« 「敵艦見ゆ」のエピソード | トップページ | オバマ大統領の広島訪問と中露の態度 »

2016年5月26日 (木)

南西諸島宮古島にて

◆真っ青な空に白い雲、エメラルド色の遠浅の海、優美な曲線を描いてその海の上をどこまでも伸びる長い橋。何のCMだったか覚えていないが、その風景が実際に目の前にあった。昨年完成した宮古本島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋は通行料無料の橋としては日本最長で、3540mあるそうだ。

Dscf1577

(写真は宮古島と池間島を結ぶ池間大橋、全長1425m、1992年開通。)

◆自分は古今の名画・芸術作品の鑑賞もいいが、どちらかと言えば自然が創り出す造形美の方に惹かれることが多い。「下地島の通り池」という場所に案内された。下地島は伊良部島の南西に細い水路を挟んで並ぶ面積10㎢足らずの小さな島。「通り池」という名前を聞いて、大した期待もせずに、小さな亜熱帯植物の林の中を歩いた。数分歩くと突然ポッカリ視界が開けて、大小二つの円形の池が並んで見えた。いわゆる池というイメージではない。中を覗いて驚いた。眼下30mはあろうかと思われる崖下に、群青色の深いブルーの水が満ち、底は全く見えない。岩肌はゴツゴツして徳利型になっているので、一度落ちたら登って来れないだろう。

Dscf1602 ミニ・ジャングルの中を歩く。

◆海岸近くにある海側の池が直系75m、水深50m。陸側の池が直径55m、水深40mだそうで、2つの池は海底で繋がり、海側の池は海底洞穴で外洋とも通じているという。「通り池」という名は、このような池の構造に由来するとのこと。この地形は海岸にあった鍾乳洞が波によって浸食されて大きくなり、天井が部分的に崩落して形成されたものらしい。このような地形はブルーホールとも呼ばれる。池の周辺には石灰岩が点在するカルスト地形が発達している。
Dscf1603 陸側の池

◆2つの池は潮の干満につれて水面が上下し、水温の変化に伴って色が変化して見える。また、深度によって塩分濃度や水温に差があるため、多種多様な魚介類が分布しており、神秘的な景観とも相俟って、絶好のダイビングスポットになっているそうだ。このような地形は希少であり、周囲に学術上貴重な植物が分布していることから、通り池は、2006年7月、国の名勝及び天然記念物に指定された

Dscf1607_2 海側の池

◆奄美諸島から琉球列島を経て、与那国島まで弓状に連なる南西諸島は古来から幾度となく地震と津波に襲われている。なかでも1771年(明和8年)4月に起こった八重山地震(M7.6)では最大高さ30mと推定される津波が、宮古列島、石垣島周辺を襲い、全体で12000人の犠牲者がでたという。津波によって打ち上げらた珊瑚礁隗は津波石と呼ばれ、こうした津波石が綺麗な浅瀬にゴロゴロ立ち並ぶ不思議な景観呈している海岸があった。佐和田の浜という海岸でこれらの岩石も明和の八重山地震の津波が運んできたものとされている。遠浅の浜に多数の巨岩が点在する独特の風景は自然の猛威を示すとともに、一種の造形美を創り出している。改めて津波の凄さに驚かされた。

Dscf1595 津波石が点在する佐和田の浜

« 「敵艦見ゆ」のエピソード | トップページ | オバマ大統領の広島訪問と中露の態度 »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1299847/65688213

この記事へのトラックバック一覧です: 南西諸島宮古島にて:

« 「敵艦見ゆ」のエピソード | トップページ | オバマ大統領の広島訪問と中露の態度 »

2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ