、対象犯罪も原案の676から300程度まで減らし、市民への捜査が強まることに歯止めをかけることにしている。

★問題なのは、日本は世界187か国・地域が入る国際組織犯罪条約(TOC条約)をまだ締結していないという。外務省の説明では、条約に入るには共謀罪などが整備されていることが条件になっているためだ。テロ組織に対応する国際組織犯罪防止条約は、共謀罪を盛り込んだ国内法の整備を締結の条件としている。締結していないのは先進7か国では日本だけで、国連加盟国の中でも11か国に過ぎないという。日本は組織犯罪に取り組む姿勢が甘いのではないかという誤った認識を与えかねない。

★さらに重大なことは、条約締結によって実質的に組織犯罪に関する情報協力を受けやすくなり、国際社会と情報共有しやすくなるという点だ。しかし、野党があくまで組織犯罪処罰法の改正案に反対するのであれば、新たな立法措置をせず、TOC条約を結ぶという選択肢を提案すればよい。野党が賛成して成立するなら、その後徐々に整備すればよい。あくまで反対するのであれば、やましいことが無い以上、正々堂々と国民に訴えればよい。要は2020年東京オリンピック・パラリンピックに対するテロ対策は少しの猶予も許されないという事だ。共謀罪を敵視する政党やメディアは、日本が孤立を深め、テロの標的となるのを座視せよとでも言うのだろうか。それとも人間の善意のみを見て、悪意は見ないという立場をとるのだろうか。万全の準備をする上でも、国際協力は欠かせないだろう。

2017年1月24日 (火)

トランプ政権下での日米安保の在り方(下)

日本はトランプの「駐留米軍基地費用の負担増額要求に応じる」べきか、それとも「要求を拒否して撤退を承認する」べきか、考えてみよう。

選択1】 要求を拒否する
日本は米軍駐留を受け入れている諸国に比べて断トツに負担率が高い。即ち日本74.5%、イタリア41.0%、韓国40.0%、ドイツ32.6%(金額3億ドル以上、2002年実績)となっており、これ以上の負担は国民の理解が得にくい。まずこの現状をトランプに理解してもらう。他国が日本と同等レベルになったら、その時考える。しかし、この場合トランプが宣言する通り、米軍を撤退させたら、中国・北朝鮮の脅威が増大することは必定。そのためにも日本が独自で軍事力の強化が必要となり、国民にも覚悟が求められる。核の傘もなくなるから、その装備も視野に入れる必要がでてくるかも。

選択2】 ある程度要求を吞み、現状維持を図る
他の諸国の出方を見ながら、必要に応じてトランプの顔も立て、+α(5%位か?)を負担するか、あるいは増額相当分を日本の防衛費の増強に充てるか、よく検討する。

【選択3】 全額を負担する代わりに、在日米軍を日本の指揮下に置く
在日米軍の給与その他一切を日本が支払う。艦船、戦闘機、武器等は借用する形。従って米軍は日本の傭兵となる訳だから、日本の指揮下に入る。(米軍がOKしないだろうが)実現すれば、自前で整備するより安上がりになる?


★防衛費の増強は相対する国同士の拡大競争に陥るから、憲法通り武装を廃止せよという人もいる。しかし理想としてはあり得ても、実際問題国民の生命と財産を守る国のリーダーとしては、責任を負えないだろう。従って非武装中立の選択はあり得ない。米軍が撤退したら間違いなく中国が食指を伸ばす。少なくとも尖閣はもちろん沖縄も危ないだろう。米軍がフィリピンから基地を撤退したとたん、南シナ海に進出して要塞化進めた実績があるからだ。ここはやむを得ず【選択2】あたりが妥当なところか。

★軍事評論家の田岡俊次は言う。トランプ政権が「もっとカネを出さないなら米軍は撤退する」ぞと脅すなら、「結構なお話ですな」と応じるべきだ。もしそうなれば沖縄の基地問題は解消し、約6千億円の米軍関係経費の支出もなくなる。しかし、現実には米軍が世界的制海権を保持するために不可欠な横須賀、佐世保両港や岩国の海軍航空基地などを放棄するとは考えにくい。真珠湾の艦船修理能力は乏しいからだ。日本が「退去するならどうぞ」と言えば、相手は「ぜひ置いて欲しい」と下手にでるしかない。だが、外務省や安倍総理にその度胸があるかどうかは疑わしい・・と論じるが、朝日新聞系の軍事評論家の一言にうっかり乗って、何か日本に不利益が生じても彼に責任は一切ない。そんなに旨くいくとも思えないが、本当に全て引き上げるかどうか打診してみる価値はありそうだ。(終り)

トランプ政権下での日米安保の在り方(上)

大寒も過ぎて超大寒がやってきた。ここ小田原でも身を切るように空気が冷たい。
海の向こうのアメリカでは、大統領に就任したトランプ氏が「アメリカファースト」むき出しに、横暴ともいえる政策を矢次ぎ早に打ち出し、世界中を困惑させている。
選挙中に日本の安全保障問題については「在日米軍の駐留経費の100%を日本に支払わせる。条件によっては米軍を撤退させる」と言っていた。まだ、実態をよく理解していない段階での選挙向けのアピールではあるが、この際「日米安保」の在り方について日本人が真剣に考える良い機会を与えてくれたと捉えるべきだろう。


★そもそも在日米軍は何のために日本にいるのか?
在日米軍基地は日本が他国から攻撃を受けないように抑止するだけではなく、日本を拠点にして、西太平洋からインド洋までの範囲をカバーするための重要な中継拠点として存在する。つまり在日米軍基地は日本の平和というだけではなく、地球の1/3の地域の安全をカバーする戦略拠点として存在価値の高い基地である。同時にアメリカの世界的経済戦略上も地域の安全と平和が必須要件でもあった。その重要な世界戦略をトランプ氏は見直そうとしているのだ。


★日本は駐留経費をどれくらい支払っているのか?
もともとの条約では日本は施設、土地を無償で提供し、それ以外はすべて合衆国が負担するというものだった。ところがベトナム戦争での財政難と日本の経済成長に伴う「安保ただ乗り論」が出てきて、1978年以降、日本は「思いやり予算」を拠出するようになった。平成28年度予算では在日米軍5万2千人の給与・糧食費除く、光熱費・維持費・周辺対策費等及び日本人の基地従業員・関係者(2万5千人)などの人件費など合計5566億円を負担している。


★7000億円以上になる駐留経費
年間総経費は112億ドル(約1兆1千億円)で、米側は米兵の人件費・糧食費など55億ドルを負担している。日本は57億ドルの負担だが、無償提供している基地の地代を安く見積もっても1700億円となり、それを合わせると7000億円以上にもなる。因みに日本の国防費は5兆円(約450億ドル)で、駐留米軍経費の日本負担分は1/10以上に当たり、これを高いとみるか、安いと見るか、見る人によりけりだろう。(続く)

2017年1月19日 (木)

面妖な野党共闘の姿(下)

★1993年8月、日本新党の細川氏を首班とする野党8党非自民・非共産連立政権が誕生した。そのフィクサーは自民党から飛び出した新生党の小沢氏だった。国民は長期自民党政権に嫌気が差し、「政治改革・刷新」を求め、多くの無党派層が自民党と社会党にNOを突きつけた結果だった。細川内閣は清新さで当初71%の高支持を得たが、寄せ集め所帯の宿命で、翌94年4月に細川氏の政治資金の問題や深夜の消費税UP発言で立ち往生してしまった。続く羽田内閣は連立与党間の不協和音もあって、2カ月の短命内閣に終わった。

★一方小沢氏の強引なやり方に反感を持った社会党」は93年に連立政権を離脱。「さきがけ」も内閣から距離を置いた。自民党は連立から離脱した「社会党」と「さきがけ」を抱き込み、社会党の村山委員長を首班とする「自社さ連立政権」を誕生させ、政権の座に返りついた。この時社会党は「自衛隊を合憲、日の丸を容認」とまさに歴史的転換に踏み切った。前年の総選挙で大敗を喫した自・社が敗者同士で手を結んだ野合とも言える政権だった。「自社さ連立政権」は自民党の橋本内閣に引き継がれ、4年間存続したが、この間多くの政党の合従連衡、政治家の離合集散が続いた。要すれば連立政権は不安定なもので政争の具になりやすいという事を国民に示した形となった。しかし、日本の政治が一歩前進するための通らねばならない道だったかもしれない。

★野党単独で政権を奪取したのが民主党(現民進党)で、2009年9月から2012年12月まで3年間続いた。この政権の誕生から崩壊まで、表に裏に暗躍したのが小沢氏だった。政策よりも政局、政権獲得こそが唯一の目的で、そのための手段はどうでもよく、目的を果たした後に何をしたいのか見えてこない人物だ。彼の経歴を見ると、「自民党」幹事長を初め、「新生党」代表、「新進党」党首、「自由党」党首、「民主党」代表・幹事長、「国民の生活が第一」代表、「生活の党と山本太郎となかまたち」共同代表、現在は先祖返りして「自由党」代表と、だんだん先細りしている。この遍歴こそ彼のすべてを物語っている。

★その小沢氏が生き残りをかけて、民進、共産、社民各党に働きかけ、衆院選の候補者一本化を目指している。民進党は支持基盤を巡って、方向が定まらない。共産党の票は欲しいが、政権構想では容認しがたい。かつて消費税増税を巡って袂を分けた現野田幹事長に対して、選挙共闘で圧力をかけている。よく厚かましく会見できるもんだと感心し、その衰えないエネルギーに驚かされる。

★共産党は早々と260を超す小選挙区に立候補を決めたが、蓮舫体制の民進党は支持率の低迷、出馬希望者の不足等で候補者の擁立が過半数の238にも満たない。政権を奪われてからはや4年。その間何をやっていたのか。敗因を分析し、再建策を講じていたのか?結局何もやって来なかったから、今の体たらくがあるのではないか。党の体質を改め、新しいリーダー達を育成し、「これならもう一度民主党に任せてみよう」と言う気にさせないと、先は見えてこない。批判だけの政党なら共産党など他党に任せ、1から地力をつける時だ。数欲しさで安易な野党共闘など結ぶ場合ではない。過去の教訓から何を学ぶか、今のままでは共産党や小沢氏に利用されるだけだ。仮に野党共闘が功を奏し、政権をとったとしたら、実に面妖な内閣になるのは間違いない。(終り)

2017年1月18日 (水)

面妖な野党共闘の姿(上)

★1月15日に開催された共産党大会に、民進党(安住代表代行)、自由党(小沢共同代表)、社民党(吉田党首)が初めて出席し、「本気の共闘」に向けて気勢を上げた。共産党は長い間、唯我独尊を貫き通したが、かつて他党党首が党大会に出席することなどあっただろうか。共産党は自党の主張を変えてまで、他党と共闘を組む事などあり得なかった。目指すところが日米安保条約の停止、自衛隊の発展的開散、天皇制廃止、大企業への増税など到底相いれない方針があったからだ。ところが、昨年あたりから国会の天皇陛下の開会宣言に出席するようになり、さしあたって従来からの主義主張を引っ込める姿勢を見せ始めた。

★2000年に志位委員長が就任すると、このままでは先細りするだけと考えたのか、ソフト路線に転換し、やや柔軟な姿勢を打ち出してきた。2015年の9月の安保関連法案では野党4党が共闘し、国会周辺の市民デモに呼応するかのように、党首達が車上で手を取り合って笑顔を振りまいていた姿が印象的だった。この頃から共産党は単なる批判勢力から政権の一翼を担う党へと変身を図ったようだ。 自由党の小沢党首は本来保守本流の立場にあった人だが、今は流れ流れてミニ政党の党首として最後のアガキを見せているようだ。その小沢氏が共産党と手を組むシーンがあるなどかつて考えられただろうか。

★政治家にとって目的とは何だろうか。究極的には「最大多数の最大幸福」の実現であり、「国家の繁栄と平和」の継続であるはずだ。選挙に勝つこと、政権を取ることはそのための手段に過ぎない。ところが今の野党共闘は単独では勝てないという理由で、政策の違いには眼をつぶり、議席を取ること自体を目的としている。勝って何をやるかは二の次で、とにかく与党の議席を減らし、自分たちの議席を増やせばよいのだの一点で結集するから、仮に一時的に政権をとったとしても、方向性の違いからバラバラとなって長続きしない。

★昨年、自由党の小沢代表は他の3党に対して、次の衆院選に向けて「オリーブの木構想」を打診したという。「オリーブの木構想」とは1995年にイタリアで作られた複数の中道・左派政党の連合のことだ。イタリア共産党とも手を組み、議会最大勢力に躍進したこともあった。しかし相次ぐ内紛、人材不足による指導力の低下などにより、次第に劣勢となり、2001年5月の総選挙で、中道右派連合に敗れた。まるで日本にも過去に似たような現象があったではないか。(続く)

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