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2017年1月29日 (日)

「テロ等準備罪」の可否を考える

★組織的な犯罪を計画した段階で処罰できる、いわゆる「共謀罪」が国会論戦の争点になっている。共謀罪などを盛り込んだ組織犯罪処罰法の改正案は2000年代に野党、メディアなどの反対で3回も廃案になってきた。政府は従来の「共謀罪」の名称を変更して、「テロ等準備罪」を新設し、「組織犯罪処罰改正法案」の成立を今国会で目指している。

★この法案に対してはいまだに多くのメディア、野党、有識者、弁護士会などが反対を主張している。その根拠は「組織的」という解釈が友人同士のサークルや、市民団体、労働組合などにも拡大され、多くの人が国家監視のもとに置かれるのではないかという懸念があるからだという。また刑法などですでに、内乱や放火、殺人などには「陰謀罪」や「予備罪」があり、大抵のテロ行為について準備段階でテロリストを逮捕できる権限は与えられているという。従ってあらたに「テロ等準備罪」を作る必要はないという主張だ。

★それでは何故政府は共謀罪の名称を「テロ等準備罪」に改めてまで成立を急ぐのか。今回は処罰対象を「組織的犯罪集団」と明記し、友人同士のサークルや市民団体、労働組合等は処罰対象にはならないと法務省は説明する。資金の確保など「準備行為」も要件に加え、対象犯罪も原案の676から300程度まで減らし、市民への捜査が強まることに歯止めをかけることにしている。

★問題なのは、日本は世界187か国・地域が入る国際組織犯罪条約(TOC条約)をまだ締結していないという。外務省の説明では、条約に入るには共謀罪などが整備されていることが条件になっているためだ。テロ組織に対応する国際組織犯罪防止条約は、共謀罪を盛り込んだ国内法の整備を締結の条件としている。締結していないのは先進7か国では日本だけで、国連加盟国の中でも11か国に過ぎないという。日本は組織犯罪に取り組む姿勢が甘いのではないかという誤った認識を与えかねない。

★さらに重大なことは、条約締結によって実質的に組織犯罪に関する情報協力を受けやすくなり、国際社会と情報共有しやすくなるという点だ。しかし、野党があくまで組織犯罪処罰法の改正案に反対するのであれば、新たな立法措置をせず、TOC条約を結ぶという選択肢を提案すればよい。野党が賛成して成立するなら、その後徐々に整備すればよい。あくまで反対するのであれば、やましいことが無い以上、正々堂々と国民に訴えればよい。要は2020年東京オリンピック・パラリンピックに対するテロ対策は少しの猶予も許されないという事だ。共謀罪を敵視する政党やメディアは、日本が孤立を深め、テロの標的となるのを座視せよとでも言うのだろうか。それとも人間の善意のみを見て、悪意は見ないという立場をとるのだろうか。万全の準備をする上でも、国際協力は欠かせないだろう。

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