« いつまで続くこの猛暑 | トップページ | えれんな ごっそ »

2013年8月20日 (火)

映画 少年「H」を観賞

「少年H」は言うまでもなく、舞台美術家でエッセイストの妹尾河童氏の自伝的長編小説。1997年に出版され上下合わせて340万部を突破、ベストセラーとなった作品だ。1999年と2001年フジテレビで2回に亘ってドラマ化されたが、その時は見逃した。過去4度も映画化の話があったそうだが、いずれも断り続けたと云う。
このほど、「鉄道員ポッポヤ」や、昨年の話題作「あなたへ」の監督をした降旗康男氏によってようやく実現。終戦の月に合せた話題作の公開でもあったので、観賞してきた。


昭和初期の神戸。名前のイニシャルから「H」と呼ばれる少年・肇は好奇心と正義感が強く、厳しい軍事統制下で誰もが口をつぐむ中でも、おかしなことには疑問をぶつけていく。太平洋戦争に突入していく暗い時代の波に翻弄されながらも、勇気や信念を貫いて生きた家族4人の激動の20年間を描いている。

小学校に上がったのが昭和25年だった自分にとって、戦時下の庶民の生活、学校教育、空襲などの話は両親から聞き、長じて映画・ドラマなどで知っているつもりでいたが、この映画は両親の話が、そのまま画像化されて登場してくるので、実感として感じられた。
異国情緒あふれる神戸の街が戦争によって荒廃する中、自分の眼で見て、自分の頭で考えて、自分の言葉で語ることの大切さを教えるリベラルな父と、どんな苦境の中でも博愛精神に溢れ、夫を信じ、子供を慈しむ母親。その両親の元で、強くたくましく育っていく少年Hの姿が描かれている。敗戦が決まり、世の中の変化、変わりゆく人々の姿を見て「この戦争はいったい何だったのか」と叫ぶ少年Hが印象的だ。やがて15歳になったHは独り立ちを決意する。


「少年H」の両親役は実生活でも夫婦の水谷豊と伊藤蘭が映画初共演を果たした。完成した作品を見た妹尾さんは「本当に素晴らしかった。原作者冥利に尽きる」と作品の出来を喜んだと云う。また作品に登場する妹で、今年81歳になる実の妹、好子さんは、夫婦役を演じた水谷さんと伊藤さんの試写を見て「お父ちゃんとお母ちゃんに会えた!話し方も一緒やった!」と絶賛したから、本物だと思うとも述べている。

いずれにしろ「戦争の悲惨さ、理不尽さ」を実体験した人が次第に少なくなっている現在、その後に続く我々の世代が、引き継いでいかなければならないことと痛感させられる昨今である。

« いつまで続くこの猛暑 | トップページ | えれんな ごっそ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

本当にそう思います。
戦争でうむものは何もありません。
人間、言葉があるんだから、
なんでも話し合って解決出来るように
力をつくしましょう!!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1299847/52958076

この記事へのトラックバック一覧です: 映画 少年「H」を観賞:

» 映画「少年H」その時「NO」と言えるのか [soramove]
映画「少年H」★★★☆ 水谷豊、伊藤蘭、吉岡竜輝 、花田優里音、 小栗旬、原田泰造、佐々木蔵之介出演 降旗康男監督、 122分、2013年8月10日より全国順次公開 2012,日本,東宝 (原題/原作:少年H/ 妹尾河童) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 初登場7位→6位→8位 そして圏外と少し淋しいチャート 「妹尾河童の自伝的... [続きを読む]

« いつまで続くこの猛暑 | トップページ | えれんな ごっそ »

2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ