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2014年1月11日 (土)

京都洛中洛外図屏風のこと

◆NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」がスタートした。主演の「黒田官兵衛」役の岡田准一は映画「永遠の0」で主役を演じ、その演技に好感を持った。今回のドラマの時代背景は戦国時代となり、ガラリ環境が変わるが、今後の展開と活躍が期待できそうだ。
官兵衛は天正3年(1575)美濃岐阜城で織田信長に謁見した際、信長から「名刀圧切
(へしきり)長谷部」(山城の国、刀工長谷部国重の作で現在国宝に指定)を授かった。

◆信長が武将に贈ったもので現在国宝として残っているものに、上杉謙信に贈った有名な「洛中洛外図屏風」がある。洛中洛外図屏風は室町時代末期から安土桃山時代、江戸時代初期にかけて数多く製作されたが、現在重要文化財に指定されている6点の屏風も合わせて、7点を一同に集めた「黄金の洛中洛外図屏風展」が昨年秋、東京国立博物館で開かれた。信長が謙信に贈呈した屏風は永禄8年(1565)9月、狩野永徳によって描かれ、天正2年(1574)3月に贈られたもので、現在山形県米沢市上杉博物館に所属しており、上杉本と呼ばれている。

◆この他に展示された6点の洛中洛外図屏風(全て重文)は、・歴博甲本、・歴博乙本(ともに室町時代、16世紀作、千葉国立歴史博物館所属所属)、・舟木本(岩佐又兵衛作、江戸時代17世紀、東京国立博物館所属)、・福岡市博本(江戸時代、17世紀、福岡市博物館所属)、・勝興寺本(江戸時代、17世紀、富山勝興寺所属)、・池田本(江戸時代、17世紀、岡山林原美術館所属)の6点であるが、これらを鑑賞するには、それなりの日本絵画の約束事を理解した上で鑑賞すれば、400年を超えた時空を旅することができるというが、悲しいかな、その教養も素養も無い我が身とあっては、ただ単に表面的に見るだけだが、一見、皆似ているようで、よく見ればそれぞれ特徴があることは分かる。

◆都の賑わい、庶民の表情、まつりの模様など実に細かく描かれ、また名所、四季折々の景観や、京都御所、宮廷、貴族社会の様子、武家社会を描いた二条城の様子、竜安寺などの寺社、秀吉が建てた方向寺大仏殿、既に喪失した二条城天守などを描いた屏風もある。
共通して云えることは、斜め上から俯瞰した図であり、ヘリコプターで低空飛行でもしない限り、実際には見えない景観であることは確かなのだが、それを感じさせない不思議さがある。


◆そして何より以前から不思議に思っていたことだが、日本の錦絵や浮世絵の特徴として金色の雲が隙間を埋めるように描かれていることだ。京都市街と郊外の広範囲な場所が一つの画面に収まるように描かれているのは、場所と場所の空間を金雲によって縮めているからだという。雲は神が乗る道具であり、霊的な力を持っているので、時空を歪めることができるという発想からきているという。まさに西洋画には無い日本独自の手法といえるだろう。
Dscf0302 

2

洛中洛外図屏風・上杉本 六曲一双(上段:右隻、下段:左隻)


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