« 文化の香りに浸る | トップページ | 大船歴史探索(前) »

2013年11月28日 (木)

秋の詩(うた)・・・2

北海道や東北の日本海側から、早くも大雪の情報が届いた。また西日本各地では初雪が観測されたとニュースが伝えている。関東地方も今週末辺りが紅葉の最後の見ごろになるらしい。いよいよ晩秋から初冬へ季節は移ろいでいく。

 『落 葉 松』 (からまつ)      北原 白秋

一  からまつの林を過ぎて、 からまつをしみじみと見き。
     からまつはさびしかりけり。  たびゆくはさびしかりけり。

二  からまつの林を出でて、 からまつの林に入りぬ。
     からまつの林に入りて、 また細く道はつづけり。

三  からまつの林の奥も   わが通る道はありけり。
     霧雨のかかる道なり。  山風のかよふ道なり。

四  からまつの林の道は  われのみか、ひともかよひぬ。 
     ほそぼそと通ふ道なり。  さびさびといそぐ道なり。

五  からまつの林を過ぎて、 ゆゑしらず歩みひそめつ。
     からまつはさびしかりけり、からまつとささやきにけり。

六  からまつの林を出でて、  浅間嶺にけぶり立つ見つ。

     浅間嶺にけぶり立つ見つ。  からまつのまたそのうへに。

七  からまつの林の雨は  さびしけどいよよしづけし。
     かんこ鳥鳴けるのみなる。 からまつの濡るるのみなる。

八  世の中よ、あはれなりけり。  常なけどうれしかりけり。
     山川に山がはの音、   からまつにからまつのかぜ。


若かりし頃、信州の落葉松林を歩いたことがある。林を横切る風の音と落葉松の匂いを肌で感じた。 その時は、残念ながらこのような名詩の片鱗も思い浮かばなかった。一番、六番、八番が特に好きである。


 

 

« 文化の香りに浸る | トップページ | 大船歴史探索(前) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1299847/54081374

この記事へのトラックバック一覧です: 秋の詩(うた)・・・2:

« 文化の香りに浸る | トップページ | 大船歴史探索(前) »

2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ