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2013年12月19日 (木)

中国の月着陸について(前)

◆今月14日、中国が月探査機「じょうが3号」を月面に軟着陸させ、月面探査車が切り離されて探査を開始した。米・ソ(ロシア)に遅れること40数年、世界で3番目に月面着陸を成功させた国となった。このことはどういう意味を持つものか。
1960年代初頭から70年代半ばにかけて米・ソによる宇宙開発競争が激化した。特に月への一番乗りを目指して、アメリカは国家の威信をかけて取り組み、1969年7月アポロ11号によって初めて人類が月面に立つという偉業を成し遂げた。このとき誰もが仕事をほっぽらかしてTV画面に釘付けになった。これまで最後に月面を歩いたのは1972年12月、アポロ17号の2人であり、以後41年間、人類は月面に降り立っていない。


◆当時の米・ソの宇宙開発競争の目的は①国威発揚の競争、②開発した技術の軍事利用、③月の探査による資源の利用獲得などにあった。1960年代半ばから1970年代半ばにかけて米・ソで65回の月面着陸が行われた。特に1971年は1年間で10回も行われたが、1976年のソ連のルナ24号を最後に突然止まってしまった。それ以降、単独での巨大プロジェクトは後退し、国際協調路線が進んで、国際宇宙ステーション(ISS)が実施された。この計画は宇宙の平和利用が目的で、15か国が参加し、2020年まで継続延長が決められた。中国はこのISSには参加していない。

◆今回の月着陸の目的はまさに40数年前の米ソ間の三つの目的を踏襲するばかりか、特に月の資源の獲得に覇権的な「権益」を国際社会に最大限にアピールすることが狙いと云われる。今後の計画では2017年に月面サンプルを回収し、2025年前後に有人宇宙船による月面着陸を目指していると云う。

◆日本の月探査は1990年探査機「ひてん」が月の軌道に到達。世界で3番目の月軌道到達国となった。2007年に月周回衛星「かぐや」が月軌道から1年8ヵ月に亘って観測を続け、鮮明な画像を送ってきたことは記憶に新しい。しかしそれ以降、宇宙開発に於いては小惑星探査機「はやぶさ」の偉業はあるものの、国の方針は定まらず、中国の後塵を拝することになってしまった。

◆今回の中国の成功は中国の宇宙開発のスピードと高度な国産の技術開発を示すもので、国内の環境問題や貧富の格差を考慮すると、驚きを禁じ得ない。後追いであること、先進諸国に大量の技術研究者を送りこみ人材を育成していること、それら3万~5万とも云われる人材が宇宙開発とそれと表裏一体の関係にある軍事技術開発に従事しているという。即ち、軍事優先の一党独裁の下、金に糸目をつけぬ研究開発があればこそ出来るワザであろう。米ソも長い歴史の中で失敗もあり、尊い人命が失われたことも何度か伝えられた。ところが中国から届く報道は成功のニュースばかり。情報統制の裏に負の遺産があることは容易に推測がつく。アメリカとソ連(ロシア)が月探査から手を引いて久しい。宇宙開発の巨額な費用に、今後はまず第一に費用対効果を考えるようになった。ところが今回中国はそこの隙を衝いたということか。(続く)

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