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2015年3月18日 (水)

国連の在り方を問う(後段)

◆日本は1995年12月、ドイツと共に「敵国条項」の削除を提出した。そして、その決議は採択されている。それをもって日本は「敵国条約は死文化している」としているが、実は20年経った今日においても、この決議採択の批准国は必要な数に達しておらず、条項自体は依然として効力を保ったままだと云うのだ。

◆「敵国条約」とは何か?国連憲章の第53条と第107条に規定されている条文であるが、京都大学名誉教授の中西輝政氏はその著「中国外交の大失敗」で、分かりやすく説明しているので、引用させて頂く。
「第二次世界大戦で連合国の敵国だった国が戦後、再び侵略政策に出たり、大戦によって確定した国際秩序の現状を破壊する行動をとったときには、国連加盟国は安保理の許可がなくとも、当該国(日独など旧敵国)への独自の軍事的制裁を加えられる。そして他のいかなる加盟国も、その軍事的制裁に関して制止することはできない」というもの。


◆これを読んだだけでは、「今の日本が侵略戦争などするはずが無いので、全く無縁ではないか」と思われがちだが、中西氏は「実はこれが盲点で、ここを中国が旨く利用し、敵国条項を、日米安保を無効化させる必殺兵器と考えている可能性が高いと云うのだ。例えば尖閣諸島に漁民や測量隊などを装った特殊部隊を上陸させる。当然日本は海保の巡視艇を出すが、中国は無視。そのうち衝突が起こり、警備のため後方に待機していた中国の軍艦が前面に出てくる。日本は直ちにアメリカに支援を要請するも、その間日本政府は防衛のため、海自に「海上警備行動」を発令する。

◆その途端、「待ってました」とばかり、次のような声明を発する。「中国は、国連憲章の定めを破り、再び侵略行動を開始した日本を制裁するため、国連憲章第53条に則り、対日軍事行動に突入する。」 では、アメリカはどうでるか?日米安保が存在するといっても、こんな小さな島での揉め事に、中国とドン・パチする気などサラサラないだろう。まして「国連憲章」という「錦の御旗」を掲げられれば、アメリカが生みの親だけに、介入すべきでないという世論が支配的になるだろう。そうなると日本人も日米安保に対する信頼を失くしてしまう。かくして中国の思惑通り、日米同盟を瓦解させるという筋書きが見えてくると云うのだ。

◆日本は、国際貢献のため「国連の安保理 常任理事国入り」を懸命に模索して運動するが、その前に「敵国条項」削除の批准国を一国でも増やす努力することが先決だという。この方がより現実的で確実だというのが中西氏の主張だ。
中国は今年になって、日米主体の「アジア開発銀行」に対抗して、中国主導の「アジア・インフラ投資銀行(AIIB)の設立を習近平が打ち出した。はじめは1強多弱のたいしたものではなかろうと思われたが、ここにきて経済的利益を重視する英国が参加を表明した途端、仏、独、伊も続いて表明。豪・韓も検討中だという。いずれ運営に当たり、独善的な中国と西欧民主主義のやり方が衝突して、内紛・離脱などが起こると思われるが、日米が孤立する形となった。実に中国のやりかたは巧妙で、長年権謀術数に明け暮れただけのことはある。日米を分裂させたあと何が待っているか?日本地図が中国と同じ色に塗り替えられるということだ。いまこそ、「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙無しや云々」と毅然とした態度で隋の皇帝に臨んだ聖徳太子のような人物の出現を望んでやまない。

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