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2010年10月18日 (月)

博さんが選ぶご当地叙情歌ベストコレクション (第4回)

◆今回は地元神奈川県から3曲選んで見ました。

9. 「城ケ島の雨」    大正2年   作詞:北原白秋   作曲:梁田 貞

  雨はふるふる  城ケ島の磯に   利休鼠の  雨が降る
  雨は真珠か  夜明けの霧か  それともわたしの しのびなき
  舟はゆくゆく  通り矢の端(はな)を  濡れて帆あげた  ぬしの舟
  ええ 舟は櫓でやる  櫓は唄でやる  唄は船頭さんの  心意気
  雨はふるふる  日はうす曇る  舟はゆくゆく  帆がかすむ


★この歌は6月20日の本ブログで梅雨をテーマに書いた際に、取上げた歌でもある
が、再度叙情歌として登場させたい。大正2年、白秋28歳の時、島村抱月の要請に
より、城ケ島を目前にした三崎の地で、締切二日前に仕上げたらしい。しかし季節
は晩秋、梅雨時の歌ではない。出だしの鬱積した暗いイメージが、途中から次第に
元気な明るいトーンに変っていく。その変化がなんとも素晴らしい。日本の歌曲の
中でも出色の作品のひとつではないだろうか。


10. 「真白き富士の嶺」  明治43年   作詞:三角錫子(すずこ)

  
真白き富士の嶺   緑の江の島   仰ぎ見るも 今は涙
  帰らぬ十二の  雄々しきみたまに  捧まつる 胸と心   (以下略)


★この歌は明治43年に起きた、逗子開成中学校の生徒達のボート転覆事故死
に対する慰霊の鎮魂歌として歌われたことは余りにも有名。だがこの曲はもと
もと19世紀のアメリカの牧師で作曲家のジョレマイア・インガルスという人が、
讃美歌として作曲したものに鎌倉女学校(現鎌倉女学院)の教師三角錫子さん
が詩をつけ、同女学校の生徒たちが最初に合唱した、ということを今回はじめて
知った。当初「七里ガ浜哀歌」の題名だったが、大正5年レコードが発売され
演歌師たちによって「真白き富士の根」という歌謡曲になって広まった。


11. 「箱根八里」 明治34年中学唱歌  作詞:鳥居忱  作曲:滝廉太郎 

 
箱根の山は 天下の瞼 函谷関も ものならず  
 
萬丈の山 千仞の谷 前に聳え 後方(しりえ)にささふ
 
雲は山を巡り  霧は谷を閉ざす  昼猶闇き  杉の並木
 羊腸の小径は苔滑らか  一夫関に当たるや  萬夫も開くなし
 天下に旅する剛気の武士(もののふ) 大刀腰に足駄がけ
 八里の磐根(いわね)踏みならす かくこそありしか 王子の武士
  (2番略)

★この曲は叙情歌というよりは元気の出る応援歌といった方がぴったりするが、
地元箱根を歌った歌であり、是非ノミネートしたい。昔の中学生(今の高校生)
は実に漢文の素養があり、質実剛健、バンカラを尊ぶ風潮であったあったことが
この歌からも読み取れる。また箱根旧街道を実際に 歩いてみて、往時のことに
思いをいたすと、この歌は決してオーバーな表現とは思えない。



 
  

  

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