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2014年3月 2日 (日)

TPP交渉を考える(前半)

◆先月25日に閉幕したTPP交渉の閣僚会議は各国の思惑が交錯し、妥結に向けた道筋も描けず、交渉が長期化する見通しとなった。参加12カ国のうち米国が58%、日本が21%のGDPを占め、日米両国で8割に達する。アメリカは大国の横暴とも云える姿勢で、「関税の撤廃、知的財産権の保護強化、国有企業の優遇策撤廃」を強引に主張し、日本だけでなく、新興国とも溝を生じている。今回は関税撤廃の動きの中で、農産物と自動車に絞って考えてみたい。

◆日本は農産物5品目「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源(砂糖等)」を聖域として、アメリカの関税撤廃要求を撥ね除けている。ところが、アメリカは砂糖に、カナダは乳製品に反対などと国内生産者の保護を図っている。
日本が唯一輸入に頼らずとも自給できる農産物は「米」。これに高い関税をかけて実質輸入規制をかけ、防御している。この関税を撤廃したら、アメリカ産の安いコシヒカリが10kg1100~1200円、あきたこまちが900~1000円(国産のコメが10kg3000~4000円)だから、ドンドン流入して、日本のコメ農家が全滅するという与野党の農水族の言い分はよく理解できる。


◆また、仮にTPP交渉により、コメの関税が撤廃され、安いコメが大量に流入したとして、将来的にずーっと輸入を保証できるだろうか。今や世界的に異常気象が発生し、各地で農産物の不作が報じられている。さらなる世界的な不作が生じたら、まず供給を優先するのは自国の国民だ。いくらおカネがあっても日本が輸入できないとしたら? 小麦はパンを我慢すれば済むが、米が消えてしまっては国民の生存に関わる事態だ。自国で消費する食料「主食」を自国で賄えない状態にするということは、国家のライフラインを放棄するようなものだ。

◆また食料(穀物)は石油に取って代わって、安全保障上の武器にもなりえる。食料を安定的に確保し、余剰分を輸出に廻せる国は強い。また日本の水田は環境面でも保水のため、ダムのような役割を果たしている。農地は一度ダメになってしまえば、すぐには復活できない。国防のためにも、現状では関税をかけて、その生産を守る必要がある。酪農、畜産も一度縮小すると、すぐには育成・拡大できないので、関税を守ってでも(牛肉の関税は50%)同様に取り組まなければならない。(続く)

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