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2013年4月11日 (木)

歳 月 (2)

◆父の実家は筑後平野のやや南、柳川、大川などが近い田園のど真ん中にあった。鹿児島本線の船小屋駅から歩いて30分ほど。坂の街長崎からくると、広い平野、遠くの山並み、一面の田んぼ・・まるで世界が変わって見えた。地図で見ると海(有明海)まで15km足らずなのに、当時海を見たという子供達は殆どいなかった。また新鮮な海の魚は手に入らず、行商の干物などを買うしかなかった。それほど交通が発達していなかったのだ。

◆さて、馬の話に戻ると、その農耕馬を世話するのも当時大学生だった一番下の叔父だった。カイバを作り、馬小屋の掃除など。鋤を曳かせ耕作したあとは、馬に乗って小さな川に行き全身を洗っていた。一度その叔父に一緒に乗せてもらったが、馬は「異なものが乗っている」と分かるのか、しきりに首を後ろに回し振り返ろうとする。楽しいどころではなかった。叔父は時に角帽を被ったまま馬に乗っていたことがあった。美空ひばり主演の映画の中の鶴田浩二のようで格好良かった。

田舎の四季(春)
春休み、レンゲの花が辺り一面に咲いて、農作業も始まりだしていた。子供達はまさに「山紫水明」という言葉がぴったりの小川で鮒や泥鰌を釣った。面白いほど釣れた。矢部川(昨年大雨で氾濫したことで有名)の土手で、一家総出の花見を楽しんだ。船小屋温泉という素朴な鉱泉の湯に立ち寄った。

田舎の四季(夏)
稲穂が伸び、稲の花の匂いが漂う頃、小川の周辺に源氏ボタルが飛び交った。幽玄の蛍ではない。まるで花火の光跡を見るように、ものすごい数の蛍が光の軌跡を描き、周りを明るくしているのだ。こんな光景に出合ったのは後にも先にもない。夏休みには灌漑用の流れにできた自然のプールのような綺麗な水の池で泳いで遊んだ。夕食が終り、縁台に出て夕涼み。長崎から持ってきたロケット花火を打上げると、それが合図であるかのように、近所の子供達まで集まった。暫し、色々な花火で楽しんだ。(続く)


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