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2012年4月28日 (土)

国家の品格(2)

◆こうして見てくると、科学の研究に偉大な貢献をした人に贈られるノーベル
賞が西欧人に多い訳が分かります。知的好奇心の探究という長い歴史の蓄
積があるからであり、日本も戦後湯川博士以来やっと純粋な科学研究の地
道な積み重ねが世界に認めらてきたからでしょう。ところが、世界第二の経
済大国となった中国は、まだ一人もノーベル科学賞の受賞者を出していな
いのです。


◆先日NHKの「クローズアップ現代」で漢方薬と漢方医学の現状の問題点を
取上げていました。日本には漢方薬は古くから入り、近年では漢方薬の成分
を化学的に分析し、独自の発展をして西洋医学と融合させているそうです。
欧米諸国にも漢方は見直され、普及しているといいます。その結果漢方薬の
原料となる生薬の価格が高騰し、不足しはじめました。これに目をつけた中
国は「漢方薬と漢方医学は中国発祥のものだ」として世界標準を作り、それ
に違反するものは排除しようと画策しているというのです。


◆長年の経験則から積み上げた独自の漢方医学と漢方薬は中国4千年の
歴史でしょうが、どの成分が何故効くのか科学的分析に基づくものではありま
せんでした。もし中国の戦略が世界水準になったら日本の独自の漢方はどう
なるのか、関係者は不安は拭えないと言います。これを見ても中国は「国家
の品格」を云々する以前の問題でしょう。


◆7年前、数学者の藤腹正彦氏が著した「国家の品格」という本がベストセラ
ーになりました。その内容を抜粋すると「資本主義の勝利は幻想/情緒の文
明を誇れ/英語より国語と漢字/卑怯を憎む心/惻隠の情の大切さ/武士道
精神の復興を/古典を読め/家族愛、郷土愛、祖国愛、人類愛/重要なのは
「文学」と「芸術」と「数学」/真のエリートを求める」等々、大変感銘を受けた
書物でした。


◆今回山崎正和さんが、違った角度から「国家の品格」を問いかけました。
純粋な科学、文化としての科学の振興を、国として支え育てる事、これが国
家の品格であると考え直す時期が来ているのではないか。科学に不可欠な
のは想像力なのであって、その基盤となるのは数学と言語能力だという。
こうした人材を育てる教育振興策を国を挙げて進めていく必要があると氏は
提言しています。(本稿終わり)

Photo  
「小田原下曽我・瑞雲寺の桜」 (二宮 T・Uさん

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コメント

 先日菩提寺の和尚さんと日本の現状に関して話しをしました。まず、
 ①日本語の乱れ。最近はNHKのアナウンサーでさえ首をかしげるような言葉遣いをする人が居る。
大正・昭和初期の人は、家族間でもきちんとした敬語・丁寧語を使用していた。
 ②漢字の使い方の乱れ
漢字には深い意味がある。略したり、当て字をしたり(特に人の名前)使い方が乱雑だ。
昔の大学生の手紙は素晴らしい(特攻隊の手紙や遺書)。
漢文を勉強するべきだ。
 ③長い目で見ること
目前の利益と自己の利益のみで全てが動いている。
今のままで生活すれば、将来の人間は生きる統べがなくなる。
*レアアースを求めて宇宙開発をするという話がTVで流れたのをご覧になりませんでしたか?
 地球を掘りつくし、宇宙にまで手を伸ばし始めた人間の欲望に鳥肌立つほどの空恐ろしさを感じます。
 そこまでしないと人間は生きられないのでしょうか? 逆に漠然とですが、人間の滅亡を予感します。
私は不便と不自由さを選びます。

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