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2010年12月24日 (金)

諫早湾干拓事業の問題

◆諫早湾干拓事業の「潮受け堤防開門訴訟」について、管総理は福岡高裁の判
決を受け入れ、上告を断念した。このことが地元4県の間で、大きな問題を引き起
こし今後も決着の見通しが立っていない。


◆昭和23年私が小学校の3年生だった頃、当時の長崎県知事西岡竹次郎(現西
岡参院議長の父親)が、諫早湾を干拓して稲作・畑作の一大集約農地を造成す
るという「長崎大干拓構想」をぶち上げた。当時から長崎は狭い県で、広い農地
は少なく、米の生産は全国最低レベルだった。


◆この構想に触れないまでも、地図を見ていれば「諫早湾を埋め立てれば、広い
面積が確保できていいな」と小学生の身でも思い付いたものだ。ところが、昭和
32年7月「諫早豪雨」が甚大な被害をもたらし、有名な眼鏡橋(長崎のそれとは
違うもの)が崩壊する被害がでた。そこで防災面の観点からも事業の必要性が
でてきた。この被害をもたらした川が本明川といって、当時長さ21km、(現在干
拓によって28km)、長崎県で最長唯一の一級河川だ。かっては諫早湾に、現
在は潮受け堤防内に注ぎ込んでいる。

◆この本明川が「潮受け堤防開門問題」のキーワードだと思う。開門反対派(長
崎県側)に立つと、水門を長期に亘り全面開放すれば、大潮満潮時には干拓農
地の半分以上が水没するという。しかも灌漑用水が塩水化して使い物にならない。
2千何百億を投じた費用が文字通り水泡に帰す。さらに一昨年4月から始まった
41の個人・法人による大規模農業はようやく軌道に乗り始め、国内はもとより海
外にも輸出が始まった。


◆ところが、佐賀、長崎、福岡、熊本の漁業は漁獲量が1/4に落ち込み、養殖ノリ
、タイラギの不漁は続いている。この状況は潮受け堤防閉門後のことだから、本
明川の水が流れ込まなくなったことが主因であることは推測できる。とうとう同じ
農林水産省内で相矛盾する難題を抱え込んでしまった。ここにも長期的ビジョン
に欠ける日本の政治の姿を露呈している。本来なら三権分立の立場から最終的
には司法が下した判決には従うのが民主主義だ。だがその結論が正しいとは
限らないところにこの問題の難しさがある。

◆そこでキーワードとなる本明川の水を二手に分け、一方は調整池内に灌漑
用水として、もう一方は潮受け堤防の北側を一部開け、有明海側に流れ込むよ
うにする。もちろん二つの水路が混ざらないよう新たな工事が必要となるだろが、
いつまでも結論が出ず、睨みあいが続くようなら検討してみてはどうだろう。

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コメント

 クリスマスイブ?、定年過ぎたおっさん達にはあまり縁が無い。
 ラジオからだけクリスマスソングが聞こえて来る。
 この干拓問題、自然の摂理を破った不自然な設計が諫早湾だけでなく有明海全体の海を駄目にしたのだと思う。
 そもそも、海は肥沃な川の水が流れ込み初めてプランクトンが豊富な良い漁場を作る、それなのにこの潮受け堤防は3本の川全ての出口をふさいでしまった。
 何故、川の流れと干拓の為の堤防を別々にしないのか全く理解できない?。
 通常は川の流れを諫早湾に流し、洪水の危険があるときのみ川の水門を閉めればよく、常時、川の水門は閉めるものではない。
 そして、干拓用の堤防は常時水門を閉じ、淡水湖の水面が海面より上昇したときのみ明ければよい。
 素人でも分かる、欠陥設計なのだ。
 農業用水は川の上流から地下導水管でも掘って、引き込めば塩水の影響は無いだろう。
 今からでも遅くは無いから、川の水専用の導水堤防を創る事だ。

仰る通りですね。設計した当時は自然の循環スタイルというものが念頭に無かったんですかね。こうなってしまったからにはお互い知恵を出し合って、よりベターな方向を探るべきでしょうね。

前部堤防があるので開門しても「大潮満潮時には干拓農
地の半分以上が水没」しません。
昭和32年の諫早大水害
は「有名な眼鏡橋(長崎のそれとは違うもの)が崩壊する被害がでた。」のではなく、眼鏡橋が頑丈すぎて壊れずに上流で倒壊した家屋の材木がせき止められダムになって、洪水の原因になったのです。

長崎に広大な農地が無ければ日本国民が飢えるという程の事でも無い。
潮受け堤防を作らなければ本明川が洪水になる。というのもウソであった。
当時の農水省と長崎県知事に騙されて、漁師が諫早湾を手放した。
今でも諫早市長は開門反対集会で「諫早は台風常襲地帯です。」と、いかにも干拓工事が防災の砦との世論作りに邁進している。
今やるべき事は対話による解決。
長崎県知事は管総理の回答書が気に食わん、と対話を拒否しています。さらに裁判に訴えると。
自分の言い分は主張し、他人との対話はイヤだ。とても首長の資質では無いヒトに、ついて行く県民も大変。

諫早湾のゴカイさん。昭和32年の諫早大水害のこと、どうも間違って記憶していたようでした。確か市内の公園に復元してモニュメントとして保存していたようなので「誤解」していたようです。ご指摘ありがとうございました。

uncleさん。コメントありがとうございます。仰る通り、今やるべきことは対立、法廷闘争ではなく、対話による解決ですよね。
相当こじれているようですが、農業側、漁業側双方ともフィフティ、フイフティになるような知恵を出すことでしょう。

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