« 新年雑感 | トップページ | 日本の敗戦と政治の劣化 »

2012年1月 5日 (木)

映画「山本五十六」

◆話題の映画「聯合艦隊司令長官山本五十六」を観てきた。昭和43年に同名の
タイトルの映画が東宝・三船敏郎主演で製作されたことがあった。今回は半藤
一利氏の原作・監修のもと主演役所広司で東映が映画化したもの。


◆戦争に至る背景、推移はさて置き、山本五十六のリーダーとしての資質、合理
的な物の考え方、緻密かつ大胆な戦略家であった反面、部下を思い、部下に慕
われる、まさに将として卓越した器の持ち主であったことと合わせて、家族を思い、
弱者をいたわる人間性豊かな情の人であったこと等が細かく描かれていた。


◆海軍次官だった山本はもともと日米開戦反対派であったが、日本を取り巻く厳
しい国際情勢のもと、戦争推進派が大勢を占める陸軍の圧力もあり、「戦争はや
ってみなくては分からない」と豪語する凡そ責任ある軍の首脳の言葉とは思えない
海軍軍令部総長もいる。またそれらを煽るように駆り立てるマスコミの動きもあっ
て、山本らの努力も空しく、国民全体が戦争に突き進んでいった。


◆結局、日米開戦に追い込まれた山本は軍人として、初戦の段階で米海軍の戦
力を大きく叩き、講和に持っていくという戦略を立て、真珠湾攻撃に打って出る。
結果、国民世論は「勝った、勝った」と浮かれるが、山本らは敵空母4艦を捉える
ことができなかったと臍を噛む。


◆結果論だが、果たしてその戦略がよかったのか。日本の10倍の戦力を擁する
米国が初戦で戦力を大幅に失ったとして、講和に応ずるだろうか。むしろ逆に
「アメリカのプライドを傷つけたとして、倍にして返すぜ」と火に油を注ぐ結果となっ
てしまった。米国事情に精通する山本が見通せないはずがない。むしろ戦争を
回避すべく、政治力、外交力、国民世論の形成にあらゆる手立てを講ずべきだ
ったが、彼は政治家ではなかった。あくまで軍人だった。最後は日本の敗戦を
見越して、達観したかのようにブーゲンビリア島の上空で散っていった。
見ごたえのある大作だった。

« 新年雑感 | トップページ | 日本の敗戦と政治の劣化 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1299847/43633136

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「山本五十六」:

« 新年雑感 | トップページ | 日本の敗戦と政治の劣化 »

2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ