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2014年10月15日 (水)

映画「ふしぎな岬の物語」を観て

吉永小百合さん企画・主演の映画「ふしぎな岬の物語」を鑑賞してきた。この映画は実際に千葉県房総半島の東京湾出口に面した金谷の明鐘岬の突端にある喫茶店「音楽と珈琲の店 」とその店の女主人がモチーフになっている。ここを題材にした森沢明夫の小説「虹の岬の喫茶店」を小百合さんの企画、「八日目の蝉」の成島出氏の監督で映画化したヒューマン・ドラマだ。
自然の湧水を汲みとり、コーヒー豆を自ら焙煎、心をこめて一杯のコーヒーを客に出す。彼女がいれるコーヒーを求めて、里の人達が集まり、のどかな日常が続いていたが、そんな常連さんとの間で織りなす悲喜こもごものエピソードが、時に大人のメルヘンであったり、ファンタジーであったり、ちょっぴりミステリアスであったりする。

この主人公のモデルとなった実在の女主人のことが、10月12日の読売新聞に大きく取上げられていた。8年前に火事ですべてを焼失したが、再出発を望むお客さんたちの後押しと協力で、1年足らずで再開にこぎつける。それも大きな構成要素として映画の中でも展開されていた。物語に登場するエピソードは映画館に譲るとして、自分が気にいった、いくつかのどうでもいいエピソードを取上げてみた。

独身で嫁が来ないことを売り物にしている春風亭昇太(花作農家の役)が結婚式を挙げる場面がある。昇太が作るお花畑を背景に晴天の下、村人総出で祝宴が繰り広げられる。その時、村の音楽好きの素人バンドが歌と演奏を披露する。C&W調の軽快な音楽の変え歌。どこか聞いた曲だと思ったら、なんと昔懐かしいキングストン・トリオが歌った「トム・ドゥリー」だ。しかも村の青年達の顔をみると「杉田二郎、堀内孝雄、ばんばひろふみ等々」青年というにはいささか齢を喰ってるが、素人にしては旨いはずだ。

村の祭で鯨祭の場面がある。大きな鯨の模型を作って御輿を担ぐように大勢の若者達が練り歩く。実際に地元にある祭らしいが、子供達もお揃いの法被を着て嬉々として参加。実に日本らしい風物詩だ。カナダで審査員特別賞を受賞したとのことだが、反捕鯨国が多い海外の人達が、鯨にこれだけ愛着も持っている日本人の姿を見て、どのように感じたのか関心のあるところである。

渋い脇役で数々の作品に登場した米倉斉加年が、年老いた人の良い田舎医者役で登場するが、この作品が完成した後8月26日に死去して、本作品が遺作になったという。映画には悪人は誰も出ない。侵入した泥棒にも「どろぼうさん」と呼んで、親身に相談相手になる。美味しいコーヒーを求めて人が集まってくるが、それ以上に人間の温かみを求めて、古い小さな岬の喫茶店に集まってくるんだね。こういうところを見ると、全国展開の機械的なコーヒーショップなどどうでもいい。こんな喫茶店なら是非行ってみたいと思うのだが、女主人が吉永小百合だったからかな?

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