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2013年12月20日 (金)

中国の月着陸について(後)

◆旧ソ連はルナ計画で3回、アメリカはアポロ計画で6回、月の石のサンプルを持ち帰った。当然あらゆる角度から分析研究されているはずだ。今回中国の月探査の目的のひとつに月の資源の活用、中でも地球にはほとんど無く、月には豊富に存在すると見られるヘリウム3の採取にあるといわれる。
ヘリウム3核融合発電(いわゆる人工太陽)の燃料として利用され、安全で環境にやさしいと期待されている。アメリカの核融合技術研究所は、バスケットボール大の核融合装置内でヘリウム3による小規模な核融合反応を起こす実験に成功しているという。その電力は1ミリワットの電力を継続的に産み出せる程度。実用化して商業ベースに乗せるには50年以上かかると云われている。


◆ある説によると、ヘリウム3が1gで、石油8トンのエネルギーに相当するといい、ある専門家によっては、月の土の中に数百万トンのヘリウム3があると推測している。また、スペースシャトル1機に積載可能な分量のヘリウム3を持ち帰って核融合発電を行えば、米国全土に1年間の電力を供給できるという説もある。しかし、アメリカもロシアも真剣に月のヘリウム3を採掘して、核融合発電に利用しようという姿勢はあまり見られない。それはコストが安い、石油、天然ガス、シェールガスなどがまだ豊富にあるからだ。それらの資源の枯渇が見え始めた時、真剣に考えるようになるだろう。

◆月面に多く含まれるとされるヘリウム3の採掘に関しては、採算性を疑問視する声もある。ある専門家は月でヘリウム3を採掘しても、「正味のエネルギー収支」を考えると引き合わないと指摘する。採掘するにはヘリウム3から得られる以上のエネルギーが必要で、見返りを期待できないというのだ。採掘設備を月に運び、ヘリウム3を処理して地球に持ち帰るだけで数十億ドルのロケット燃料が必要になるという。即ち得られる電力よりそれを得るためのエネルギーの方が大きいと云うのだ。

◆アメリカもロシアもある程度そのことは分かっているのではないだろうか。しかし今回の中国の月探査着陸成功が月の資源獲得に野心的な姿勢を示す事に対して、危機感を持ったことは確かだろう。すでにNASAは2024年までに月面に恒久基地を建設し、本格的な火星探査の道を開くことを目的にしているが、今回の中国の月着陸探査に刺激を受け、より一層拍車がかかることは間違いない。しかもこうした計画はアメリカだけではない。中国、インド、欧州宇宙機関(ESA)、それにロシアの民間企業(Energia社)などが、2020年以降に有人の月面基地を建設する構想を持っている。

◆これらがすべて構想通り実現するとは思えない。国際宇宙ステーションでさえ、一国で建設し、維持していくことは困難で、国際協調体制をとった。ましてや月面基地構想となると過去のプロジェクトの比ではない。それよりも中国が12年後にはたして今の共産党一党独裁体制を維持しているだろうか?環境破壊で危惧される国民の健康問題、少子政策に伴う高齢化問題、格差社会に苦しむ多数の民衆、言論の自由や人権問題を希求する若者達、追いかける開発途上国との経済戦争、こうした山積する国内矛盾はどうなっているだろうか。こうした様々な問題をそのままに、莫大な月面基地建設費の捻出が可能だろうか。それとも月面上に各国に向けて核装備したミサイルを配置して、恫喝を繰り返し、金を脅し取ろうとする算段か。(終)

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