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2013年2月20日 (水)

オリンピック競技種目の不可解(1)

◆レスリングが2020年のオリンピック競技種目から外される見込みだということで、世界中大騒ぎとなった。ついにはプーチン大統領がIOCに乗りこむとか、イランで行われる国際レスリング大会で、犬猿の仲のアメリカ、イランが手を結ぶとか、大変な騒ぎになっている。メダルの期待が大きい日本レスリング界も「寝耳の水」と大騒ぎだ。

◆もともとオリンピックは国連の一機関でもなければ、法的な根拠は何もない。ただ、2009年に国連総会オブザーバーの資格を取得した。IOCは非政府の非営利団体であることが建前だが、その権力たるや凄まじいものがある。言うまでもなく4年ごと(冬季を入れると2年ごと)に開催される各大会の組織委員会の親玉の組織であり、五輪の商標権、著作権、その他関連の知的財産権を国際的に保有する唯一の団体だからだ。

◆非営利団体といいつつ、巨額な運営資金は主に放送権料と協力スポンサーからの収入によっている。傘下の各国オリンピック委員会(=NOC、日本の場合はJOC)は様々な動機で五輪開催に名乗りを上げ、誘致合戦を繰り広げる。開催都市決定はIOC委員(定数115名)の投票によって決定されるが、過去に委員の買収、過度な接待などスキャンダルが絶えなかった。

◆その一因は、IOCは国際的に法的根拠もない一団体に過ぎないからであり、委員は王侯貴族、スポーツ貴族、新興国政治家などで構成され、先代サマランチ会長の20年に亘る長期政権の中で、巨大化、商業化してしまった。その功罪相半ばする中、現在の第8代ジャック・ロゲ会長(ベルギーの伯爵)が2001年に就任し、公正な選定プロセスを運用しようとするが、まだ内部に様々な課題を抱えており、今回のレスリングの正式種目からの除外案もそのひとつに過ぎない。種目の決定に当たっては15名の理事会に任されているものの果たしてそれでいいのか、問題はないのだろうか。(続く)

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