2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ

最近のトラックバック

« 軽減税率を考える(上) | トップページ | 日本のメディアと中・韓の国民性 »

2015年10月20日 (火)

軽減税率を考える(下)

◆もうひとつの問題点、中小・零細事業者の事務処理負担の問題にスポットを当ててみる。本来であれば、我々消費者が支払った消費税は最終的に100%国及び地方に入らなければならない。現実はどうか。その前に元々経済活動は一般的に、①原材料製造業者(生産業者)→②完成品製造業者→③卸売業者→④小売業者→⑤消費者へと、それぞれコストと利益を上乗せし、消費税率(8%)を乗じて、転化していく。

◆全ての企業・業者の消費税納税額は、売上時に受け取った税額と仕入れ時に支払った税額の差額となる。その差額をそれぞれの業者が納税すると、理論的には①+②+③+④=⑤となって、消費者が支払った税額が100%国と地方に納められることになる。消費者は納税するための事務処理は一切必要なく、消費税を受け取ったり、支払ったりする業者が代行して納付することになる。

◆ところが現行法では、事務処理を簡素化するためと称し、年間売上高5000万円以下の場合、簡易課税制度が選択できる。これは業態に応じ、あらかじめ「みなし仕入れ率」を決めておき、複雑な仕入れ時の税額の計算を簡略化するというもの。「みなし仕入れ率」は業態別に90%から40%まで6種類が決められており、2012年度は312万の課税事業者の4割に当たる約126万の事業者がこの制度を選択した。これは事務負担が軽くなることに加え、実際に正確に計算した場合に比べ、大雑把な計算に基づくため、本来納めるべき消費税のいくらかが手元に残る「益税」というメリットがある。そのため、中小企業、及び彼らを地盤とする政治家達が、複数税率計算のために必要な税額票インボイス)の導入に消極的であることの本音が透けて見えてくる。

◆さらに加えて、納税そのものを免除する「事業者免税点制度」というものがある。この制度は、より小規模な事業者の負担を軽くするため年間1000万円以下の売上事業者に対しては納税を免除しようというもの。例えば年間売上が1000万円で(消費税が+80万円)、仕入れ額が600万円とすると(消費税の支払い額は48万円)、本来納税すべき額は差額の32万円だが、これが丸々手元に益税として残ることになる。つまり税金のネコババが公認されているのだ。これらの対象事業者は実に500万を超すと見られている。免税点はフランスやドイツの場合、2分の1から、4分の1と日本よりかなり低い。しかし日本の零細事業者は高齢化、周囲の環境の変化等で自然淘汰されていくケースも多いと思われるが、この層にどのように対処していくべきか、政治の決断が求められる。

◆麻生財務大臣が軽減税率導入のためのインボイス(税額票)は「面倒くさいから中小企業などは皆反対しているよ」と衆目の前で語ったが、財務大臣の発言として如何なものか。本音は税収減を避けたい、益税が可視化されるのを避けたいという意見の代弁に過ぎない。正直に消費税を払っている善良な国民のことを第一に考え、不公平にならないよう考慮するのが財務大臣の役目ではないのか。事務処理のことは、極力分かり易く手間がかからない方法を皆が知恵を出し合って決めればよいこと。諸外国では皆工夫してやっている。IT化が進む日本が出来ない訳がない。(終り)

Dscf0201


« 軽減税率を考える(上) | トップページ | 日本のメディアと中・韓の国民性 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1299847/62135885

この記事へのトラックバック一覧です: 軽減税率を考える(下):

« 軽減税率を考える(上) | トップページ | 日本のメディアと中・韓の国民性 »