« 足柄茶から放射性物質が検出 | トップページ | 決まらぬ定数削減と進まぬ憲法論議 (前) »

2011年5月19日 (木)

「スパウザ小田原」のその後

◆「スパウザ小田原」が一躍有名になったのは、今から7年前、小泉・竹中路線の
行財政改革の一環として、官が建てた多くの施設を民間や地方自治体に二束三
文で叩き売った時であった。中でも総工費445億円をかけた超豪華温泉保養施設
「スパウザ小田原」は僅か8億5千万円で小田原市に売却され、無駄の象徴として
大きく報道されたことをご記憶の方も多いことだろう。


◆この施設は現在小田原市が世界的ホテルチェーン「ヒルトン」に委託し、「ヒルトン
小田原リゾート&スパ」として営業されている。小田原市の西のはずれ、相模湾を
見下ろす景勝地に、東京ドーム5個分の広大な敷地を擁して、ホテル、温泉プール
体育館、ボウリング場、テニスコートなどを備え、その豪華さは目を見張るものが
ある。晴れた日には、我が家から遠望することができる。


◆元々この施設、バブルのピークの頃、厚労省の特殊法人「雇用促進事業団」
(現独立行政法人雇用・能力開発機構)が1990年に勤労者福祉施設として建設
を決定。我々サラリーマンの給料から雇用保険として天引きされた資金をもとに
1993年7月着工、1997年10月完成、翌年3月から営業を開始したものだ。


◆ところが世の中はバブル崩壊後の景気後退期。官が設立したこともあって料金
は低く抑えられ、伊豆箱根の民間施設からは民業圧迫との批判を浴び、さらに天
下り問題への批判、巨額な累積赤字もあって、官の一連の施設売却の動きの中で
2004年に小田原市が購入、同年2月よりヒルトンが運営することになったものだ。


◆当初、従業員の多くは「スパウザ小田原」出身者であったが、官仕込みの感覚
と外資ホテルチェーンの価値観の違いや、求められる能力の差などに馴染めず、
ほぼ全員が退職したという。このホテルには2、3度、単に見るだけで訪れたこと
がある。確かに素晴らしいホテルだ。スポーツ施設の利用には小田原市民には
いくらか優待があるようだが、宿泊等の利用はそれなりの料金設定になっている。
かつては勤労者として安く利用できたかもしれないが、今となっては市民でも
高いお金を払わなければならないのだ。


◆考えたみたら不景気の今、失業者が増えて、失業保険の支払いも厳しくなり、
給付される期間も短縮されて、今失業した人達は本当に気の毒だ。勤労者が
せっせと払った失業保険をこんな無駄な施設に使わず、本来の目的通り、正しく
使われていたならば、救われた人も多数いただろうに、実に理不尽な話だ。
そしてこの責任はだれも取らない。

« 足柄茶から放射性物質が検出 | トップページ | 決まらぬ定数削減と進まぬ憲法論議 (前) »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1299847/40046020

この記事へのトラックバック一覧です: 「スパウザ小田原」のその後:

« 足柄茶から放射性物質が検出 | トップページ | 決まらぬ定数削減と進まぬ憲法論議 (前) »

2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ