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2014年10月29日 (水)

正念場を迎える消費税増税

◆来年10月から消費税を8%から10%へ増税するかどうかの決断時期が年内に迫っている。税率を上げた場合のメリット、デメリット、上げない場合のメリット、デメリットについて各方面から様々の意見が出尽くされているようだ。しかし、国会はもとより、政府自民党の中でも意見が割れ、経済界、学者、エコノミストの間でも、慎重論、判断時期延長論、積極推進論、軽減税率導入論などが入り乱れ、問題の複雑さを表している。さらに海外からも日本の膨大な財政赤字に取り組む姿勢が問われており、動向が注目されている。

◆「待ったなしの社会保障費の膨張に伴う財源確保をどうするか」、「増税を延長すれば国際的にも信用を失うのではないか」、「8%に増税後の景気の落ち込みは深刻で、その上10%に増税すれば景気回復が遅れて経済成長どころではなくなる」など、経済専門家の間でも、意見は180度割れている。何故そうなるのか。それは経済理論は存在しても、経済は生き物であって、現況をどう見るか、ましてや将来予測をどう見るかは結局、学者・研究者個人の資質に帰するものであるからだ。つまり物理や数学のように誰が挑んでも同じような結論が出るものとは根本的に異なるのが経済だからだ。

◆日本では「足して2で割る」という考え方が昔からある。そこで「Yes or No」ではなく、低所得層が負担の重さを実感する食料品などは、10%引き上げと同時に軽減税率(例5%、または8%に据え置く等)を導入すれば、在る程度双方の立場や海外の見方を考慮した形になるのではなかろうか。ただ、日本ではこうした場合、どこで線引きするのかとか、事務処理が煩雑になり、小企業の事務負担が増えるなどの反対論が必ず起こる。しかし多くの欧州諸国が導入し、かつその税率は複雑だ。お隣韓国でも生活必需品の税負担を抑制している。よその国がやっているのに、日本だけ出来ない訳はないだろう。導入反対の言い訳に過ぎない。

◆政府は来月4日から18日までに五日間、集中点検会合を開き、7~9月期のGDP速報値も踏まえ、12月上旬にも決断を下すものと思われる。今回は見極めが極めて難しいようだ。国民は目先の消費税増税には反対しがちだ。しかし、待機児童の解消や医療保険財政の立て直しなど暮らしに直結する社会保障の低下にはこれまた、NOを唱える。増税するにしろ、先送りするにしろ、安倍総理の説明責任が重大だ。安倍さん、ハムレットではないが、To raise, or not to raise : that is the question. という心境だろうか。

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