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2011年6月 9日 (木)

ドラゴンボートとペーロン

◆ドラゴンボート(龍舟)もペーロンも水上団体競漕として似ているが、そのルーツ
は古い中国にある。ドラゴンボートは近年全国各地で盛んになり、アジア大会正式
種目になるなど、今や国際的なスポーツになった。ペーロンは江戸時代初期、
長崎在住の中国人達によって広まり、以来長崎港内外の集落ごとの対抗戦として
発展し、海の祭に欠かせないものとなった。
長崎から派生していった兵庫県相生市や熊本県天草にもペーロンがあり、近年で
は毎年7月末頃、香港やシンガポール、タイ、沖縄のハーレーも参加して「全国
ペーロン選手権大会」が盛大に行われている。

◆かつて祖父母が住んでいた長崎港外の集落でもペーロンが行われ、20代前後
の若者から屈強な壮年の漁師まで、この時期になると夕方練習を行っていた。
小学校1年の頃、そのペーロンに乗せてもらったことがある。勇ましい男達の中で
銅鑼や太鼓のリズム、跳ね上がる水しぶきに有頂天になったことが忘れられない。

◆ペーロンが脚光を浴びた時があった。昭和39年の東京オリンピックの時である。
開催国としてカヌー競技をやる必要があった。当時日本ではカヌーは未知のスポー
ツで競技人口は殆どいなかった。特に「カナディアン」は片膝着いて片側を漕ぐスタ
イルが、ペーロンの先頭の漕ぎ手のスタイルに似ているということで、急遽長崎の
ペーロン選手の中から2名が強化選手に抜擢された。当時、漁師からオリンピック
選手に!ということで話題になったものだ。

◆ペーロンもドラゴンボートもいまや男女、年齢、職場、学校を問わず普及し、夏の
水上スポーツとして大ブレイク。ペーロンがややローカルだが、相違点を挙げるなら
ペーロンは全長13.6mの流線形の船体に30人以内(通常漕ぎ手26、舵取り1、太
鼓1、銅鑼1、水汲み1)が乗る。ドラゴンボートは全長12mで20~22名(漕ぎ手18、
太鼓1、舵取り1)が標準とされる。どちらが早いか興味あるところだが、ドラゴンボー
トは直線短距離、260m、500mが主体。ペーロンの公式競技では往復(ブイを回っ
て戻ってくる)1150mで、昨年の優勝タイムは4分58秒09だった。

◆舟の大きさ、漕ぎ手の数、自然条件など様々な要因があって一概に比較でき
ないが、ひとつの参考として挙げるなら、昨年行われたドラゴンボートの競技会に
兵庫県相生市のペーロンチーム「磯風漕友会」が出場し、圧倒的大差で優勝。
その「磯風漕友会」が昨年長崎で行われた「全国ペーロン選手権大会」で驚異的
なスピードを示し、初めて県外勢に優勝を持っていかれるかと話題になったが、
折り返しのターンで技術的に失敗し、辛うじて県内チームが優勝したそうだ。
さて今年はどうなるか、実際に行って観戦したいものだが・・。

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コメント

メロンボール様
弊ブログにコメント頂きありがとうございました。香港在住とか。この時期ドラゴンボートの練習に励んでいらっしゃることでしょう。おおいに励んで頂き、国際交流にもお役立てください。

はじめましてメロンボールと言います。

香港在住です。香港のドラゴンボートカーニバルの季節で

調べていたら、このブログに出会いました。

とても参考になりました。

興味のあるブログなのでまたお伺いしたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。

今日、横浜でドラゴン祭りがあります。相生のペーロン、長崎のペーロンが話題になってしらべてみたらこのブルグに行き当たりました。参考になりました。ありがとうございました。

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