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2014年4月30日 (水)

4月も今日で終わり

朝から小雨が煙っている。新緑の季節に煙るような雨。外の海を見やっていると自然と口について出てくるのが「城ヶ島の雨」。城ヶ島は三浦半島の南端に浮かぶ島で、周囲約4km、面積約1㎢、神奈川県最大の自然島である。1960年に開通した城ヶ島大橋により三浦半島と陸続きになった。

北原白秋の詩に初めてメロディがつけられ、歌詞として発表されたのがこの「城ヶ島の雨」だった。この歌が芸術歌曲と大衆歌謡の中間をゆく抒情新歌謡の原点になったそうだ。大正2年に島村抱月や松井須磨子らの芸術活動は演劇だけでなく、音楽にも清新の気を入れようと「芸術座音楽会第1回演奏会」を企画し、当時三浦三崎に住んでいた北原白秋にも新曲の作詞を依頼した。白秋は人妻と恋愛問題を起こして、二週間ほど獄舎に繋がれ、その傷心の身を癒すため、大正2年から翌年の2月までこの三浦三崎で過ごした。白秋の生涯の中で最もどん底時代に5カ月かかってやっと書きあげた詩だったという。
この詩をみると、新緑の城ヶ島を背景に雨の中を船出する男を、港の女がやるせなく見送る情景を己と重ね合わせたかのように見事に歌いあげている。


  城ヶ島の雨』     北原白秋 作詞     梁田 貞 作曲
 
 雨はふるふる 城ヶ島の磯に   利休鼠の 雨がふる 
 雨は真珠か 夜明けの霧か    それとも私の 忍び泣き
 舟はゆくゆく 通り矢のはなを   濡れて帆あげた ぬしの舟
 ええ 舟は櫓でやる         櫓は唄でやる
 唄は船頭さんの  心意気
 雨はふるふる 日はうす曇る   舟はゆくゆく 帆がかすむ

詩にでてくる「利休鼠」は調べてみると抹茶色、即ち緑色を帯びた灰色のことで、江戸時代には抹茶色が茶道の祖千利休にちなんで「利休色」と呼ばれていたという説がある。「通り矢」は向ケ崎のすぐ先にある離れ岩との間の潮の流れの速い部分を指すが、今は埋め立てられて、地名として残っているだけとのこと。
曲調はゆったりしたマイナー調から、途中で「舟はゆくゆく~」、「唄は船頭さんの~」で明るい長調に転調しアップテンポになって、最後はもとのマイナー調で締めくくるというストーリー性を孕んでいる。また日本の昔からある民謡調も取り入れて見事にコラボしており、日本を代表する歌曲のひとつではなかろうか。

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