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2012年9月24日 (月)

映画「天地明察」

◆宇宙や天体、星空のことが好きである。といっても実際の星空を見て、どれが何座かと言えるものはいくつもない。ただ宇宙や天体に関する番組や情報を見ることが好きなだけである。古来、人は星や月や太陽の動きを観察し、その規則性を見つけ、暦を創り出してきた。

◆江戸時代初期、日本は平安時代の862年に唐からもたらされた宣命歴を用いていた。しかも暦の発行は陰陽道や易学との関わりで朝廷の独占する処となり、謂わば大きな既得権益を握っていた訳である。ところが時の経過とともに暦にズレが生じ、別の暦(授時歴等)も利用されるようになって、不一致がでてきて、社会活動に於いて不都合が生じることも出てきた。日食・月食等の予報も当たらなくなってきた。

◆主人公の安井算哲(後の渋川春海)は幕府の囲碁指南役の2代目で、天体の観察や和算に趣味を持ち、和算の算聖と崇められた関孝和らと交流して次第に力を蓄えていく。後にその実力が認められて、当時最も精度が高いとされた授時歴を改歴すべく、主筋である会津藩主の保科正之や水戸光圀から、より正確な新しい暦の作成を命じられる。そのためには日本各地で正確な緯度を観測する必要があり、観測チームを編成して、1年半かけて観測データを収集する。(なお、史実として安井算哲と水戸光圀が関わりがあったかどうかは定かではない)

◆幾度かの失敗を繰り返しながら、地球儀の模型を作っている時に、その原因に突き当たる。しかし当時、天体望遠鏡もパソコンもない時代、日時計を使って、1日、1年の太陽の軌道の観測、月の満ち欠けの観測、定規とコンパスと分度器とソロバンを使って、それらのデータから太陽や月の軌道を計算し、暦を作っていくという気の遠くなるような作業に取り掛かる。その暦が正確かどうかは実に日食や月食を正確に予測できるかどうかにかかっていた。

◆安井算哲が編み出した新しい暦を水戸光圀が「大和暦」と命名する。しかし朝廷は自分達の面子もあり、なかなか採用しない。そこで算哲は最後の賭けに出る。朝廷のある京都の市中で大衆を前に、この大和暦によれば明日日食が起こるとPRする。当たらなければ腹を切ると云う覚悟で。さて結果は・・・・。

◆この映画を観て、現代人の我々は、専門家は別にして日食や月食の予測を立てられる人は果たして何人いるか(その必要は無いと云ってしまえばそれまでだが)。また、当時の人達は高度な数学の問題をお互い出し合い、ゲーム感覚で楽しんでいたこと。そうした中で関孝和は世界で最も早い時期に和算が高等数学として発展する基礎を築き、微分積分法や円周率を小数点以下、16位まで算出して、暦の作成に大きく寄与したことなど、改めて日本の先人達の努力と能力に敬服させられた映画でもあった。

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「天地明察」★★★★ 岡田准一、宮崎あおい、佐藤隆太、市川亀治郎、 笹野高史、岸部一徳、渡辺大、白井晃、横山裕、 市川染五郎、中井貴一、松本幸四郎出演 滝田洋二郎監督、 141分、2012年9月15日(公開) 2011,日本,角川映画、松竹 (原題/原作:天地明察 ) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 初登場4位、2週目で3位という... [続きを読む]

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