桜を詠んだ古今の名歌(後)
2. 人の心・人生などを歌ったもの (続き)
☆花見にと 群れつつ人の来るのみぞ あたら桜のとがには ありける 西行法師
☆明日ありと 思ふ心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは 親鸞聖人
☆敷島の 大和心を人問わば 朝日に匂う 山桜花 本居宣長
(日本人の美意識、武士道精神を謳ったもの、最も好きな歌のひとつ)
☆いざ子ども 山べにゆかむ桜見に 明日ともいはば 散りもこそせめ 良寛
3. 恋愛など男女の心の綾を歌ったもの
☆あしひきの 山桜花日並びて かく咲きたらば いと恋ひめやも 山部赤人
☆春霞 たなびく山の 桜花 見れどもあかぬ 君にもあるかな 紀友則
☆山桜 霞の間より ほのかにも 見てし人こそ 恋しかりけれ 紀貫之
☆乙女子が 袖ふる山に千年へて ながめにあかじ 花の色香を 豊臣秀吉
(女好きの秀吉らしい歌だが、家康は同景で上品な歌を残している)
☆咲く花を 散らさじと思ふ 御吉野は 心あるべき 春の山風 徳川家康
☆清水へ 祇園をよぎる桜月夜 今宵逢ふ人 みなうつくしき 与謝野晶子
4. 人の死と桜
☆願わくば 花の下にて春死なむ その如月の 望月の頃 西行法師
☆散る桜 残る桜も 散る桜 良寛
☆風さそふ 花よりもなほ我はまた 春の名残を いかにとやせむ 浅野内匠頭
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