2022年4月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ

最近のトラックバック

« 菅総理の功績と菅後の日本の政治(5) | トップページ | 菅総理の功績と菅後の日本の政治(7) »

2021年9月18日 (土)

菅総理の功績と菅後の日本の政治(6)

4.日本学術会議の任命拒否問題

◆菅総理は就任後まもなく(2020年9月)、日本学術会議が推薦した105人の会員候補のうち6人を任命拒否した。2004年以降、日本学術会議が推薦した候補を政府が任命しなかったのは初めての事だった。このことで野党やメディアが騒ぎ、「日本学術会議とは?その役割、在り方、予算」などについて、問題点を国民の前に曝け出してくれた。

◆彼らは「学術会議が推薦した会員を任命しないのは前例に反する。理由を説明せよ」と迫った。そもそも、拒否された6名は安全保障関連法や特定秘密保護法、普天間基地移設問題などで、政府の方針に異論を唱えてきた学者たちであったが、ある意味、任命拒否は勇気のいる言動だった。予想される反動を思えば、従前通り踏襲する方が波風はたたない。それをずーっと続けてきたのが自民党政権だったのだ。

◆菅総理は「任命拒否の理由」など、口が裂けても言えるはずがない。真の理由を言えば、「思想信条の自由に抵触する」と大炎上は必定、一発で終わりとなる。既得権益を享受して、変革を嫌う学術会議側はこれを逆手にとって攻め立てた。「学問の自由の侵害だ」を持ち出す学者もいたが、これは無理がある。任命の可否と学問の自由は無関係だ。こうした過程の中で、国民は「文系に偏った左翼的学者たちのエゴでもあることに気が付いた。

◆ある技術開発の研究が軍備の増強に繋がるなどととんでもない理屈をこねて、研究を中止させた例も明るみになった。「学術会議」は内閣府の特別機関に位置づけられ、国費が年間約10億円も投じられていることを国民は知った。であるならば、当然ながら国益に叶う活動が求められる。国から完全な独立を求めるならば、民間のアカデミックな団体に移行して、フリーな立場になればよい。

◆その形をシュミレーションしたようだが、まだ宙ブラリンとなっている。また、任命拒否された6人の立場も棚上げされたままだという。菅さんはこの問題の決着をつける前に辞任することになったが、任命拒否が問題ではなく、そのやり方に問題があったようだ。相手の顔を立てて、外堀を埋め、旨く根回しして「人事の在り方」を変えていくという方策がとれなかったか、菅後を引き継ぐトップに残された課題となった。

« 菅総理の功績と菅後の日本の政治(5) | トップページ | 菅総理の功績と菅後の日本の政治(7) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。