2022年4月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ

最近のトラックバック

« 少年時代の心象風景(4) | トップページ | 少年時代の心象風景(6)最終回 »

2021年3月11日 (木)

少年時代の心象風景(5)

第五話 シーボルトの軍服に接す

◆1955年、小学6年の時だった。担任の先生がI君と私を呼んで、長崎県立図書館が主宰する「市内の小学校の子供会」を作るということで、参加を勧められた。主に市内中心部の小学校の生徒17,8名が集まった。図書館の指導員数名のもとで、子供たちの自主性を尊重する形で、童話会、人形劇、コーラス、レクレーションなどを企画し、運営するコアのメンバーとして役割を持たされたが、ここではそのことが主題ではない。

◆当時の長崎県立図書館長は森永種夫さんといって、有名な郷土史家であり、高校、大学で教鞭に立ち、長崎奉行所に残された膨大な判決記録を解読して、その記録を「長崎犯科帳」として世に出した大変な学者だ。後にこの書をもとにTVドラマや映画ができたことは有名な話。
森永館長は大変温和な方で、我々子供達にも一人前の大人を扱うように接してくれた。図書館は大正時代にできた古びた洋館だったが、原爆によって本館西側が被災されたとのことだったが、この当時は緊急的に原状復帰されていた。

◆ある日、森永館長が普段は見られない蔵の中を特別に案内してくれた。薄暗い蔵の中、カビの臭いが鼻に衝く。そこには江戸時代の長崎奉行所から引き継がれてきた膨大な裁判の記録がうず高く積まれていた。目を引いたのがモールで飾られた軍服だった。シーボルトが着用していた軍服だという。その他にも彼が愛用していた日用品や文具などが多数あった。まさのこの時の体験が、数年前に読んだ吉村昭著の「ふぉん・しいほるとの娘」で臨場感が蘇ってきた貴重な体験だった。

◆5年後(1960年)、この古い建物は新しく立て替えられた。新装なった図書館には高校時代に何度か行ったが、特に記すべきことも無い。その後60年ほど経って県立図書館は大きく様変わりをすることをネットで知った。図書館部門は大村市に移転し、大村市図書館と合体して新しい県立図書館となり、2019年10月にオープン。史料関係部門はすでに近接する「長崎歴史文化博物館」に合体して、郷土資料センターとして、この5月にオープンするという。65年の時の流れはあっという間だ。しかし、確実に変化している。(続く)

« 少年時代の心象風景(4) | トップページ | 少年時代の心象風景(6)最終回 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。