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2015年1月16日 (金)

民意って何だろう?(3)

今回は「防衛と外交問題」を取り上げたい。

◆憲法9条に謳われている「日本は国際平和を誠実に求め、戦争は永久に放棄する」という崇高な目的に異を唱える日本国民はいないだろう。戦争の悲惨さ、愚かしさを身を持って体験しているからだ。日本は戦前の侵略戦争への痛切な反省に立って、戦後70年一度たりとも戦争することなく、平和を守ってきた。だが、9条の2項にある「その目的を達成するため陸海空その他の戦力は保持しない、交戦権は認めない」という規定が、長い間、民意が定まらない所以となってきたのも事実だ。

◆自衛隊が創設されてから「これは戦力ではないのか?」と云う疑問、「外国から攻められた場合、交戦権は認められていないのだから、応戦することは憲法違反ではないのか?」と云った素朴な疑問を言う人はさすがにいなくなったが、55年~70年頃までは真剣に議論された。現在では「憲法は自衛権までは否定していない、故に自衛のための戦力を保持することは憲法解釈上認められる」という理屈で、国民は一応納得する形となった。しかしその後の日本の防衛問題は、憲法上の曖昧な表現と現実の国際問題との狭間で揺れ動いていった。

◆大戦後の世界情勢は、旧社会党が主張したような「非武装中立」を許すような情勢ではなかった。永世中立を宣言するスイスは自国防衛のための軍備と徴兵制を採用していたにも拘わらず、左派勢力は憲法の理想論を掲げ、一部の識者や国民はそれを支持していった。米ソ軍事大国の冷戦構造の中で、日本を独立に導いていった吉田茂は日米基軸を明確にしつつも再軍備にも抵抗し、軽武装・経済重視を打ち出した。その後、岸信介は対等な日米関係を目指し、日米安保を改定するが、国民は軍国主義への回帰と解釈して反発、国を揺るがす60年安保闘争に繋がった。これが当時の民意だったが、その後の日本は日米安保体制の元で、経済成長に専念し、戦後わずか23年で世界第二位のGNP大国(当時はGDPではなかった)を誇るまでに成長した。

◆仮に当時の民意が正しかったとして、総結集して政府を倒し、日米安保を解消、憲法の規定通り軍備を持たず、紛争があれば国連任せとして、日本一国で安全を確保できたであろうか。アメリカに対峙する旧ソ連は好餌とばかり喰らいつき、その後、力をつけてきた中国が「おこぼれを」と食いついてきただろう。他国に頼らず、一国だけで日本の防衛を目指そうとするならば、戦前のように予算の半分を軍事費に投じなければならず、経済成長はおろか、周辺アジア諸国から軍国主義の復活だと総スカンを食らっただろう。(続く)

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