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2013年8月 5日 (月)

映画「終戦のエンペラー」を観て

◆終戦の時期に合せて公開されている米映画「終戦のエンペラー」を観てきた。
昭和20年8月6日に広島、9日長崎に人類史上初めて原爆が投下された。8月14日の御前会議で、天皇の英断により、ポツダム宣言の受諾が決定される。天皇は戦争終結の詔書を録音し、翌8月15日に玉音放送が全国に流された。8月28日に連合国軍先遣隊が厚木に到着。総司令部(GHQ)を皇居前の第一生命ビルに設置する。そして30日、マッカーサー最高司令官がサングラスを架け、コーンパイプを咥えながら、先遣隊が迎える中、悠然と厚木基地に降り立つ有名なシーンを迎えることになる。


◆この辺りの歴史的事実は書物や史料などでつぶさに伝えられているところだが、ビジュアル化したものはあまり見られない。厚木基地からGHQ本部に向かう焼け野原の沿道、その中で、掘立小屋に暮らす庶民の悲惨な生活、これらが実にリアルに再現されている。このマッカーサー役を、缶コーヒー「ボス」のCMで宇宙人役に扮する「トミー・リー・ジョーンズ」が演じ、日本文化に精通している部下フェラーズ准将を「マシュー・フォックス」が演じている。マッカーサーはフェラーズに太平洋戦争の真の責任者を探しだすという極秘任務を下す。

◆マッカーサーは9/11日、東条元首相ら戦争犯罪人39人の逮捕を命令。わずか10日間という期限の中、懸命な調査でこの戦争に関わる事実を暴きだしていく。アメリカ政府や世論は天皇の戦争責任を追及して、処刑すべきだという風潮が高まる中、天皇に戦争責任があったのか、なかったのか、処刑された場合に日本の統治にどのような影響を与えるのか。知日派のフェラーズ准将は周囲の冷たい視線の中、制約された短い期間の中で、東条(火野)、近衛(中村)、木戸(伊武)、関屋(夏八木)ら容疑者、関係者から聴取を行い、開戦に至る隠された真実と終戦における天皇の役割に迫っていくが、天皇が戦争に関与していないという証拠を得ることができない。元々天皇に対する考え方が根本的に違う欧米と日本では、どうしても壁に突き当たってしまうのだ。

◆天皇への戦犯容疑を晴らしたいフェラーズだが、具体的証拠が無いまま最終調査報告書をマッカーサーに提出する。やがて調査書を読んだマカーサーは、天皇の人物像を見定めようと、フェラーズに天皇との面会を設定するよう命じる。そこで懸命に根回しして、9月27日遂に天皇がマッカーサーを訪問するという場面が実現する。天皇は全責任は自分にあると主張するが、マッカーサーは「私の使命は日本の復興だ、そのために力を貸して欲しい」と説得する。日本の敗戦処理にマッカーサーとフェラーズが任務に当たったと云う事は、日本にとってある意味幸運だった。もし別の司令官だったら、日本の国の形はどうなっていただろうか。

◆この映画はアメリカ製だが、日本の有名俳優も多数出演し、日米両方の視点から公平な立場で史実に忠実に描いているように思う。主要な撮影は2012年1月よりニュージーランドで開始されたそうで、日本では映画としては初めて皇居敷地内で撮影が行われたとのこと。終戦記念日を迎えるにあたり、大変有意義な映画だった。

 

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映画「終戦のエンペラー」★★★☆ マシュー・フォックス、トミー・リー・ジョーンズ 西田敏行、初音映莉子、桃井かおり 伊武雅刀、羽田昌義、火野正平 中村雅俊、夏八木勲出演 ピーター・ウェーバー監督、 107分、2013年7月27日より全国公開 2013.アメリカ、松竹 (原題/原作:陛下をお救いなさいまし 河井道とボナー・フェラーズ/岡本嗣郎著 ) 人気ブログランキングへ">>→  ★映... [続きを読む]

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