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2010年11月29日 (月)

長崎ぶらぶら節

◆小説「長崎ぶらぶら節」が作詞家なかにし礼氏によって発表されたのは今から
11年前の平成11年11月だった。当時早速単行本を買い求め一気に読んだ。
直木賞を受賞し、ベストセラーとなって映画化され、TVドラマに舞台にと一躍ブーム
を起こした。

◆長崎に生まれ育った私は、大人たちの宴会の席で、よくこの唄が歌われている
のを聞いて、自然と覚えていった。まだ一般的にはローカルな唄だったが、このブー
ムによって少なくとも題名だけは全国区になった。そしてこの小説を書いた「なかに
し礼」氏に大変関心を持った。満州から引き上げ後、北海道で少年期を過ごした氏
がヒット曲の作詞家として名を極める。その氏が何故「長崎ぶらぶら節」なのか?


◆氏は長崎に縁もゆかりもなかったが、全国の民謡を調べているうちにこの唄に
行き当たった。なにか惹かれるものを感じ、1年間長崎に通ってこの唄が発掘された
経緯、エピソード等を徹底的に取材した。そして長崎丸山の名芸妓「愛八」と長崎学
研究者「古賀十二郎」の事実に基づいた小説が完成した。


◆小説を読んでいて、字間、行間から長崎の「おくんち」や「ハタ揚げ」などの行事、
街の喧騒など独特の音や匂いが滲み出てくるのを感じる。そして何より全編古い
正当な長崎弁でセリフが書かれているのに驚かされた。長崎出身者が書いたと
思われる以上に長崎の街や人となりを忠実に描写している。なかにし礼氏の凄さ
に改めて感服させられた小説だった。


  ★「長崎ぶらぶら節」
  長崎名物 紙鳶(はた)揚げ 盆祭り 秋はお諏訪のシャギリで
  氏子がぶうらぶら  ぶらり ぶらりと いうたもんだいちゅう

  遊びに行くなら 花月か中の茶屋  梅園裏門たたいて 
  丸山ぶうらぶら  ぶらり ぶらりと いうたもんだいちゅう

  紙鳶(はた)揚げするなら  金毘羅 風頭山(かざがしら)
  帰りは一杯機嫌で 瓢箪ぶうらぶら  
  ぶらり ぶらりと いうたもんだいちゅう 

◆遊び好きの長崎人の遊びの感覚を見事に唄っている、お座敷向きの
粋な民謡ではある。





  

  

      

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コメント

ながさきさるくガイドさん。コメントありがとうございます。何年か前「ながさきサルク博」が開かれた時、かみさんと一緒に見てきました。そのときの長崎の変りようにビックリしました。もちろんいい方に。ボランティアガイドさんにも懇切丁寧に説明して頂きました。お話の「長崎ぶらぶら節」ですが、確かに発掘されたのは昭和初期で、その後西條八十の推薦により愛八姐さんが東京のビクターでレコーディングしたものだそうです。発掘したきっかけは小浜温泉の老芸者から聞いたもので、その老芸者の話によると明治の初め頃までは長崎の花街で良く歌われていたそうです。それがどういう理由からか、昭和の初めころまで、ばったり歌われなくなったのですね。唄って不思議ですね。

 「ぶらぶら節」が出来たのは昭和の初めです。
それなのに大河ドラマ「龍馬伝」で丸山の「お元」さんが踊っていたのはおかしいですよね。
 ながさき=ぶらぶら節と言うくらい有名な歌なのは長崎人としては喜ぶべき・・・と、言えなくもない?

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