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2016年10月23日 (日)

唱歌「故郷の空」

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1. 夕空晴れて 秋風吹き                 
  月影落ちて 鈴虫鳴く
  思えば遠し 故郷の空
  ああ わが父母 いかにおわす     

2. 澄ゆく水に 秋萩垂れ
  玉なす露は 芒
(すすき)に満つ            

  思えば似たり 故郷の野辺
  ああ わが兄弟(はらから) たれと遊ぶ 


誰もが一度は小学校の音楽で習った「故郷の空」。原曲はスコットランド民謡、明治21年5月、「明治唱歌第1集」に「故郷の空」として掲載された。作詞(訳詩)は大和田建樹(1857~1910)。この頃、いわゆるオリジナルな文部省歌はまだ少なく、軍歌調なもの、日本の古典を題材にしたものが多かった。大和田は「故郷の空」の他にもフォスターの「故郷の人々」を訳詩したが、この頃別の作詞家が、「春風」(吹けそよそよ吹け~)や「埴生の宿」訳詩している。ついでながら大和田建樹は有名な「鉄道唱歌」(明治33年)、「青葉の笛」(明治39年)を作詞している。

さて、「故郷の空」に話を戻すが、この時期になるとこの歌のメロディが頭をよぎる。秋の澄み渡った空気が思い出させるのか。子供の頃覚えたての歌を口ずさんでいると、父親が少し音程のずれた歌声で合わせてきた。そして母親も。なんで知っているのかと思ったものだが、この歌は両親が生まれるはるか以前から日本に根付いていたものだったのだ。

故郷長崎市内はいわゆる田畑や山里、田園風景にはかなり遠い。ただ、頬をなでる秋風、虫の声、赤トンボ、風になびくススキの揺れなどは感じられた。家からほど近い廃れた外人墓地で遊び、夕空をバックに家路に着くころ、空気がなんとなく透明なうす紫色に感じられた。
後年、「故郷の空」の原曲はスコットランド民謡『Comin' Thro' The Rye』(ライ麦畑で出逢ったら)と知った。

  If a body meet a  body, Comin' Thro' the Rye
  If a body kiss a body, Need a body cry?      (以下略)


スコットランドの古き良き開放的な男女の営みを、ライ麦畑でのやりとりを通して、おおらかに描いている。身の丈ほどの高さに成長するライ麦。そんなライ麦畑の中で、男と女が出逢ったら・・・。
作者は有名な「蛍の光」(Auld Lang Syne) のロバート・バーンズ。この歌も日本では別れの歌に変貌しているが、「故郷の空」をもっとも原曲に近い形で表現したのが、なかにし礼が作詞し、ザ・ドリフターズが歌った「誰かさんと誰かさん」であることは言うまでもない。これが世に出たとき、一部年配者から「冒涜的な替え歌」という批判が出たと言う。さもありなんと思うが、訳詩は原曲に忠実でなくとも、名曲になりうること、国民の感性に合ったものが一番と思う次第である。

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