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2016年12月17日 (土)

プーチン大統領、来るは遅刻、去るは早退

年の瀬の15、16の両日、プーチン露大統領が首脳会談のため来日、慌しく帰っていった。駆け引きに有利との思惑か、宮本武蔵に学んだか、首脳会談の常套手段のように日本到着は約3時間遅れ、2日目の東京着も遅らせた。ところが帰りは予定を40分程早めて、午後7時頃羽田を飛び立ったというから、思わず笑ってしまった。帰国前に講道館を訪れ山下、井上氏らに歓迎されたというが、「柔道家を自任するならば、真の柔道家は時間・礼儀を守るものだ」と山下氏が投げ飛ばしたら、よいお土産になったと思うが(笑い)

今回のプーチン大統領との首脳会談に対するメディアの評価も大きく割れている。NHKは「プーチン大統領の訪日は歴史的な出来事」と報じ、9:00のニュースで本人が出演、また日テレ、フジのBS報道番組では専門家が詳しく解説・評価していた。今朝の新聞(読売)も「北方4島共同経済活動、平和条約へ一歩」などと客観的、好意的に書いているが、一部NETニュースでは「プーチン訪日、大失敗をごまかす安倍官邸の情報操作にマスコミが丸乗り!ただのプレス発表を共同声明と云々」と痛烈に批判する記事で、歓心を買おうとする。概して領土返還に関与してきたプロ達の評価は高く、3流メディアや野党はいつもの通りボロクソに批判する。また4島返還を当然とする国民にとっては期待外れと言ったところか。

さて、北方4島問題の経緯についておさらいすると、1945年8月14日、日本はポツダム宣言(無条件降伏)の受諾を決定し、翌15日の玉音放送で戦争終結を宣言した。しかしソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄して8月8日、日本に宣戦布告。(ヤルタ会談の密約があった) 翌9日、満州・朝鮮半島に侵攻開始した。合わせて日本領土である千島列島(占守島から得撫島)を占領しつつ南下して、9月5日までに北方4島を占領してしまった。北方4島は1855年に日露間で取り決め、90年間日本の領土だった南千島の4島である。9月2日、日本は米艦ミズ-リ号上で、連合国と停戦協定に調印した。日本はその後ソ連に対し、降伏した後に不法に占拠されたものであるから、4島は一括して返還せよとの立場だが、ソ連は降伏文書に署名するまでは戦闘状態である、よって戦闘で勝ち取った領土であると主張、互いに譲らず71年が経過、唯一平和条約も締結できない国となった。

交渉の過程において、多くの人物が関与し、時に接近し、時に遠く離れたりしたが、プーチンは1956年の日ソ共同宣言にある「平和条約締結後に歯舞色丹を引き渡す」ということこそ日ソ両国議会が承認したものであり、これが出発点であると主張する。ここで妥協していればとっくの昔に平和条約は締結されていたかもしれない。しかしダレス米国務長官の恫喝もあり、国民感情としてはあくまで4島一括返還にこだわった。結局70年間「4島を追うもの1島も得ず」という結果になってしまい、今はそれすら難しい局面になってしまった。プーチンはどういう形で戻すかは書かれていないと言い出したからだが、今回の安倍総理は時間をかけて信頼関係を築き、ようやく話し合いのテーブルにつくことができた。腹の中では、ぶん殴りたい気持ちだろうが、表には出さずよくぞ「忍」に耐えている。

そもそもロシアが我が国固有の領土を不法占拠している訳だが、国際司法の場に提訴したことがあったのか。実は昭和47年、当時の大平外相がグロムイコ外相に打診したが、彼はこれに応ずる考えはないということを明確に述べたという。確かにこうした問題を国際司法裁判所に付託するにも、双方の合意が必要だから法的決着も無理だ。では中国並みの軍事力を持って力を背景に交渉するか?まず世論が許さず、憲法が歯止めする。フィリピンのように国際仲裁裁判に持ち込んでも、「歴史的由来や経緯を主張するよりも、現実にどちらが実効支配しているか」がものを言うらしい。あと20年経てばロシアの支配の方が長くなる。今北方4島に住んでいるロシア住民は日本と友好関係を持つことは賛成だが、領土の引き渡しは考えられないという。

日本は最低歯舞・色丹の両島が返還されたとして、その未来図を描いているのか。旧島民は高齢になってしまった。今更戻って一から生活の基盤を築くことは難しかろう。唯一、海産資源は魅力があるが、離島に進出して海産物加工場などの投資をするためのインフラ整備をどうするのか。ただでさえ、日本の離島の人口減少は進んでいる。何よりすぐそばにロシアのミサイル基地や秘密警察がいる。そんなにリスクが高く、寒冷地の島に移住しようという国民がどれだけいるだろうか。先の話だが、政府がしっかりした未来図を描かない限り、返還後の島の未来も見えてこない。

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コメント

 始まりましたね。いきなり筆鋒・筆陣、快刀乱麻に相応しい出来事が起こり、貴方らしい切り口と文章に興奮しています。

 楽しみが戻り、感謝しています。

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