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2014年5月28日 (水)

エネルギーのグリーン・パラドックス

◆先日放送されたNHKスペシャル「エネルギーの奔流」を見て、「グリーン・パラドックス」ということを初めて知った。ドイツでは原発ゼロを打ち出し、太陽光・風力発電等の再生可能エネルギーを増やして将来的に80%まで引き上げようとするエネルギー政策を推進している。ところが、再生可能エネルギーによる発電を増やそうとすればすればするほど、火力や原子力などによる発電量が増加するというのだ。 「ン?逆だろう」と思うのは、小泉さんや細川さんだけではないだろう。

◆その仕組みはこういうことらしい。太陽光発電や風力発電は結局電気代が高くつき、メーカーなどがコスト削減のため、電気料金が50%で済むチェコ等の周辺諸国に工場などを移転するケースが増えているというのだ。当然ながら電気料が安いということは石炭などの火力発電であったり、もしくは原発であったりする。

◆従って、再生可能エネルギーによる発電量を増やそうとすると、化石燃料の価格が下落し、貧しい国々は石炭などの化石燃料による発電量を増やそうとする。さらに資源に乏しい開発途上国は原発を建設し、急増する電力需要を賄おうとする。つまり1国だけグリーン化を目指し、CO2の排出を減らそうとしても、地球規模で見れば安いコストの火力発電に靡いていくことになり、CO2の排出削減にはならないというのだ。開発途上国にとっては「先進国はさんざん化石燃料を使って発電し、豊かな暮らしを築いておきながら、途上国には化石燃料の使用を規制するというのは勝手すぎる論理だ」という言い分はある。

◆ミュンヘン大学の教授のハンス・ベルナー・ジン教授はその著書「グリーン・パラドックスー幻想のない気候政策のための意見表明ー」で述べている。
「これまで、ドイツやEUを中心にして進められてきた気候政策は、例えばバイオ燃料の増産は、世界の食糧問題や地域の生態系問題につながり、風力発電施設はドイツ国内だけでも年間10万羽の野鳥を殺傷、19世紀の北ドイツの風景を台無しにするなどの環境問題を引き起こし、また大きなコスト負担を強いておきながら、CO2排出量を減らすどころか、排出を加速しているではないか。(略)我々が省エネすればするほど、また再生エネルギーを導入すればするほど、国際的な化石燃料価格は安くなり、中国やアメリカの化石燃料費用の増大を助長し、世界中で化石燃料が採掘・供給されるので、CO2は増えるのだ」と。やや極論すぎる面もないではないが、要はCO2の排出レベル低下そのものの方法論について述べているもので、現状肯定論ではない。


◆しかしながら、世界の現状をこれでよいとは誰も思っていないはずだ。アメリカでは排出するCO2を地中深く沈める「新石炭火力発電所」(コストは従来型の2倍)を開発した。日本も技術力に置いては負けない筈だ。さらに日本近海に眠る「メタン・ハイドレード」が言われて久しいが、最近は殆どその情報に接していない。どうなっているのだろう。朗報が待たれるところだ。

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コメント

 この番組は私も見ました。「あちら立てればこちらが立たず」 人間が考えることにはどこかで矛盾が生まれるもの、山高ければ谷深し、暮らしを見直すしかないのかもしれませんね。
私達が豊かさと便利さを、そしていろんな人が間違った富や権力や名誉を求めすぎるのです。膨張しすぎたものはいつか爆発して消滅する。人間もいつか滅びる運命にあるのでは?

膨張しすぎたものはいつか爆発して消滅する・・その通りですね。「人間も欲望の膨張はほどほどに、身の丈に合った暮らしを」というところでしょうか。

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