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2013年7月11日 (木)

プロ野球統一球問題に思うこと

◆いささか旧聞に属するが、「プロ野球の統一球問題」が表面化して、コミッショナーが辞任するとかしないとか、第三者委員会を設置して調査するとか、大変な騒ぎになっている。確かに、統一球の反発力係数を一昨年、昨年より緩やかにしたことが、本塁打増に繋がったようだ。2010年からの全試合を対象にして、一試合当たりの本塁打数の変化を見ると、2010年(0.93本)、2011年(0.54本)、2012年(0.51本)、今年現在まで(0.65本)と、明らかに今年になって増えている。統一球を導入した2011年と2012年は反発係数が基準許容範囲より下回る飛ばないボールを採用していたことが判明した。今年、正常値に戻したことが問題化した訳だ。要はそのことを普通に公表していれば、何でもないことなのにそれを怠ったがための騒ぎだった。

◆しかし、このことがコミッショナーの辞任とか、第三者委員会による調査に発展することに奇異な感を持ってしまう。もともとプロ野球と云うスポーツは「厳格な処」と「いい加減な処」、言いかえれば「適当でアバウト」な面を併せ持っているスポーツと云える。厳格な点は審判の絶大な権限。例えばストライクかボールか、セーフかアウトか、フェアかファールかなどの判定で、一度ジャッジした判断は例え誤審であっても、覆ることはまずない。

◆さらに、ボールの質やバットの質についても、その時々の情勢に応じて変化してきたものの、それには厳格さを求める。ところが野球場の広さ、ファールグラウンドの広さに就いては各球場マチマチで、ホームランが出やすい球場、出にくい球場があり、さらに屋内球場と風に影響されやすい屋外球場があって、同じ飛距離の打球であっても、ホームランにもなり、球場が違えば外野フライでアウトになることもある。厳密さを求める一方、このいい加減さを統一しようという動きはない。つまりこのいい加減さが、野球と云うスポーツなのだ。

◆もっともおかしな例は、選手の動きをより近くで見せようと、ファールグランドに特設観客席を造ってしまったことだ。大リーグの例を模倣し、営業収入の増を図って設置されたものだろうが、去年までファールフライでアウトになったものが、ただのファールになってしまう。選手にしてみれば攻守ともに影響が大きいだろう。こういう大きな変化があっても、今までの記録が無効になることはない。

◆プロ野球機構の実質的な最高決議機関は「12球団のオーナー会議」であって、コミッショナーは名誉職みたいなお飾りでしかない。しかし責任だけは取らされる。彼らの最大の関心事は営業収益の拡大だ。そのためには野球観戦を面白くして、観客数のUPを図ることに腐心する。飛ばないボールでホームランが少なくなれば、多少基準を緩くして本塁打を多くする。しかし、ノーヒットノーランや完封試合もあるし、要は選手の力量だ。同じ球を使うのだから、どこが有利とか不利とかはない。

◆プロ野球のよいところは、どんな条件下であっても、記録の継続性、累積性を重視して残していること。歴代本塁打ランキングは単純に多い数順に並べて、その時のボールの反発係数とか、球場の広さとかは度外視される。それでよいのだ。記録は単純明快な方がよい。野球の本質がある意味「いい加減な処」にあると思われるからだ。

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