« 坂本竜馬と岩崎弥太郎(後) | トップページ | 沈没寸前、日本の政治 »

2010年11月25日 (木)

日本人の体力、今昔。

◆健康問題がクローズアップ゚されてから久しい。昔の文献、小説などを読むと江戸
時代や明治期の人達の体力がいかに現代人より優れていたかを垣間見ることが
できる。例えば江戸末期、江戸から京都まで歩くのに最低半月はかかった。それ
も普通の成人男子が1日10時間歩き続けねばならない。京まで約500km。1日、
40kmの行程として、山あり、川ありの難所も歩くわけだから納得できる。


◆ところが岩崎弥太郎は江戸から土佐まで、なんとたったの16日間で駆け抜けた
という。驚異的な体力と言うほかない。一般の人でも大山詣で、富士箱根詣で、
伊勢詣でなど歩いて旅を続けた。現代人が車でこれらの往還道を走ったとして、
その距離を自分の足で歩き通すことを想像できるだろうか。2~3日までは何とか
可能でも、10日となると大かたはギブアップして続かないだろう。


◆さらにそのエネルギー源となる食べ物についても、当時は殆ど米が主体で、副
食等は現代ほど豊かではなかったはずだ。動物性蛋白質、脂肪なども不足して
いるはずなのにどこからこのスタミナが出てきていたのか。


◆また冬の寒さについても現代と比べて比較にならないほど大変だったろう。各
地に残された古民家を見ても、当時の住居は夏は比較的に凌ぎ易いだろうが、
天井は屋根裏まで吹き抜け、壁は隙間だらけ、多くは板の間で暖房といえば囲
炉裏と手火鉢くらい。生活様式は粗衣、粗食。しかも気候は今ほど温暖ではなか
ったはずだ。


◆しかし、当時の人にとってはそれが当たり前で、現代人にその生活をやってみ
ろと言われても十中八、九は耐えられないだろう。「坂の上の雲」でも極寒の満
州で長期に亘り、ロシアとの間で地上戦を繰り広げる。その寒さたるや国内の
比でないことは容易に想像できる。そんな中を十分な防寒具もなく、日本兵が
互角以上に戦うのだ。


◆こうして見ると、昔の普通の健康な日本人は現代人に比べ、スタミナや耐寒性
において優れていたといえるだろう。ただし、医学がまだ未熟だったので病人や
弱者には厳しい時代であったろうし、平均寿命も短かった。
しかし、現代人が衣食住環境にも、医療にも恵まれているのに対し、体力面では
彼らに劣って見えるのは何故だろう。おそらく江戸期から明治を経て戦前に至る
まで、家庭や社会が自然に、子供の頃から規律と忍耐力を養う教育、いわば精
神面での教育を重視してきたことにその因があるのではないだろうか。

« 坂本竜馬と岩崎弥太郎(後) | トップページ | 沈没寸前、日本の政治 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1299847/37836307

この記事へのトラックバック一覧です: 日本人の体力、今昔。:

« 坂本竜馬と岩崎弥太郎(後) | トップページ | 沈没寸前、日本の政治 »

2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ