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2016年2月 8日 (月)

北朝鮮のミサイル発射と自衛隊

北朝鮮が日米中などの中止要請を全く無視して、「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルを打ち上げた。各国は「北への制裁」を叫ぶが、先月実施した「水爆」と称する実験後も、いまだに安保理の制裁決議すらまとまっていない。強い制裁を求める日米と朝鮮半島の緊張を避けたい中国との間で、なかなか折り合いがつかないためだ。北もそこを見越して強行に出たのだろう。

◆問題は隣国の韓国だが、いくら中国に擦り寄っても、中国は北への働きかけはポーズだけ、実際には何ら影響力を行使できないことないことが判明した。ここにきて韓国はどうやら、中国がもっとも嫌う「THAAD(サード)米最新鋭ミサイル防衛システム」を自国に配備すべく、韓国軍と在韓米軍との間で正式協議を開始するという。朴槿恵大統領も中国への配慮より、米との安保強化を重視したのだろう。日本にある二つのTHAADと連携すれば北朝鮮だけでなく、中国への抑止力にもなる。

◆問題は日本の対応だ。北の脅威は認識しているものの、ただ「けしからん」と言うだけでどう対応すればよいのか、一向に定まらない。中には「いやなものは見たくない」と思考停止に陥るものさえある。野党やメディアの一部は「自衛隊の活動を強化する法案や日米安保の強化」には消極的で、「集団的自衛権の容認は憲法違反」と主張する学者達とも協調する。さらには「戦争法だ」とレッテルを貼る政党やそれらを支持する市民団体などからは、北の脅威や中国の横暴などを批判する声は殆ど聞こえてこない。「日本がおとなしくさえしていれば、何もしてこないだろう」と思うならば、それは現実を直視しない、平和ボケした姿といえよう。

◆先日BSプライムニュースで自衛隊の陸・海・空の元幕僚長3人が参加して、東アジアの平和と安定について、現状認識から日本の対応について討論する番組を見た。このメンバーを見て多くの人は、戦争を推進する立場からの意見と思うかもしれないが、事実は全く逆で、いかに日本が戦争しないように持っていくかという姿勢に終始しており、現実に立脚したもので、空理空論でないことが良く分かる。紛争を起こさせない環境作りから、駐在武官の相互受入を始めとする軍事交流、有効的な同盟関係の拡大など、外交、軍事両面に亘って平和を基調においた論調だった。特に海上自衛隊の方が陸上自衛隊より国際的視野が広いのは、明治時代の日露戦争以来の伝統だろうか。古庄幸一さんという元海上幕僚長は「軍事を知らずして平和を語るなかれ」という主議だそうで、こういう人達が国会に出て国政に関与してもらいたいものだとつくづく思う。

◆この番組を見ていて、あることを思った。剣の達人と言われる人は、日頃から己を鍛錬し、武士の命と言われる「」の手入れは怠らず、無闇に剣を抜くことはない。全身に漂う「」には、付け入る隙が見られず、他から襲われることはない。その威厳から人に畏怖され、人には優しい。そんな日本であることを願うのみ。

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