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2018年3月11日 (日)

憲法9条改正前に、「前文」を見直そう(上)

◆安倍総理は昨年5月3日、TVの前で「憲法改正」に強い決意を表明した。国民の間に、自衛隊の存在が根付いている現状にあって、未だ「憲法違反だ」と主張する学者が多数存在し、この問題が事あるごとに混迷を続けている。この現状を打破するため、総理は2020年に新しい憲法を施行するという期限を区切って、「憲法9条に自衛隊を明確に位置付けるため、1項、2項はそのままに、3項として自衛隊の根拠規定を追加する」という大胆な提案を行った。ここにきてようやく、自民党改憲本部では「9条2項は維持すべきだ」、「いや、維持は矛盾だ。削除すべきだ」、「自衛隊の根拠規定をどう表現するか」など、喧しい議論が漏れ伝わってくる。野党は野党で冷淡で、指一本触れさせないなどと嘯いている。

◆ところで現憲法の「前文」を読んだことがあるだろうか。「前文」には、この憲法が拠って立つ理念、この国が目指すところ(所謂ビジョン)、骨格(国の形)を示し、日本はどういう国を創ろうとしているのか、国民に分かりやすい表現を使うことが求められる。その根底には右も左もない。あるのは日本国民というこの国を構成する一人一人の国民だ。少々長くなるが現憲法の「前文」を引用する。

【憲法前文】・・・引用
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と専従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信じる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。  ―引用終り―  (以下、次回に続く)

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