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2015年9月15日 (火)

何故決められないのか、軽減税率

◆現行の消費税率8%を2017年4月から10%に引き上げる際、痛税感を和らげるため、食料品の税率を低く抑えようとする軽減税率の導入を与党内で議論してきたが中々決められない。そこで「待ってました」とばかり、財務省マイナンバーカードを利用して、一旦10%の消費税を支払った上、酒類を除く飲食料品に関して、後日差額2%分を請求があれば、上限を設定して還付すると云う案を持ち出した。

◆この案に対し、公明党はじめ自民党の中からも、多くのメディアからも総スカンの声が上がった。何が問題かと云えば、麻生財務大臣が「軽減税率適用は面倒くさい」と言っておきながら、「税金をまけてもらいたいのなら、マイナンバーカードを持って、買い物をしなさい。面倒くさがるんじゃないよ」と言っているようなものだからだ。まるでお上が特別に国民に施してやってやると云わんばかり。しかも弱者に対する配慮も全く欠けている。

◆消費者への配慮は「申請する人だけを対象に、2%に相当すると思われる金額に上限を設けて、一人当たり年4000円~5000円程度の税金を、後日払い戻しましょう」と実にアバウトな方策でお茶を濁すらしい。何といい加減な税制ではないか。財務省の本音は賛成反対両論をゴチャゴチャにして、「複数税率の導入は小規模業者に負担がかかり過ぎる。やはり単純に税率10%一本で行くしかないでしょう」という腹なのだろう。

◆問題なのは、マイナンバーカードを利用させるため、携帯する煩雑さを強いること。そのための盗難・紛失・悪用のリスクを考えているのか、この制度を維持・管理するための新たな組織と設備費等のコスト増の問題が指摘されている。しかしそれ以上の問題は「軽減税率を適用するための線引きができないという政治家達の主導性の無さに在るのだ。事務的な煩雑さは、軽減税率が適用できないと云ういい訳にはならない。普通の商店であれば売上をレジに打ちこむ際、商品ごとの税率を予めバーコードに打ってあれば、PC等とリンクして一度で客ごと、店ごとの税額をはじき出すのは簡単だろう。レジが無いというのであれば簡易型のPCを廉価で配布すればよい。

◆欧州で出来て、何故日本でできないのか?欧州各国は標準税率を高く設定する代わりに、実に様々な軽減税率を適用し、定着している。その内容は各国様々で、何を重視しているのかその国の考え、姿勢が見てとれる。新聞によればEU加盟28カ国は軽減税率を適用してよい品目として、食品、水、薬品、人・物の輸送、書籍・新聞。雑誌、博物館や動物園、家のリフォーム、スポーツ観戦、スポーツ施設、葬儀、ゴミ収集、靴や洋服の修理、理容など21項目にも及び、中には芸術、放送などよく分からないものまである。

◆日本はまだ欧州に比べて標準税率が低いのだから、まだ税率は一本でよいと導入に消極的なのだろう。しかしいずれ15%になることは間違いない。その時には「生活必需品等の軽減税率導入」は強い世論となるだろう。そのためにも今から複数税率があってよい。今政治家達が決められないのは各種圧力があるからだろう。また日本の特徴として一つの意見があれば必ず相反する意見を持ち出し、議論がまとまらない。考え方が個々バラバラなのはよいが、最後は纏めようという互いの努力が足りない。結局国の価値観を何処に置くのか明確に定め、政治主導で線引きするしかない。

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