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2015年10月28日 (水)

米艦やっと南シナ海に出動

◆先月25日の米中首脳会談で、習近平はオバマ大統領の要請を完全に無視して、南沙諸島の岩礁埋立てと人工島の建設を推進、更なる軍事基地化を図っている。ここにきてアメリカはようやく中国が領土と主張する人工島の領海とやらにイージス駆逐艦を派遣し「ここは中国の領海ではありませんよ。公海ですよ」という主張を行動で示した。遅きに失した感はあるが、弱腰と批判されたオバマさんも堪忍袋の緒が切れたのだろう。これからもフィリピン、オーストラリア、ベトナムなどとも計って、もっと自由に何度も航行すべきだろう。皆で渡れば怖くない。

◆もともと南沙諸島を巡ってはフィリピン、ベトナム、ブルネイ、マレーシアなどがそれぞれ領有を主張し、領域・領海等が明確になっていなかった。そこへ力を付けてきた中国が強引に「この地域は古来から中国の領海だった」と主張。そんな理屈は中国だけに通用する理屈だ。「中国の赤い舌」と云われる九段線を勝手に定め、少なくとも7つの岩礁を軍事基地化している。

◆この背景には、フィリピンにあった米軍基地(スービック海軍基地)の使用期限延長をフィリピン議会が拒絶し、1991年11月に返還されたことが大きく影響した。戦略上の要衝に位置するこの海域において、アメリカ軍の軍事的抑止力を失った結果、フィリピン政府は東沙諸島や中沙諸島の岩礁を他国に奪われた。今年になって南シナ海での中国の強硬な岩礁埋立てに対応するため、新たに戦備を増強して、スービックに再配備すると発表した。フィリピン政府は軍事的な隙間を作ったため、中国に付け込まれる形になった。

◆昨年フィリピンと米国は、米軍によるフィリピンの軍事基地使用を盛り込んだ新軍事協定に署名した。スービック湾がフィリピン軍の基地となれば、米軍の同湾への本格回帰に繋がる可能性がある。スービック基地の再利用は、中国の海洋進出に対抗するフィリピン軍の新たな一手となる。米国、日本、ベトナムとの安全保障協力の強化に加え、フィリピンは向こう13年間で20億ドル(約2.4兆円)を費やし、軍を近代化する計画だという。

Photo 横須賀港停泊の自衛艦

◆このことから何が見えてくるか。ひとつは沖縄普天間基地辺野古移転に対して、沖縄県の翁長知事はじめ多くの県民は強硬に反対している。「米軍基地はいらない。県外か海外に移転してくれ」と主張する。沖縄の過重な負担は同情に耐えないが、尖閣諸島も抱え、沖縄が戦略的に要衝の地にあることは動かし難い事実だ。仮に米軍がいなくなり、日本だけで守るとなると、戦力的に甚だ心もとない。沖縄は中国の格好の餌食となろう。

◆もうひとつは「安保関連法案や集団的自衛権」に反対する国民がまだかなりの数いるということ。これらの人達は今回の「米艦の南シナ海出動」をどう見るかだ。逆に言えば国際法を無視し、力による現状変更で世界の秩序を乱す中国をどう見るかということでもある。専門家の見方によれば南シナ海も東シナ海もすべて中国の海にしたい。即ち資源も航行の自由も中国の管理下に置くべきだというのが、究極の狙いだと云う。
「戦争に巻き込まれるのはいやだから。そのままそっとしておこう」、「尖閣諸島は取られても仕方がない」、「アメリカにかってにやらせておけばいいさ」とでも思っているのだろうか。とするならば、あまりにも国の防衛ということに無頓着すぎる。一国平和主義は世界では通用しない議論だ。東京国際大学の村井教授が語っていた。「個人の正当防衛の権利に当たるのが国家の自衛権だ。自衛権を憲法が否定するなら、憲法の方が間違っている」と。

 

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