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2014年1月13日 (月)

光に時間はあるのか

◆大阪教育大学名誉教授で随筆家の梁瀬 健(たけし)さんは、母校長崎西高の10年上の大先輩で、現在奈良市在住、御齢80歳になられる著名な教養人だ。直接お目にかかったことは無いが、関西の同期生から梁瀬さんのことを知り、その著作を読むにつけ、おおいなる感銘を受けた。
◆東京教育大学(現筑波大学)理学部動物学科卒業で理学博士、専門は生物学だが、その著す内容は単に理系にとどまらず、身近な趣味の話から、骨董古美術の話、古典音楽・日本の近代音楽の話、紀行文、中国の古典に通じ、先人の話を引いた教育論や人生哲学など、実に幅広い分野に及ぶ。平成18年から月1回のペースで奈良新聞に「明風清音」のタイトルで、1回1200字ほどの随筆を寄稿されている。
◆氏の随筆集を拝読するにつけ、人生に対する造詣の深さと思索の程が伺い知れる。自分も本ブログで雑文を書いているが、比ぶべくも無く、恥ずかしい限り。梁瀬さんのような高度なレベルの随筆を書きたいものだが、若い時からの高度な教養の積み重ねと、深い思索がなければ、書けるものではないと痛感。これから時折、弊ブログでその一部を紹介していきたい。
◆まず、第一話は「光に時間はあるのか」という難解な話。

Photoアインシュタインの理論によれば、物体は速度があがれば、その物体の時間の流れは遅くなるという。実生活においては車のカーナビは、この理論を応用しているという。カーナビは人工衛星からの信号を受けて車の位置を決めているが、GPS衛星は高速で運動しているので、時間の流れが遅くなっている。この時間の遅れを補正してあるため、車の位置はピタリと決まる。補正がなければ、車の位置は1日で11kmもずれてしまうそうだ。

◆光には質量というものがない。光の速度(秒速30万km)に近づけば時間は遅くなり、遂には時間が無くなってしまう。ということは、例えば「今、私達が見ているアンドロメダ銀河はおよそ240万年前のアンドロメダ銀河である」とよく言われるが、果たして本当にそうかと疑問を呈する。アンドロメダ銀河は直径22~26万光年ほどの渦巻き銀河である。(因みに我々の天の川銀河は直径8~10万光年) 私達に近い方の部分から来る光と遠い部分からくる光には少なくとも10万年以上の時間差がある。つまりアンドロメダ銀河全体を同時刻に見ているのではないという事になる。
◆しかし、アンドロメダ銀河は斜めから見ても美しい渦巻銀河である。私達は夜空を仰いで過去の宇宙の異なった時間をまとめて見ているのである。アインシュタインの理論は絶対空間や絶対時間はないことを示している。「以上はあくまでも私の妄想である」と結んであるが、この稿を読み、発想の視点が違うんだなと目から鱗が落ちた想いがした。
(奈良新聞2012年11月7日、梁瀬健氏のコラム「明風清音」光に時間はあるのかを参照)

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