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2016年10月15日 (土)

中国尖閣諸島侵入、真の狙い -シリーズ2ー

◆中国が南シナ海の実効支配を完成させるための次のステップはフィリピン沖のスカボロー礁だ。ここに人工島を完成させればパラセル諸島(西沙)、スプラトリー諸島(南沙)を結んで強固なトライアングルの基地が完成し、南シナ海の制海権・制空権を完全に掌握する。すでにスカボロー礁で、建設の準備に着手する兆候は見られており、懸念されるところだ。親中の素振りを見せるドゥテルテ比大統領を甘い言葉で籠絡することは簡単だろう。そうなれば航行の自由を求める日米豪等にとっては大変な脅威となる。

◆南シナ海の実効支配の先にあるもの、それは東シナ海の完全掌握だ。そのために尖閣諸島の実効支配に執着している。中国は何故そこまで尖閣諸島にこだわるのか。その狙いは沖縄トラフ(海溝)にあることが明らかになってきた。中国が尖閣諸島の領有権を公言し出したのは、国連機関による石油資源探査が始まった1960年代以降であったため、当初は海底資源が狙いと思われていたが、狙いははるかに野心的で、安全保障上の軍事戦略拠点としての沖縄トラフが垂涎の的だと言うのである。

◆中国は戦略原子力潜水艦を少なくとも4隻保有していながら、その身を潜めて守るだけの深い海を持っていない。沖縄トラフは九州の西側から台湾の北側まで、南西諸島と琉球諸島の西側に沿った円弧状の海底盆地で、全長約1000km、幅約200km、水深は2200mに及ぶ、東シナ海では最深の海域である。尖閣諸島はこの海底盆地の南西に位置する。この盆地を挟んで宮古島や石垣島が並び、その間を密かに潜航すれば広大な太平洋にも自由に出入りが可能という地政学的にも重要な海域なのだ。

Photo◆この水域内に自国の領土・領海を多少でも確保することにより、他国の手出しを封ずることができる。そのために絶好の位置にあるのが尖閣諸島なのだ。水深は500m、12海里離れた領海の水深は1200mで、沖縄トラフの水深2200mには及ばないが、中国本土周辺の200mに比べれば、原潜にとってはるかに有利だ。尖閣諸島は沖縄トラフに通じるいわば橋頭保なのである。中長期的な狙いでは、「太平洋の米中二分論」で管理、監視する野望を持っており、その布石として押さえておきたい海であり、島なのである。

◆日本人はこの尖閣諸島の重要性を軽く見ている節がある。中国はその気になればいつでも、漁民・民兵を使って上陸・占有することは可能だ。ただ世界の世論の動向を気にしているだけで、その機をじっと狙っているという段階だろう。例えば万一トランプが大統領になればチャンス到来と見るだろう。日本を含め国際社会は中長期的な戦略で、中国の膨張主義と厳しく向き合い、国際秩序の中へ封じて、取り込んでいく必要に迫られている。(続く)

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