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2020年10月10日 (土)

「日本学術会議会員」の任命拒否の問題、是非を問う。

◆菅政権による「日本学術会議会員」6名の任命拒否問題が国民の関心を呼ぶ大きな問題にまで発展している。野党やメディアが主張する「学問の自由への侵害」は一見尤もらしいが、実はとんでもない暴論だ。日本学術会議がいくら独立性を主張しようと、政府の組織の一部であり、その会員は特別職公務員であって、「日本学術会議」自体が国の予算を基に存続している以上、政権の監視が及ばないという事は在り得ないからだ。つまり「口出しはするな。金だけ黙って寄こせ」というのが学術会議側の主張。逆に「学術会議会員でなければ学問の自由は無くなるのですか」と問いたい。

◆今回、日本学術会議・野党・メディアらが6名の任命拒否の理由を明らかにせよと声高らかに叫ぶが、多くの関係者はその理由は分かっているはずだ。それを明かせば互いにキズが付くから、「分かっているだろう、察してくれ」というのが政府の本音だろう。説明しない原因とは何だろうか。まず、学術会議側の要因をあげれば、210名の会員になることは、たぶんに最終的な学者としてのステイタスだ。それを一部の役員間で内々に選ぶという慣行に対し、他から口出しされたくないということはあるだろう。つまり既得権益を守りたいということに他ならない。

◆菅政権はこうした悪しき前例主義を改めたいという基本スタンスがあるので、先にあげた理屈で押し通すとすれば、今まで認められてきた前例を壊すのかという感情論とのぶつかり合いにならざるを得ない。さらに6名の特定の学者が任命拒否された個々の理由について触れていないと主張するだろう。しかし人事の内容について個々の事情を明らかにするということは個人のプライバシーにも関わってくることでもあり、凡そ一般的ではない。

◆実は想定される真の理由は、任命を拒否された6人が過去に安保法制や特定秘密保護法、集団的自衛権法案などで反政府的言動を繰り返し示してきたことが根底にあるのかもしれない。彼らは左翼勢力特に共産党との繋がりがはっきりしており、日本の安全保障上好ましくないばかりか、それを妨害する存在であるからだろう。しかし、それを表明すれば彼らは「思想信条の自由の侵害だ」と言って騒ぎ出してくることは火を見るより明らか。即ち、「それを言っちゃ~お終いよ」というやつだ。

◆任命拒否の理由を強く求めれば、「日本学術会議」そのものの在り方が問われ、解体論と共に、民間団体としての再編成論議が起こって、(すでに自民党内でその動きがあり)「学問の自由を旗印にして、好きなようにやってください」ということになりかねない。そうなっては既得権益も失い、元も子もなくなるから、「あまり深く突っ込むとお互いの為になりませんよ」というメッセージなのではなかろうか。しかし、国民への説明がないと国民は「何かいかがわしいことが裏にあるのではないか」という疑念を持ち続けることになりかねない。政府としては「痛し痒し」といったとこだろうが、この際真に国の為になる「新しいアカデミー体制」を打ち出すべきだろう。

2020年10月 9日 (金)

誕生して3週間余、フル回転する菅政権

菅政権が発足して3週間余。「行政の縦割り既得権益悪しき前例主義の打破国民のために働く内閣」のキャッチフレーズ通り、次々と新政策を打ち出し、連日話題に事欠かない状況だ。まず河野行革担当大臣が「縦割り110番の設置」、「書面・対面主義の見直し」、「行政手続きでの脱ハンコ」などを打ち出し、改革の牽引役として、発足当日から獅子奮迅の活躍をしている。
菅総理自身も、携帯料金の値下げ不妊治療の保険適用行政のデジタル化などを打ち出し、任命された平井デジタル担当大臣は計画を前倒ししようと奮闘している。その他にもあまり目立たないが、刮目すべき動きが出てきた。(日本学術会議会員の任命問題については次号で別途言及

自衛隊基地の周辺や離島、原発施設周辺など、安全保障上の重要な土地を外国人らが取得することへの監視を強化する法律の制定
数年前から対馬や北海道の自衛隊施設周辺で韓国人や中国人など外国人が土地を購入しているという情報が流れていたが、まだ何の手も打っていなかったのかという驚きが先に立った。周辺地の所有者の国籍などを調査したうえで、安全対策につなげる仕組みを整備する方針だという。来年の通常国会に法案を提出したい考えだというが、一日も早く制定して欲しいものだ。

「核のゴミ」問題、北海道の2町村が名乗り。アッパレ!
核のゴミ処分場の選定問題は「待ったなし」の状況だが、国内各自治体はどこも他人事みたいに、この問題から目を背けている。ここにきて、北海道の寿都町神恵内村の2村が第一段階の「文献調査」に名乗りを上げた。これに対し、20億円の補助金目当てだと批判する声も上がるが、この狭い日本、どこかが引き受けなければ、話は進まない。「政府の責任だ、過去の原発行政が悪い」などと批判しても、溜まり続ける核のゴミを前にしては何も始まらない。例え20億円が目当てだとしても、財政で苦労している過疎の寒村を批判できようか。土俵に上げてくれただけでもアッパレと言えよう。

2020年10月 1日 (木)

今日から10月

月が変わって、今日から10月。先月の28日、富士山は初冠雪で6合目までベールを被ったような雪化粧に覆われた。これは何日も続かないだろうと思ったら、案の定3日も経ったら、すっかり元の黒い富士山に戻ってしまった。
しかし、時の経つのは本当に早いものだ。人生も終盤を迎えた今、つくづく感じる。翻って子供の頃、時の経つのが遅かった。夏休みの40日が長かった。時間だけではなく、空間(広がり)も大きかった。卒業後数10年経って、小学校の校庭に立った時、こんなに狭かったのかと驚いた。しかし、考えれば当然のことだった。目線の高さは1.5倍以上になっているし、時の経過も時間に追われる毎日となり、時の速さを恨んだりもした。

中国の古典名言に、時の速さを表現する言葉が数多くある。「光陰(歳月)は矢の如し」は最もポピュラーな言葉だろう。矢の如しは中国らしい大仰な感がするが、考えてみればそうでもない。現代人の祖先と言われるホモ・サピエンスの出現が今から20万年前、人の一生を80年としたら、まさに矢が飛ぶような速さだろう。同様な言葉に「光陰逝水の如し」、「光陰流水の如し」もある。
光陰人を待たず歳月人を待たず」は時は人を待ってくれないとの箴言だが、「少年老い易く学成り難し一寸の光陰軽んずべからず」は今となってはズシリと胸に響く名言だ。
「光陰流水の如し」で連想するのが、「行雲流水」だ。空行く雲や流れる水のように、自然のままに自由に生きる心境になりたいものだ。

 

2020年9月18日 (金)

菅内閣スタートに期待膨らむ(2)

【閣僚メンバーから見える菅内閣の性格】
◆菅内閣を構成する閣僚名簿を一見すると、全般的に地味だが重厚、質実剛健で即戦力型、それぞれその道の専門家を配し、仕事師集団的な印象を持つ。特に注目したいのは、デジタル改革担当相の平井卓也。電通出身だそうだが、先進国で最も遅れているこの部門に、各省・各自治体の壁を越えて早急に確立して欲しい。余談だが、マイナンバーカード制度発布後、いちはやく取得していたにも関わらず、今回の給付金申請に当たっては、なかなかスムーズにいかなかったので、この国のデジタル対応制度、技術にイライラが募っていた。

行政改革担当大臣に、もと外務・防衛大臣の河野太郎氏が就任した。就任記者会見が深夜から未明に及ぶにいたり、早速会見中に河野さんらしい一言が飛び出した。「ここで延々とやっているのは前例主義、既得権益、権威主義の最たるもの。こんなものはさっさとやめたらいい」と述べたことに対し、SNS上で賛成意見が殺到。緊急事態でもあるまいし、明日に延ばせるものなら延ばした方が経費も安く上がる。大賛成。

官房長官に就任した加藤勝信氏は早速検討すると翌日の記者会見で語った。また総理が提案した「縦割り110番」創設については、河野大臣自らネット上に設置したところ2時間半で700件もの声が寄せられたという。何と言うスピード感、あまりの反応の多さにしばらく閉鎖すると伝えた。劇薬とも言われる河野大臣の行動に期待と不安が交錯する。

◆冷静・沈着、安定ぶり抜群の加藤長官以外にも、安倍氏の実弟で防衛問題のプロと言われる岸信夫防衛大臣、親台湾派と目されているが、尖閣問題、敵ミサイルの攻撃問題にどのように対処するのか注目したい。死刑囚への刑の執行に果断に臨む上川元法相の再登板。グダグダ言う法相は止めにしてもらいたい。そしてようやく念願叶って復興大臣に就任した平沢勝栄氏。安倍氏への恩情か、人情家の一面も感じられる人事だ。全体としては近年まれに見る実務者仕事師内閣と言えよう。これで1か月もすれば解散・総選挙? ソリャーないだろう!国民としてはプロ集団の仕事ぶりをじっくり見てみたい。(終わり)

菅内閣スタートに期待膨らむ(1)

【冷静な分析、果敢な決断】
安部前総理が病気のため、8/28日に退陣表明した時に、次の総理が菅氏になるとはまさか予想できなかった。菅氏自身が以前から自分は総理になるつもりは100%ないと表明していたし、衆目の観るところ「将」というよりは「参謀」タイプに見えるからだ。ところが、退陣表明の翌29日には、「道半ばの安倍政権を引き継ぐのは誰か」、「無派閥の自分に勝ち目があるのか」、「党内情勢、国内世論はどうか」などを「熟慮に熟慮を重ねた上」一人で出馬を決断したという。そして結果は、岸田、石破両候補を大きく引き離し、9/14に自民党総裁、16日には第99代内閣総理大臣(明治以降63人目)が誕生した。

【敗者の因と勝者の因】
これは凄いことだ。「石破氏待望論的」な世論やメディアの風潮の中、石破氏の負の部分がSNS上に拡散し、頼みとする地方票は伸びず、国会議員票は過去最低に落ち込んだ。石破氏の再起は当分ないだろう。一方の岸田氏だが、禅譲を期待していたものの、それが叶わず負け戦覚悟で出馬せざるを得なかった。この二人と比較して、菅氏の情勢を見る眼力の確かさ、一刀両断的な決断力、周囲だけでなくマスコミさえ味方につけるような吸引力、まさに「男は黙って一発勝負」的な鮮やかな行動だった。

【見かけ以上の策士】
見かけに派手さはない。口も饒舌ではない。むしろ田舎臭く素朴で、国際舞台に立った時、安倍元総理のような国際感覚があるようにも見えない。しかし、「仕事人的」凄さと厳しさ、併せて人間的優しさも感じられる。菅氏は見かけ以上の策士であり、政治の実務者だ。言われるようなワンポイント内閣ではなく、「国民の為に働く内閣」という熱意がひしひしと伝わってくる。早くも組閣の翌日には各閣僚は動き出した。このスピード感は菅氏の指揮なくしては在り得ない内閣支持率は60%を超えた。(続く)

2020年9月12日 (土)

解散風を煽る政治家やメディアにモノもうす

◆解散風が吹き始めた?
コロナの第2波が収束していない中で、来週にも菅総裁が誕生し、国会の首班指名、新内閣組閣、早期の衆院解散、そして10月にも総選挙があるのではと政治評論家やメディアが報じている。いや報じているというより、その流れを煽っているかのように見える。
◆国民の民意と党利党略
しかし、この流れは民意という国民目線を全く無視し、与党の支持率が上がっている今、衆議院を解散した方が来年9月の任期満了を待って総選挙するより有利に働くという、まさに党利党略の動きそのものではないか。国民目線はコロナを1日も早く収束し、経済回復に全力をあげて取り組んでもらいたい、選挙などやっている場合ではないというのが大方の見方だ。安倍総理の辞任表明後、「政治の空白をできるだけ作らない」と言って始まった総裁選だったはず。メディアが政局の後追いばかりするならば、民意を置き去りにして、その動きを容認しているだけにしか見えない。普段「報道機関は社会の公器」などと大口叩く彼らの姿勢はどう評価されるべきか。
◆過去の解散・総選挙は?
任期満了に伴って選挙をする場合、選挙直前に不測の事態が起こることもあるので、その場合自党に不利に働く。それを避けるため満了前でも、自党に有利な時に解散・総選挙をしようとするのは政党政治の悪癖とも言えよう。現行憲法(昭和22年・1947・5月施行)になってから、24回の解散総選挙が行われたが、任期満了による総選挙は1976年12月の1回だけだ。そもそも衆院の任期は4年と決まっているのに、その実態は2.6年に1回ほど解散・総選挙が行われている。「解散」というのはその残り任期を取り上げ、議員の首を切るということなのに、唯々諾々と受け入れているのはなぜか。
◆解散権の乱用にあたらないのか。
解散は直接的には総理の専権事項と言われている。これは憲法7条の「天皇の国事行為」を拡大解釈したもので、解散権の乱用という批判を招きかねない。これによって政権がころころ変わっても困る。実際1回の総選挙で約700億円もの事務経費が税金から払われているという。最も理想な形は、議員は4年間国民のために働き、任期がくれば国民の審判を仰ぐという形だが、ただ任期に安住してもらっても困る。いつでも辞めさせられるという緊張感を持たせることも重要だ。
◆今は選挙より仕事に取り組む時
国民にとって「解散・総選挙」は政権を交代させることができるという大きな意味を持つが、実際には政権担当能力を持った健全野党が無いに等しいので、その意味は殆どない。今回のように総理の病気による突然の辞任の場合、議員構成は前総裁の元での選挙結果によるものだから、いわば自己の実力によるものではない。そこで党内の実力基盤強固にして、国会でも優位に立つために、自分の手で解散・総選挙をしようという思惑が働くことは十分に在り得るし、選挙の洗礼を受けていないのだから総選挙をやれという理屈も一理ある。然し、現行路線を引き継ぐと言って総理・総裁になるのであれば、まずは1ヵ月余のブランクを作らず愚直に仕事に取り組んでもらいたい。メディアもそこを正確に見て、やたら解散を煽る政局の動きに加担するべきではない。(本稿終)

2020年9月10日 (木)

NHK朝ドラ「エール」が放送再開

◆NHKはコロナの影響で休止していた朝ドラ・連続テレビ小説「エール」を約2ヶ月半ぶりに再開すると発表。先日、9月14日からの放送分を予告編的に放映した。当初、9/26日終了予定で計130回の放送予定だったものを11/28まで延期し、120回の放送に短縮したという。こういう風にブログに書くと、いかにも朝ドラ・ファンのように思われるかもしれないが、実は直近4年近く観ていなかった。因みに最近観た朝ドラを列挙すると、
・2014/3~9月:「花子とアン」(赤毛のアンの翻訳者村岡花子の生涯)
・2014/9~翌年3月:「マッサン」(ニッカウィスキーの創業者竹鶴夫妻の物語)
・2015/9~翌年3月:「あさが来た」(女性実業家広岡浅子の生涯)
・2016/4~10月:「とと姉ちゃん」(暮しの手帖創業者大橋鎮子・花森安治の生涯
の4作だった。従って今回の「エール」が久々の朝ドラ視聴となる。

◆これらのドラマに共通しているものは、実業家、起業家、翻訳者、出版・編集者など実在の人物をモデルにしたものばかりで、今回の「エール」は昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而をモデルにしたものだから、先に挙げた4作の延長線上にあるようなもの。当然ながら、自然とTVに目が行くようになった。もともと古関裕而は好きな日本の作曲家で、氏が作曲した名曲の誕生エピソードなどに興味があったのが切っ掛けだった。しかし、作品のトーンが少々オチャラケ過ぎという感がなくもないが、これが現代風の感覚なのだろうか。

◆数多い古関裕而の作品から独断で代表作を選び、特に好きな曲を太字で表した。
【戦前】早稲田大応援歌「紺碧の空」、大阪タイガースの歌「六甲おろし」、「船頭可愛や」
【戦中】「露営の歌」、「暁に祈る」、「若鷲の歌」(予科練の歌)、「ラバウル海軍航空隊
【戦後】「とんがり帽子」(鐘の鳴る丘 主題歌)、「栄冠は君に輝く」(夏の高校野球大会行進曲)、NHKスポーツ番組テーマ曲「スポーツショウ行進曲」、「長崎の鐘」、「イヨマンテの夜」、「君の名は」(ラジオドラマの主題歌)、「あこがれの郵便馬車」、「高原列車は行く」、巨人軍の歌「闘魂こめて」、「東京オリンピックマーチ」、ラジオ「昼のいこい」のテーマ曲
等を挙げたい。
◆特に秀逸と思うのは西洋音楽出身の面目躍如といった「東京オリンピックマーチ」、それにプラスして「和」の音調を融合させた「昼のいこい」のテーマ曲で、この音楽が流れると、昔からの日本ののどかな農村風景が思い描かれ、安らかな気分にさせられる。いずれにしろ、放送再開後のこれらの作品の誕生エピソードが見られることを期待している。(終)

2020年9月 4日 (金)

自民党総裁選と石破氏の問題点

◆安倍総理の辞任表明を受け、自民党の後継総裁選びが本格化している。コロナ禍という緊急時において空白期間を極力短くして、早期に体制固めをしたい党側に対し、「この際多少時間がかかってもフルスペックの選挙」を主張する党内若手や多くのメディア・評論家の意見が錯綜した。確かに実質上、自民党総裁が国の首相になるのが日本の現状だから、謂わんとするところは分かるが、結局は自民党内のルールや制度の問題に帰する。その制度を改めようとするならば、党費を払って自民党員になり、多数派工作をして、ルールを変更させるか、または、総選挙で自民党を引きずり降ろして政権交代するか、憲法を改正して国民投票による首相公選にするしかない。

◆そもそも日本国憲法には政党法の規定がない。結社の自由・集会の自由はあるが、それとの関連で野党勢力が反対して見送られてきた。ところが細川内閣の時、政党への国庫補助を行う上で、政党の資格要件を明確にする必要があることから、再検討が進められた。その結果、政党法の規定は見送られたが、政党助成法により国庫補助を受けようとする政党は「法人格」を持たなければならないとして、1994年に「政党法人格付与法」が制定された。因みに諸外国では多くの国が憲法や法律で政党についての規定を設けている。

◆自民党の総裁選びの方法について、イチャモンをつけている多くのTV局は、派閥の数の組み合わせを基に、最有力候補となった菅氏の当選を前提に、臆面もなく閣僚の顔ぶれを予想する。選挙の方法がケシカランのならトコトン追及すればよいのだが、そのことはケロッと忘れて、すぐに態度を豹変、視聴者が飛びつきそうな話題に転換する。これが日本のメディアの本質と言えばそれまでだが。

◆石破氏に関し、国民の人気が高いと思っているのか、国会の味方が少ないという判官贔屓のせいなのか、左傾メディアの多くは石破氏寄りの風潮を展開する。石破氏について自分は「口当たりがソフト、分かり易い言葉を使う、政策に強そうだ、安倍さんのあとは石破氏でよいのでは・・」と思っていた時期があった。ところがここ数年その言動を見聞きするうち、疑問符を持つようになった。その一例を前回のブログで紹介した百田尚樹氏が「カエルの楽園2020」の中で暗に指摘している。

◆ナパージュ国(Japanの逆さ読み)で大変な流行性病がはやり出した。1匹のカエルが政治家のバードテイク(鳥取?)に質問する。「今、この状態でナバージュや私たちはなにをすればいいのでしょうか」。バードテイクはゆっくりと大きくうなずきました。「今、何をするべきか、なにをどうすれば、最善の道が開けるか。そのために私たちは何を考えるべきか。ツチガエル(日本人)一匹一匹が真摯に、誠実に、問題と向き合うことが大切です。今まさに、それを真剣に考える時が来ています。」
思わず笑いだしてしまった。何を言いたいのか全く分からないというのが、それを聞いていたカエルたちの感想だった。要は石破氏は問題点の指摘は巧みだが、具体的対策は明確にせず、国民を煙に巻く傾向が強い。論語で言う「巧言令色は鮮(すく)ないかな仁」というヤツだ。口にきれいごとを並べ、容貌、態度をもの柔らかく美しく見せることが主となると、その種の人は、とかく人間の根本の道である「仁」の心が薄くなりがちである、と孔子さんは言う。(中国古典名言事典) まさに言い得て妙だ。(終わり)


 

 

2020年9月 2日 (水)

安倍総理の辞任表明に思うこと

◆安倍総理の病気による突然の辞任表明に対し、世界の多くのリーダー達から退陣を惜しみ、功績を評価する声が寄せられた。トランプ大統領は最大級の賛辞を寄せ、英・独・仏・豪などの首脳はもちろんのこと、プーチン露大統領、習近平中主席、ローハニイラン大統領からも敬意が表された。正式な国交のない台湾の蔡英文総統も心からの敬意を寄せたが、驚くことにあの韓国文在寅大統領からも外交辞令とは言え、普通の敬意表明が寄せられた。全体に安倍首相の体調への気遣い、つまり持病を抱えながらも、重責を果たしてきたことに敬意を表するコメントが目立つ。

◆日本の首相の辞任にこれほど広く、賛辞や敬意が表されたことが過去にあっただろうか。ネット上でも中国の一般ユーザーからのコメントが寄せられたが、その一例を引用する。
・「突然の辞任には驚いた!どれだけのストレスが、持病の潰瘍性大腸炎を進行させ、ここまで追い詰めたのか、言葉にならない。本当にお疲れ様でした!日本人民の良い首相だ!」
・「病気で自ら辞任するなんて、信じられない!在任しながら闘病することもできるはずなのに、権力にしがみつかない方だね。『どこかの国の指導者』と違って・・・(自国首脳への当て付けか)
・「尊敬する政治家だ。志半ばで無念だ!よく頑張れたな~。1日も早く回復するよう祈る!」

◆中国政府高官の中に安倍総理を三国志の「諸葛孔明」に例えて、辞任を惜しむ声があった。中国の歴史のなかでも蜀の丞相諸葛孔明に例えられた政治家は周恩来ぐらいのものだという。外交辞令とは言え、安倍さんをそこまで持ち上げるとは些か過剰ではないかと思うが。

◆これに引替え、我が日本の論調はどうか。概して「功」の部分には口を閉ざし、「罪」の部分を取り立てて強調する。そもそも7年8ヵ月も政権を保ち得たこと自体、近年の日本において稀有なことであり、安定した外交を展開できた要因であろう。それを安部一強独裁だと批判する。左傾メディアによれば「憲法改悪を目指す」だの、「戦争をできる国にする」だの、中国の脅威や横暴、韓国の身勝手や約束違反には目をつむり、理解を示せなどと反論する。日本のメディアは「権力を批判するのが我々の使命」とばかり、変に意気がって大局なり世界観を見ようとしない。

◆日本のメディアは未だ自虐史観から抜け出せず、謝り続けることが平和を維持する根幹だと思い続けている。逆に世界の左傾・独裁国はそこに付け込んで、虎視眈々と日本侵略を狙っている。善良で無知な国民ほど騙しやすいので、彼らは朝日や毎日共同などの左傾メディアの論調を喜んでいる。本の宣伝をするわけではないが、この辺りの本質を分かり易く、寓話で著した百田直樹氏の「カエルの楽園」をお薦めしたい。また、コロナ禍に今をテーマにした続編「カエルの楽園2020」を合わせてご一読されますようお勧めします。(終わり)

 

 

2020年8月29日 (土)

新型コロナ・ウィルスの大流行に思うこと(2)

【発生から現在に至るまでの経緯】②
◆3月に入ると全国的かつ急速に蔓延しはじめ、医療体制や国民生活・経済活動に大きな影響を及ぼし始めた。安倍内閣は3月13日に「新型コロナウィルス対策特別措置法」を成立させ、4月7日に東京はじめ7府県に「緊急事態を宣言」、4月16日には対象を全国に拡大した。このうち北海道、京都府など6道府県を加えた13都道府県を、「特定警戒都道府県」と位置付けた。

◆この間、マスクの不足騒動、学校の休校、三蜜の回避、テレ・ワーク、移動・イベントの自粛、ソーシャル・ディスタンスなどの新しい生活様式を余儀なくされ、国民の自制も相俟って、5月14日には北海道・東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・京都・兵庫の8つの都道府県を除く、39県で緊急事態宣言が解除された。翌週には大阪・京都・兵庫の3府県の緊急事態宣言が解除され、5月25日には残る東京・神奈川・神奈川・埼玉・千葉・北海道の5都道府県も解除された。約1か月半ぶりに全国で解除されることになったが、この2月から5月までの4か月の波は第一波と見られ、その波を官民一致して乗り越えたかに見えたが・・・。

◆第一波の沈静化で油断したのか、6月下旬から再び感染が始まり、8月も終わりになった今でも第二波の真っ只中にあると言える。まさに現在進行形であり、連日TVが過剰とも思える情報を流しているので、これ以上の言及は避けたい。ただ、WHOによる新型コロナウィルスの正式名称はCOVID-19だが、これは中国の横やりによるもので分かりにくい。やはり、武漢風邪、もしくは武漢熱が妥当なところだろう。

◆因みに8月27日現在の世界の感染者のデータを見ると、これまでに196の国・地域で少なくとも2400万人以上の感染が確認され、82万2千人以上の死亡者と1560万人以上の回復者が報じられている。なお、日本では感染者数約6万4千人余、死亡者数1209人、回復者数5万1700人余となっているが、これらの数字は依然増え続けており、第三波を迎えるとさらに増大するものと思われる。(続く

2020年8月28日 (金)

新型コロナウィルスの大流行に思うこと(1)

「博さんのブログ」を長期休載して、間もなく1年になろうとしています。やや休み過ぎの感がありますが、この1年いろんなことがありました。本来なら丁度今頃は東京オリンピック・パラリンピックがメデタシ、メデタシで終わった頃のはずでした。それが100年に1度と言われるような「新型コロナウィルス」の発生で、中止はおろか来年の延期開催も危ぶまれる事態となりそうです。世界中を巻き込んだ今回のパンデミックは人類の負の記憶となって、未来に残されていくでしょう。だが、未だ世界中で収束を見せず、第3波の襲来も予想される中、このブログ復活を機に、今回の「新型コロナウィルス」についてレビューしてみたいと思います。

【発生から現在に至るまでの経緯】①
◆2019年12月に中国武漢市で「原因不明の肺炎に罹る患者が流行している」とネットで知った。主な症状は「発熱、呼吸困難、重症化の場合肺炎の可能性も」と伝えられ、かなり広がっているとも。一部では同市の海鮮市場から出た食材のコウモリなどが感染源かとも報じられたが、中国側の隠蔽体質で未だ正確な発生原因は不明のままだ。当初この情報に接し、ひょっとしたら日本にも感染者が出るかもしれないが、サーズや鳥インフルエンザの時のように、たいしたことにはなるまいと楽観視していた。

◆2020年1月5日、WHOテドロス事務総長が初めて声明を発表。中国の後押しで就任したエチオピア出身のテドロスは中国寄りの発言で「人から人への感染の証拠は見つかっていない」などと情報の不足を公表し、世界中に不信感を招いた。翌1月6日になってようやく中国武漢市が「原因不明の肺炎が流行している」ことを公表。1月5日時点で感染者59名、内重症者は7名、死者0、患者は全員隔離したと発表した。

◆ところがその後、武漢のパンデミックの状況がテレビを通して、ただ事ではないことが全世界に伝わった。結局、中国の虚偽・隠蔽体質と、WHOの中国ベッタリ体質が、短期間で世界中に大パンデミックをもたらした。日本政府は武漢で勤務していた日本人技術者らの帰国を援助するため、2月17日までにチャーター機計5便、総勢829人を成田に運んだ。

◆時を前後して、2月3日、政府は新型コロナウィルスの感染者が発生して入港先を探していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の横浜入港を認め、検疫を始めた。しかし、感染の可能性がある3711人もの乗客・乗員を受け入れる施設はない。感染の検査も間に合わない。船内ではクラスターが発生し、隔離・治療等は混乱を極めた。自衛隊などの協力も得て、最終的に乗客・乗員全員が下船できたのは約1カ月後の3月1日。感染者712人、死者13人が発生する大惨事となった。
因みに日本人初の感染者は、武漢からの帰国者で、1/6日帰国、10日入院、15日退院した神奈川県の30代男性だった。また最初の死者は神奈川県の80代の女性で、2/1日に肺炎と診断され、入院後2/13日に死亡、その後陽性と確認されたが、感染経路は不明だった。(続く)

 

2019年9月 8日 (日)

韓国経済の様子をしばらく静観しよう。

◆「腫れ物に触るような」という言葉がある。機嫌を損なわないように恐る恐る接するという意味だが、近年の韓国に接する態度がまさにこれだった。このまま放置し続けるならば、腫れ物は大きくなり、ますます膿が溜まる。痛くとも一度は切開して膿を出しきらねば、両国の将来の為にならない。政府は3品目の輸出規制の厳格化と輸出ランクをAからBへと降格した。韓国にとってはあの弱腰の日本が「まさか」という暴挙に見えたのだろう。日本政府にとっては想定以上のリアクションだったに違いない。

◆次なる懸念は、徴用工裁判で差し押さえられた日本企業の資産が売却された時だ。その一手として金融面の措置が考えられる。NET上には韓国の「カントリーリスクを引き上げろ」と言った声もあるが、確かに日本政府がそれをやれば、邦銀は韓国に与えている貿易の「信用状」の保証を止めやすくなる。日本の銀行(みずほと三菱UFJ)は韓国輸出入銀行他2行に貿易の「信用状」を保証している。韓国の銀行は経営状況が悪化しており、邦銀の保証がなければ世界各国は韓国の「信用状」を受け取らない。日本の銀行がその保証を止めれば、韓国は貿易(特に輸入が)ができなくなるという訳だ。しかし、この方策は日本単独では困難。有効なのはアメリカのFRBあたりがマーケットにウォンの通貨不安のサインをチラチラ投げかけることだ。

◆米国は景気後退への懸念が高まっている。米国経済が後退局面に入ると、韓国のみならず世界経済は足を引っ張られることになる。そうなると、韓国の輸出はさらに落ち込むことが想定される。企業業績悪化の懸念から外国人投資家は韓国株を手放し、韓国から海外へ資金や資本が流出する。韓国経済が自力でその状況に対応することは困難であり、今回はIMFはサポートしない。すでにウォン安、株安は長期的に低落傾向にある。外貨準備高は約4000億$と言われているが、即換金性があるのは3分の1ほどではないかと見られている。韓国の国債の殆どは$建て債券(外国からの借金)であり、償還に支障を来たせば即デフォルトの危険性が高まる。輸出に頼る脆弱な体質の韓国経済は最も世界経済の影響を受けやすい。

◆文政権は韓国の経済、雇用環境の悪化に対する国民の不安を「反日」に向けさせることで目をそらし、将来の「北」との統一というバラ色の未来図を描いてみせた(バラ色より暗黒の可能性が高いのに。)文大統領は自らの立場を守るために、国家の安保体制の維持強化に欠かせない米軍との関係を蔑ろにしたことで、米軍の軍事・安全保障の専門家達を怒らせてしまった。トランプ政権は12月までに、在韓米軍の駐留費を現行の5倍に引き上げるよう大幅な増額を求めている。米軍撤退を望んでいる文大統領は、これを蹴ったり無視すれば、アメリカの金融制裁はいよいよ表面化するだろう。国内では文氏の側近で、反日の急先鋒である法相候補がスキャンダルで追い詰められている。内憂外患の文政権だが、これから年末にかけて正念場を迎えることになろう。日本はじっと静観していれば良い。


 

2019年9月 4日 (水)

想像力が欠けているのは岩波・朝日の連中だ。

◆日韓の対立が深刻化し、修復が困難な状況になってきた。ここにきて、このままでは日本のマイナス面が顕在化するので、話し合いを進めるべきだという意見も目立ってきた。週刊朝日は「元徴用工など歴史認識に端を発した問題に対して、経済面にまで拡大したのはやはり安倍”害”交と言うほかない。韓国では日本製品不買運動が加熱し、韓国旅行客の激減で日本全国から悲鳴が上がる。結局、国益を損ねただけだ」などと相変わらず日本が悪いと強調する
◆7月末には、識者と言われる一部の人たちが「韓国は『敵』なのか」と題する声明を発表。日本の韓国向け輸出規制の撤回を求め、「両国関係がこじれるだけで、日本が得るものは全くない。解決には冷静で合理的な対話以外にない」と訴え、8月末までに約9400人が賛同し、署名したと言う。さらに、8月末に朝日新聞や岩波書店などが修復を訴える集会を開き、「日韓関係は泥沼に入り、収拾がつかなくなっている。圧力で相手が屈するとの考え方には、相手への想像力が著しく欠けている」と指摘したと言う。
◆こうした考え方は一見正論に見え、事情をよく知らない人達はもっともだと思うかもしれない。だが、今回一見強硬と見える日本の動きに、韓国側は今までとは違うなという驚きを感じているらしい。即ち、1965年の日韓基本条約及び請求権協定で両国間の問題が解決し、未来志向で動き出したはずの両国がその後、竹島問題、教科書問題。旭日旗問題、靖国問題、慰安婦問題、徴用工問題などを事あるごとに韓国側が取り上げ、騒ぎの元になってきた。その元になった主因のひとつに朝日などの左派系メディアが自身のフェイクニュースも含めて、政府批判の論調を展開してきた背景がある
◆韓国側はこれらを奇貨として、時の政権の浮揚策に反日運動・日本叩きを大いに利用してきた。日本は戦前の植民地政策という負い目もあって、その都度「まぁいいか」という大人の態度で対応してきた。韓国は「日本は強く出れば譲歩してくるもの」と自信を持った。つまり、日本は対韓政策で甘やかし政策をとってきたが、それが裏目となって跳ね返っているのだ。単に表面的に問題を収めるだけの話し合いは同じことの繰り返しとなり、将来的に大きな禍根を残すことになろう。
◆今回の安倍政権は今までの対応とは異なった。三品目の輸出規制の厳格化、ホワイト国からの格下げは韓国が単に輸出の手続きを国際ルールに則り正しく運用すれば済む話で、逆上して経済戦争などと大騒ぎする話ではない。ここに韓国の本質、体質というより『北』の主体思想に毒された大統領以下の指導体制に見る思いがする。しかし、韓国内にも「反文在寅」の動きも出てきた。文氏は8月15日のスピーチで日本との対話のシグナルを送ったというが日本が求めてくるなら会ってやってもよいという上から目線のもので、とても本心からではない。ここで朝日新聞等がいう「対話に応じるべきだ」はまさに「歴史を顧みず、想像力に欠けた態度」と言わざる得ない。過去の諸問題を横に置いて輸出規制の撤廃に妥協するような解決策をとるならば、まさに韓国の思うつぼ。対話するならば、過去と同じ轍を踏むことを止め、この際全てを清算するのだという覚悟で、徹底的にケンカすることが必要ではなかろうか

2019年8月22日 (木)

秋の「即位礼正殿の儀」、韓国はどうする?

◆今秋10月22日から23日にかけて、新天皇の即位を公に宣言する「即位礼正殿の儀」が行われる。新天皇にとっては一世一代の大儀典。各国元首や代表者の前で、新天皇が即位を宣言する。付随して行われる「祝賀御列の儀」(パレード)で国民の祝賀を受け、皇居の豊明殿に国内外の要人を招いて「饗宴の儀」が盛大に執り行われる。また別途、「首相夫妻主催晩餐会」が外国元首・祝賀使節らの来日に謝意を表すために都内で開かれる。

◆官邸や外務省・宮内庁は即位礼正殿の儀の海外列席者招待に当たり、人選に慎重を期し、粛々と進めているだろう。問題は韓国だ。いわゆる徴用工訴訟問題、レーダー照射事件、韓国国会議長の天皇侮辱発言、慰安婦問題の「和解・癒し財団」の一方的な解散など、韓国側に起因する発言・行動で反日感情が高まり、およそ常識を遥かに超えた行動が展開されている。即ち、国民の間に充満した燃焼性の強い混合ガスが日本の安全保障上の輸出規制を強化するという導火線で点火され一気に爆発、日本製品不買運動をはじめ、渡航自粛などあらゆる嫌がらせを展開し、今なお拡大中だ。

◆こうした状況の中で、韓国の文在寅大統領は出席するだろうか。「買いません。行きません。Japan」,「No Japan、No Abe」のスローガン」を掲げ、韓国中に反日ムードを煽っている親玉がどの顔で安倍総理と握手し、祝賀を述べるのか。「日本や安倍総理を、盗人猛々しい」などと口汚く罵った大統領が、まともに相手の顔を見ることができるのか。日本人の常識ではとても考えられない。
それとも「光復節」の記念式典で、「今でも日本が対話と協力の道に出たら、私達は喜んで手を取る」と一見軟化の兆しを見せてやったから、一部の日本のメディアや識者は支持を表明しており、日本は乗ってくるだろうと、いつものヘラヘラした調子でノコノコやって来るだろうか。しかし、いくら厚顔無恥でも、さすがに国民の視線を無視してまで、本人は出席しないだろう。せいぜい、首相を代理出席させてお茶を濁す程度か。

◆日韓間の溝は深まり、解決の兆しは見えてこない。日本はここで下手に妥協し、複雑で困難な諸問題を曖昧にしたまま手を結べば、またいつか同じことが繰り返されることは火を見るより明らかだ。今は申もう少し韓国の現状を静観することが重要。文大統領は「北朝鮮との経済協力で平和経済(?)が実現すれば、一気に日本に追いつくことができる」などと、夢想を語っているが、そのことも含めて静観する必要がある。あと、数か月もすれば韓国経済は行き詰まる可能性が高い。その時こそ積年の悪弊をリセットする好機だ。韓国は謝った歴史認識、日本との敵対関係の間違い、日韓請求権条約も含めた国際法の遵守等を自ら悟り、慰安婦像は全て撤去するなど、具体的に行動で示すことによって、本当の意味での日韓関係が成立する。自由民主主義体制を選ぶのか、北と統一した不自由な独裁体制を選ぶのか、韓国国民が選択する時がもうすぐやって来るだろう。

 

2019年6月16日 (日)

松の嘆き

  ◆東海道の松並木と言えば、広重の「東海道五十三次」を思い出す。全55図の内、4分の1の図柄に「松」が主軸に描かれ、また遠景に配置されたもの、その他の樹木と併用されたものを含めると、約半数に及ぶ。「松」は東海道のイメージ創出に大きな役割を占めていると言えるだろう。 「小田原宿」をテーマにした「酒匂川の渡し」にも遠景に松が描かれている。現国道1号線に面した小田原市酒匂に転居してきて13年になるが、国道に面して推定樹齢70、80年から150年以上になる黒松が30数本立っていた。樹高は10mから20数mにもなるだろうか。

◆この10数年の間に3本ほどの松が大きな切り株を残して伐採された。一つは台風による倒木、一つは松くい虫による被害だろうか、切り株の中ほどに大きな空洞が見られた。もう1本は建物の邪魔になったのか、伐採された直径は1mほどあった。こうした状況にあって、先日、松の枝や上部を伐採する工事が行われた。複数の作業員を動員し重機を利用して交通規制をかけ、3日ほどの作業日数を要した。切っ掛けは、大きな枝が建物に掛かり危険性が増すこと。松が落とす大量の枯葉や松かさの清掃の手間、台風等による大枝の落下や倒木の危険性、そして通りに面し松に隣接する建物や店舗からの要請が大きかったと思われる。
Dsc_0034 伐採作業中
◆工事が終わり、マンションの6階から見ると、見通しは確かに良くなった。しかし、枝落しされた松の傍らに立って見上げると、上半身を切断されたような、腕がもぎ取れたような、無残さを感じてしまう。無傷の松は5~6本になってしまった。
時代が幕末から明治になって、今や令和を迎え150年余が経った。世の中は大きく様変わりし、自然環境も大きく変わった。東海道の象徴だった松並木が次第に姿を消していったのも、時代の流れだったのだろう。今回部分伐採された松たちも、かつては東海道を行き来する旅人を眺めつつ、文明の変化を身をもって感じていたのかもしれない。
  Dsc_0032 伐採作業中
 
◆「松」は岩や砂だらけの海岸地帯のような荒地であっても、潮風に強く、風雪にも耐え、時間をかけて大きく成長する。肥沃な土地や堆肥などは苦手というから質実剛健そのものだ。松並木では日陰を作り旅人を和ませてきた。また防風林の役目を果たし、暮らしを守ってきた。日本各地で「白砂青松」と言われる景勝地を作り出し、日本の原風景のひとつにもなった。ところが昭和40年前後から、高度経済成長の影響だったのか、松の樹勢が弱まり、松くい虫が増え、「枯れ死」が問題視されるようになった。さらに道路の拡張、都市計画の進展で、松はドンドン伐採されていった。結局松を活かすも殺すも人間の都合によるもの。一抱えもある伐採後の松の枝の断面を見上げて、そんなことを考えさせられた。

Dsc_0046_1 伐採後の姿

2019年6月12日 (水)

《道東ツアー》 独断 ’ベストスポット’ ランキング (下)

前回に続いて、ランキングの4位から8位までをUPしました。

第4位】 尾岱沼の遊覧と野付半島のトレッキング
オホーツク海の大自然が造った最大級の砂州尾岱沼。尾岱沼港から小さな遊覧船で対岸のトドワラ桟橋まで渡る。途中アザラシ一家が干潟で寝そべってこっちを見ている。のどかなものだ。下船後野付半島ネイチャーセンターまでトレッキング。30年前は白く立ち枯れした多くのトドワラを観たが、今では数本経っているのみ。その代り原野が大きく広がった。短期間の自然の大きな変化を実感する。狭い道には両側にブッシュが広がり、ハマナス、エゾカンゾウなどの花々が見られ、空にはヒバリがさえずり、灌木の中で郭公が鳴いている姿を堂々と見せている。30年前には建物など考えられなかったが、立派な野付半島ネイチャーセンターが迎えてくれた。

【第5位】 釧路湿原の木道散策とノロッコ号からの湿原観察
今回の旅行の目的のひとつが「丹頂」との出会い。風連湖の展望台やバスの車窓から数回その姿を見た。釧路湿原は雨の中、ネイチャーガイドの案内で木道散策したが、見えず。さらに釧路駅からノロッコ号で釧路湿原を観察、最後の最後に比較的近くで丹頂のペアを発見したことはラッキー!

【第6位】 知床の自然、ウォーキングトレイル
知床自然センターからベテランガイドの案内で、約2時間のトレイル。森と草原を抜けた先に断崖絶壁の上部に至る。午前中海上から見上げたフレベの滝を見下ろす。眼下にオホーツク海が広がる。知床連山(羅臼岳から知床山に至る)の眺望がすばらしい。

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フレベの滝絶壁からオホーツク海を見下ろす。

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知床連山右端が羅臼岳、左端は知床岳 。

【第7位】 知床五湖 高架木道散策
知床五湖フィールドハウスから高架木道を通って、知床五湖に至る。よく整備された木道にはクマよけの電柵が張り廻らされている。今回は時間の都合で第一湖のみ。雪渓が残る知床連山の姿が素晴らしい。
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知床五湖から知床連山の北の端、知床岳を望む。

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知床五湖から知床連山の羅臼岳(右端)を望む。


【第8位】 厚岸味覚ターミナルの海鮮炭火焼バーベキュー
海を見下ろす高台のレストラン「コンキリエ」で、厚岸特産の大振りの牡蠣、初物の大振りのサンマ、シャケ、ホタテ、シシャモ、ハマグリなどの炭火焼は豪華。特に焼牡蠣の美味しさは絶品。これぞ北海道!

今回の「道東の秘境を巡る3泊4日の旅行」はほぼ満足のいくものだった。(終)

2019年6月11日 (火)

《道東ツアー》 独断 ’ベストスポット’ランキング(上)

先週、「道東の秘境を巡る3泊4日のツアー」に参加した。北海道東部は過去3度ほど訪れていたが、今回は季節も異なり、初めて訪れたところもある。今回の旅行でベストスポットを独断でランキングしてみた。

【第1位】 屈斜路湖温泉近くの津別峠での星空観賞
標高900mの峠はまだ寒さが残っているが、天候に恵まれた満天の星空の元、北斗七星や白鳥座などが驚くほど明るく大きく見えた。夏の大三角形をなす白鳥座のデネブ、こと座のベガ(織姫)、わし座のアルタイル(彦星)、さそり座、天の川などはこの時期・この時間(8:30~9:30pm)はやや低い位置にあったが、都会ではなかなか見られない夜空であり、ほぼ満足。

【第2位】 知床半島の最突端、知床岬までのクルージング
冬季は流氷観察で有名なオーロラ号に乗船して、知床半島の中間地ウトロ港から最先端の知床岬までの往復3時間45分のクルーズ。オホーツク海はナギで、漁師たちが利用する番屋以外、人を寄せ付けない大自然の地形が展開する。期待のクジラやシャチ、トド、ヒグマの姿は見られなかったが、イルカ、多くの海鳥などは見られた。火山活動が生み出した連続する断崖絶壁、奇岩、多くの滝は印象的。最先端の知床岬の先端部分にやや平地が見られたのは意外だった。
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オーロラ号から断崖絶壁と知床岳を見る
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知床岬先端と知床燈台(右側)

【第3位】 本土最東端の納沙布岬を初訪問
クナシリ島は30年前羅臼から望見した際、島の大きさや近さは実感した。今回は納沙布岬の先端に立って望見したが、島影はうっすら見える程度。むしろ歯舞諸島でもっとも本土に近い貝殻島燈台は納沙布岬から肉眼で見える程の(3.7km)近さに立っている。戦前、日本が海上航行安全のために硬い岩礁の上に設置したもの。
北方4島が旧ソ連に不法占拠された後、ロシア側の維持・管理が杜撰だったため、現在は傾いており、倒壊するのは時間の問題という。この灯台を遠望するうち、どう考えてもロシア領ということは納得できない。今も毎年日露漁業交渉が行われ、認可を得た小規模の漁船のみが高い入漁料を払って漁業を営むだけというから、理不尽であることこの上ない。この周辺の漁業は後継者問題もあり、廃れていく一方だ。この岬の突端に立ちガイドの説明を聞いて、改めて北方領土問題の深刻さを実感する。領土問題を象徴する大きなモニュメントの下には赤い炎がじっと燃え続けているが・・。(続く)
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納沙布岬灯台。左側に国後島がうっすら見える。
 
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北方領土返還を目指すモニュメント。下の台の上に赤い灯が燃えている。

2019年5月 4日 (土)

「平成」に積み残してきたもの

◆「令和」の時代が始まった。世の中が新しい気分になるのは結構なことだが、現実の世は1日で大きく変わるほど単純なものではない。平成の世に大きく変わったものは数多いが、変わらないのは日本の政治だ。戦後の一時期、昭和22年6月から翌23年2月にかけて、社会党片山哲を首班とする連立政権が成立したが、短命に終わった。以来昭和30年に、いわゆる55年体制と言われる保守政権の自民党対万年野党の社会党という構図が出来上がった。この体制は平成の世になり、同5年(1993)8月、野党8党・会派による「細川連立政権」が発足するまで、約40年続いた。

◆この間、金権政治、派閥政治、腐敗した権力構造などと批判されながらも、日米安保体制のもと、高度経済成長の波に乗って、国民の暮らしは向上し、日本の国際的地位は高まっていった。まさに昭和元禄と言われた時代だった。ところが、長く続いた一党独裁政権の弊害が顕著となり、政治改革が叫ばれるようになった。そうした中で「細川連立政権」が成立し、55年体制は崩壊したかに見えた。しかしこの政権は「反自民」というだけで集まった野合政権で、瓦解するのも早かった。一旦政権を失った自民党はなり振り構わぬ政権奪還を目指し、翌H6年6月に村山社会党委員長を首班とする「自社さ」連立政権を発足させた。

◆平成の世はバブルの絶頂期から始まり、バブルが崩壊すると、大震災・経済危機など数々の試練に直面。世界的には東西冷戦の終結で、安定した平和の時代の到来かと思いきや、逆に紛争や大規模テロが頻発、新たな無秩序が広がった。H20年にはリーマンショックという世界的金融危機が起こり、日本経済は出口が見えない長いトンネルに入ってしまった。政治の世界では政権交代可能な選挙制度の導入ということで、小選挙区制が施行され、3度の総選挙を経て、H21年(2009)9月、民主党が単独で過半数を大きく上回る大勝利を果たした。自民党以外の政党が単独で過半集を獲得した戦後初の政権が誕生。多くの人は(筆者も含めて)新しく発足した「鳩山内閣」に希望を託した。しかしその期待は後の菅内閣、野田内閣と三代続いた民主党政権に大きく裏切られる結果となった。

◆民主党政権の失敗は、沖縄辺野古基地の混迷化、東日本大震災と福島原発事故の対応の不味さ、尖閣諸島をめぐる対中国との稚拙な外交等、未熟さが表面化したものだが、要するに政策遂行能力の欠如、官僚機構に対する統治能力の欠如が主因だ。万年野党で染みついた批判体質、責任転嫁体質、財源の裏付けのない人気取り政策、バラバラの外交安保政策・・一口で言えば政権担当能力の欠如としか言いようがなかった。国民はバラ色の幻想を抱き、それに踊らされたが、その反動はH24年12月に第二次安倍政権が成立したことに現れた。その政権が6年4か月と史上最長の長きに亘って続いている現状を見ても、前民主党政権への絶望が大きかったことを物語っている。

◆今、野党は「安倍一強打倒!」とか「政権奪還!」とか「統一候補の擁立!」とか叫んでいる。離合集散を繰り返し、数の寄せ集めと「敵失と風頼み」で、「夢よ再び」という訳か。憲法、原発、外交安保などの各論になると意見はバラバラ、纏まらない。いや纏める気がない。奪還姿勢はポーズだけ、今叫んでいることは枝葉末節の事。前回敗戦の本質論に踏み込んでいない。国民は安倍政権に満足しているわけではない。政権担当能力のない野党よりは増しだという程度。本当に政権奪還を果たそうとするならば、目指す政権の旗印はこうで、顔はこうだ、と目に見える形で国民に示せるようでなけらばならない。結局、平成の世に積み残してきたもの、それは野党が政権担当時代に負った「多くの負の遺産」だ。その清算を果たさないまま、再度政権を任してもらおうなんてあまりにも厚顔無恥すぎる。

2019年4月25日 (木)

宇宙のことに思いを馳せる。(5)

宇宙に果てはあるのだろうか。あるとすればその先はどうなっているのか、誰でも一度は考える素朴な疑問だ。この問題を考える時、重要なのは宇宙の曲率時空の概念だと言う。
【宇宙の曲率】
地球を例にとって考える、地球は球形であるため、表面をどこまでもまっすぐ進むと、元いた場所に戻ってくる。即ち、果てがない。このような空間を「閉じた空間」と呼び、その曲率はになる。逆に曲率がの場合、またはちょうど0の場合には、その空間は無限に広がることになる。では、実際の宇宙の曲率はいったいどれくらいなのか?これまでの観測ではほぼ0(おそらくは0)であることが分かっている。空間を軸に考えると宇宙は無限大であると言えるだろう。

【宇宙の時空】
では、宇宙は無限なのかというと、もう一つの重要な軸である時間という次元を考えなければならない。宇宙は少なくとも、4つ以上の次元を持った時空間だ。従って、空間が無限大であっても、時間方向に果てがあるのかないのか、疑問が起こる。結論から言うと、その答えは「果てがある」ということだ。私達の宇宙は138億年前に始まったことが分かっている。それより前の宇宙は存在しない。但し、将来の方向には果てがあるかどうかはまだよく分かっていない。時間が有限であるということは、光の速さが有限である以上、観測できる範囲にも果てがあると言うことだ。「観測できる宇宙の果て」は地球から138億光年先にあることになる。

宇宙が始まる前】
宇宙に始まりがあったということは、その始まる前はどういう状態だったのかと疑問が湧く。宇宙が138憶年前のある瞬間に生まれたとする考えは、科学者にとって些か気持ちが悪いものらしい。宇宙が生まれた以降のことは物理学で理解できるが、物理学で理解できないその特別な瞬間《特異点》が存在すること自体、科学者にとっては気持ちが悪いことなのだ。このような特異点が生まれないような、より包括的な理論があるべきだ、と科学者は考える。宇宙の始まりという特異点を回避するための理論はホーキンス博士をはじめいくつか提唱されているが、未だ観測では確認されていない。
【宇宙の将来】

我々の宇宙は138億年前に始まったと考えられているが、ではこの先宇宙はいったいどのようになっていくのか。宇宙に終わりはあるのだろうか。様々な観測によって、現在の宇宙は加速度的に膨張していると考えられている。過去には膨張から収縮に転じて、最後には閉じる宇宙モデルや、無限の時間をかけて一定サイズに到達していく宇宙モデルなども考えられたが、現在では永遠に膨張を続けるという宇宙モデルがもっとも確からしいと考えられているようだ。しかし、この膨張を引き起こしているダークエネルギーの正体が未だに不明であることから、永遠にインフレーションが続くのか、あるいはあるサイズに達した段階で新たな状態に転移し、永遠の膨張とは違った展開になるのかは分かっていないと言う。私的には始めがあったのだから、終わりがある方がしっくりくるのだが・・。

 

2019年4月23日 (火)

宇宙のことに思いを馳せる。(4)

【宇宙の誕生を時系列的に見る】
宇宙はどのようにしてできたのだろうか。最も素朴な疑問で最も難しい疑問だろう。かつて宇宙は「無始無終の存在」、即ち始めもなく、終わりもないという見方もあったが、これは宗教的で科学的な説明とは言えない。宇宙が物質で構成されている以上、誕生があり、消滅もあるというのが現代宇宙論の主軸だ。宇宙は膨張しつつあるという事実は、もはや常識となっており、過去に遡れば宇宙は小さかったことを意味する。宇宙の成り立ちについて、JAXA宇宙航空研究開発機構のHPを参考に時系列まとめてみたが、実際にその過程を見た訳ではないので(笑)本当のところはよく分からない。
(1)今から約138憶年前、ビッグバンから宇宙は誕生した。
「無のゆらぎ」
から宇宙は誕生したと言う説が最も有力とされる。無のゆらぎとは、無と有の状態が両方とも同時に、ある確立をもって存在している状態を指す。無から有の状態になった宇宙の卵は、またすぐ無へと戻るのが普通だが、ある確立をもって無へと戻らず急激な膨張を始める宇宙があったと考えられている。それが、宇宙の始まりの瞬間、ビッグバンだ。ひとたび膨張を始めた宇宙は、その誕生直後に急激な膨張期、インフレーション期を迎えて、その長い歴史の第一歩を踏み出した。
(2)はじめの3分間で、宇宙の基礎ができあがった。
現在の理論では、誕生の100分の1秒後の宇宙は、超高温(1000億度)・超高密度で、大量の光子、ニュートリノ、電子の中に少数の陽子や中性子が混じった混沌とした状態であったとされ、この状態を「光の海」と呼んだ。
(3)3分46秒後、温度が9億度まで下がり、原子核の結合が見られた。
ヘリウムや水素の原子核の結合が安定して起き、このあと長い時間をかけて宇宙が冷えていき、銀河のもとになるガスができてきた。
(4)34分40秒後、温度は3億度、水素とヘリウムの比率は7:3となった。
現在の宇宙にある物質は、およそ3:1の重量比率の水素とヘリウムで構成されている。他の物質は、水素やヘリウムに比べればごくごくわずかに過ぎない。
(5)38万年後「宇宙の晴れ上がり」。温度3000度まで低下。
宇宙が誕生した直後の高温高圧の宇宙は、不透明な世界。宇宙全体を満たすプラズマが光の直進を妨げていたからだ。温度が3000度まで下がると、光が直進できるようになり、遠くまで見通せるようになった。これを「宇宙の晴れ上がり」と言う。
(6)100万年~10億年後、原始銀河が誕生。
近年の観測の結果、宇宙誕生から10億年後には、すでにある程度の大きさの銀河が多数できていたことが解ったという。即ち、125億光年の彼方にある銀河の様子を観察したところ、我々の銀河の25分の1ほどの小さいサイズの銀河が多数発見された。これらの銀河は生まれたばかりの銀河だと考えられている。このような小さな銀河が、その後100憶年もの時間をかけて合体・衝突しながら、私達が住む天の川銀河のように、10万光年ものサイズがある大きな銀河へと成長してきたと考えられている。
《評》億年単位のアバウトな宇宙の歴史にあって、無から有への誕生の瞬間が10のマイナス37乗秒後からマイナス35乗秒後のわずかな間に、一気に10の43乗倍の大きさに広がるという精緻な世界が特定できるということが理解の範囲を超えている。まさに宇宙の神秘だ。

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